表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冒険という名のパラダイス!!  作者: めーる
第4章 魔王よりも先に、世界征服!!
78/190

4章 第30話

「おう、そうだな!」


 ユンバラがイリビィートの発言へ返答したのを合図に、俺たちは王宮に向かって歩き始めた。


 そんな道中……俺は、朝日が昇りつつある町の風景を楽しみながら、脚を進める。


 何処もかしこも、金属で造られた頑丈そうな建物ばかりだ。建物一つ一つが、銀色に輝き……美しい町並みを作り出している。


 それと、まだ朝が早いからだろう。人通りは、そんなに多くはない。


 うん。『人通り』は、多くはない……のだが、


 ……なんなの? この町は、どうなっているの??


 俺は、町を通行している一部の者たちの姿に、唖然としてしまう。


 ……この町、絶対におかしい。


 町を歩いている一部の者たちの姿を見て、そんなことも思った。


 その後スグに、俺は視界に入る景色に耐えれ切れなくなり……おかしいと思った点を指摘するかのように、大声を発してしまう。


「おい、どうなってるんだ……この町っ!? なんで……武装した機械兵が、堂々と歩き回っているんだよっ!?」


 ジックリ周辺を見渡してみたら……武器ではなく、買い物カゴを持っている機械兵も確認できる。


 俺が呆然と辺りを眺めて歩き続けていると、不意に背後から……偶然に近くを散歩していたお爺さんが、話し掛けてきた。


「おやおや、機械兵に驚くとは……旅人さんなのかい? この国に住む人々は、一家に一台……機械兵を所有しているんだよ。何かあったら護ってくれるし、お使いもしてくれる……。機械兵は、とても便利なんだ」


 ……え? 戦闘兵器が、お使いをしちゃうの?? てか、なんだこの爺さん? 急に後ろから話し掛けてくるから、少しビビっちゃったよ。


 俺は、そんな事を思いながらも……この国の情報を教えてくれた爺さんに、頭を軽く下げて御礼を言う。


 その後も、町風景を眺めながら進行していると……王宮入口の目前に辿り着いた。


 と、ドルチェが興奮した口調で言う。


「うわぁ、おっきぃ!? 遠くから見るのと、迫力が全然違うねぇ!!」


 ドルチェの言うとおり……王宮の迫力は、遠くから見た場合とでは、全く異なっていた。


 遠くから眺めていた時は、ただ単に『大きい』や『でかい』しか、言葉が思い浮かばなかったのだが……目前で見てみると、建物が徐々に迫り来る感覚がして、『恐ろしい』などとも思えるのだ。


 俺が建物の威圧感に茫然としていたら、ユンバラが首を傾げて言う。


「入口前に来たのは良いが……王宮内には、どうやって入るんだ??」


 この疑問に、シュティレドが淡々と返答をはじめる。


「えっと……入口扉の何処かに存在する小さな窪みに、王宮の鍵のような役割を持つ『指輪』を翳したら……扉が開いて、建物内に入る事が出来るらしいんだけれど――……」


 シュティレドは……途中あたりから、段々と自信なさ気に言葉を濁らせていき……遂には、発言がピタリと途絶えた。


 謎の沈黙が訪れるなり、イリビィートが堂々とした口調で言う。


「入口の鍵である、指輪を持っていないのね」


 この言葉を耳にしたシュティレドは、申し訳なさそうにコクリと頷く。


 すると……イリビィートは、優しい口調で再び声を発する。


「持っていないのなら、他人から貰いましょう」


 ……王宮の鍵という大事なものを、くれる奴が存在するのだろうか??


 イリビィートが言い終えるなり、俺がそんな事を感じていると……シュティレドは、開き直って言う。


「そうだね!! 無いなら、他人から奪えば良いっ!!」


「ちょっと待て、今なんて言った!? 奪う!? 他人から強奪しちゃうのっ!?」


 すぐさま俺は、シュティレドの発言に問い掛けた。


 するとシュティレドは、もう一度言う。


「無いなら、奪えば良い」


「いや、奪っちゃダメでしょ!?」


 再び俺が、シュティレドの発言にツッコんでいると……ベジッサが微かな声で呟く。


「もしかしたら……町の何処かに、落ちているかもしれない。落ちているモノを拾うのなら、強奪にならない」


 続いて、ドルチェが張り切った様子で言う。


「よし……町の何処かに落ちてるかもしれない指輪を、探しに行こぅ!!」


 と、ユンバラが割り込むように発言する。


「じゃあ……効率良く探すために、二人一組ぐらいに手分けをして、探すとするか!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ