表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冒険という名のパラダイス!!  作者: めーる
第4章 魔王よりも先に、世界征服!!
85/190

4章 第37話

「うぅぉぉぉぉおおおおおおっ!?!?」


 ……この勢いで落ちたら確実に死ぬ。やだ、死にたくない?!


 俺が絶叫しながら落下していると、視界に……翼を羽ばたかせ飛行しようとしているドルチェが、確認できた。


 スグに俺は、声を荒げながら助けを求める。


「おい、ドルチェぇぇええっ!! 助けてくれぇええぃぃっ!?!?」


「うん!!」


 声に気付いたドルチェは、威勢良く返事をして……急いで俺の方へと駆け飛んできた。


 その後スグに……俺は、飛んできたドルチェの腕に飛び付き、落下死から逃れる。


 続けて、ドルチェは飛行速度の勢いを増して……アスモリとメロも助けた。


 皆の命を救ったドルチェは、上の穴を見上げながら元気良く言う。


「それじゃあ、元の場所に戻ろう!!」


 と、瞬間に……ドルチェは再び声を発する。


「って……アレ?? なんか、皆んなが重たすぎて……なんか少しずつ、ユックリと下に下がっているようなぁ??」


 そんな発言が聞こえた俺は、急いで下方へ視界を移して……ドルチェの言葉が本当なのかを確かめる。


 ……本当だ、地味に降下している!?


 事実かを確認し終えたと同時に、俺は上を見あげてみる事にした。


 穴は段々と遠ざかっているのが分かる。


 と、


 穴が勢いよく閉まってしまった。


 ……うぉいっ、穴が塞がれちまった!? いや、どうするの!? 俺はコレから、どうなっちゃうのっ!?


 頭上の景色に絶望をしている中でも……俺たちは、段々と降下していって……遂には、足裏が地面へと付く。


 着陸した事が分かった俺は……ドルチェから体を離して、声を多少に荒げながら言う。


「此処、何処だよっ!?」


 着いた場所は、とても窮屈で薄暗い四角な空間。


 周囲を見渡してみると……小さい謎の押しボタンが四つ、壁から飛び出している。

 それと、薄いガラスの板が一枚……ボタン上の壁に、埋め込まれているのも確認できた。


 それ以外は、なにも物が置かれていない、シンプルな空間という事が把握できる。


 ……どうやったら、外に出られるんだ??


 俺が外に出る方法を考えていると……壁に埋め込まれている薄いガラス板の中に、見知らぬ若い金髪な男の顔が不意に現れた。


「うぉっ!? なんだ!? また生首かっ!?!?」


 突然のことに、俺が驚いていたら……ガラス内の男は、悪戯めいた笑みを浮かべて口を動かしはじめる。


「おいおい……何故そんなに驚いているんだい??」


 ……なんだこの偉そうな奴は?? ムカつくな。


 俺がそんなことを感じていると……アスモリが驚愕しながら、狭い空間に声を響かせる。


「んなっ!? イディオス王っ!?!?」


 ……えっ、王っ!?


 俺がアスモリを追うように驚いていると、ガラス板の男は再び口をニヤリと動かす。


「おぉ……確かお前は、数年前にも王宮に侵入してきた男だな?」


「おう、そうだ……」


 アスモリは、微かに頷きながら一言で答えた。


 そんな返答を受け取った男は、眼をぎらりと光らせて……途端に大きく唇を動かしはじめる。


「まぁ、そんな事はどうでも良い。ワタシの事を楽しませろ……」


 ……は? 楽しませろ?? 何言ってるんだ、コイツ。


 俺が首を傾げて考えている時でも、男は喋る口を止めない。


「では、今から……お前達には、一つの試練を受けてもらうことにする。試練を生きて乗り越える事が出来たならば……侵入を見逃して、王宮から出してやろう」


 ……試練を乗り越えたら、此処から脱出が出来るのか。


 そう考えながら俺は……ガラス板に姿浮かぶ男へ、呟くように問い掛ける。


「試練の内容は……どんなモノなんだ??」


 刹那、男は不敵な笑みを浮かべて口を開く。


「試練内容を簡潔的に説明するのなら、『壁にみえる四つの内、一つのボタンを選択して押せ』が良いだろう……」


 ……なんだ、それだけか?? 『今から殺し合いをしてもらう』とか、言われなくて良かった。


 俺が少しばかり安心している最中……男は補足するように、閉じかけた口を動かして言ってくる。


「四つの内、三つのボタンは、押されると……壁から致死量の毒ガスが噴き出す仕組みになっている。四つの内、一つは……押すと、出口に繋がる隠し扉が開く仕組みだ。ちなみに……選択した一つのボタンを押した後に、違うボタンを押しても……最初に押したボタン以外の効果は発せられないからな」


 ……致死量の毒ガス!? 慎重に選ばなきゃ、いけないな!!


 緊張感に襲われながらも、俺は皆と相談し合おうと――……


『ポチッ!!』


 ……え?


 相談し合おうと、アスモリが居る方を振り返ったと同時に……ボタンを押された音が、鼓膜に大きく響いた。


 急いで俺は、四つのボタンがある方へと顔を向ける。


 と、


 軽く背伸びをしながら、人差し指で……一つの押しボタンを押してしまっているドルチェの姿が、視界に映った。


「うぉぉおおおおううぅぅぃぃっ!? お前、何やってるんだよっ!? 男の話を聞いてなかったのか!?!? 四つの内、三つのボタンは押すと……壁から毒ガスが噴き出してくるんだぞっ!?!?」


 俺に続けて、アスモリも叫ぶ。


「うわぁぁああああっ!?!? ダメだよっ!? 軽い感じで、押しちゃダメなボタンだよっ!?!?」


 俺たちが慌てている中、メロが微かに呟く。


「大丈夫……私ハ、機械。毒ガス、デハ……命ツキル事ハ、ナイ」


「いや、知らねぇよ!? 毒ガス噴き出して、お前の命が尽きなくても……俺は尽きるんだよっ!?」


 混乱してしまっている所為か、俺は思わず……八つ当たりする様に、メロへ強く当たってしまった。


 ガラス板の男は、ドルチェの事を唖然とした表情で見つめている。


 と、


『試練を達成しました! 試練を達成しました!!』


 不意に機械音な声が、空間内に響き渡った。


 ……え? 試練達成??


 突然な言葉に、俺が呆然としていたら……隠れるように存在していた扉が大きく開く。


 扉奥には、外へと繋がっているであろう……長い階段を、確認する事ができる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ