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冒険という名のパラダイス!!  作者: めーる
第4章 魔王よりも先に、世界征服!!
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4章 第23話

「……あたしは、別に良いわよ」


 イリビィートが俺の意見も聞かず勝手に、そんな言葉をセリカへ返答した。


「お、おいっ!! 一人で勝手に決めるなよっ!! こんな奴らと一緒に行動していたら、絶対にロクな目に合わないぞっ!?」


 俺がイリビィートを叱りつける中、ベジッサが呟く。


「……協力。効率が良くなる」


「いや、絶対に、効率が悪くなる一方だと思う!!」


 ベジッサへツッコむと、少しばかり遠くにいるセリカの喜ぶ声が、鼓膜に響いてくる。


「よし! じゃあ早速、あの人を捜しに行きましょう!!」


 ……勝手に話を進行するなよ。


 軽く頭を抱えていると、フェンが強めな口調で言い放つ。


「おい! どこの誰かも分からない、おかしな仮面を付けた奴らと協力するなんて、オレは反対だ!!」


 その言葉に、セリカが眉間にシワを寄せて強く言い返す。


「少し静かにしなさいよっ!! せっかく出来た手下(・・)が逃げたら、どう責任を取ってくれるつもりなの!?」


 ……おいちょっと待て、今なんて言った?


 すぐさま俺は、口を開いて問い掛ける。


「おい、そこの白銀髪の女……。今、俺たちのことを手下とかなんか言わなかったか??」


「え……?」


 俺の問いに答えることなく、セリカは気まずそうに目を逸らす。


 と、


「あの……早くプルイドさんを追いかけた方が……」


 アネータさんが、申し訳なさそうに言った。


 ……プルイド? もしかして、青髪男は世界一の遊び人の、プルイドだったのか?


 そんなことを感じていると……セリカは途端に開き直り、口を大きく動かす。


「そうね! 早く行かなきゃね!! ほら、そこの変な仮面を付けた三人組も、早く私に着いて来なさい!!」


 ……なんだコイツ。以前一緒にいた時よりも、ウザさが増してやがる。


 俺が眉間をピクピク痙攣させていると、ペリシアがセリカへと呟く。


「ちょっ、セリカ! 変な仮面(・・・・)を付けている人たちに、少し失礼だと思うよ!!」


 ……ペリシア。お前も、結構失礼なことを口にしちゃっているぞ。


 心中のイライラが極限まで高まりはじめている中……右耳の双方向無線機から、シュティレドの焦った声が聴こえてくる。


『ごめん! 男を探している最中に、翼が赤外線に引っ掛かっちゃった』


 ……え?


 突然右耳に伝わった言葉に、唖然としていると、


『緊急!! 緊急!! 上空の赤外線の反応あり!! 上空の赤外線に反応あり!!』


 街全体に、緊急アナウンスが流れはじめた。


 瞬間に……街を行き交う多くの人々が、叫び声をあげる。


「うわぁぁああああ!?!? 今日、何回緊急アナウンスが流れるんだよ!?」


「なに!? また侵入者!?」


 騒がしい空間の中、セリカが上空を見上げながら口を動かす。


「ねぇ、空に三人の人がいるわ!! なんか皆んな、変な仮面を付けてないっ!?」


 上空の光景を目にしたフェンが、此方をギラリを睨み付けてくる。


「あの仮面……そして、空に見える三人組。確か、お前らの仲間だったよな??」


 空を見終えたセリカが、声を張り上げだす。


「そうよ! あの上空の三人組は、アナタたちの仲間よ!! もうアナタたちは、私の手下として不合格だわ!!」


 ……くそぉ。セリカが物凄くウザい。


 俺は現状下そっちのけで、セリカをウザいと思った。


 そんな中、右耳に良い知らせが伝わってくる。


『少しばかりやらかした後に、言うのもなんだけれど……青髪に白タキシードの男を発見したよ』


 シュティレドからの唐突な朗報に、俺の心は少しだけ安らいだ。


 と、


「ねぇ! やっぱりあの人は、プルイド様よ!!」


 街中で上がる人々の叫び声の中に、女性たちの歓喜する声が響く。


 途端にアネータさんが、早口に唇を動かす。


「プルイドさんが、近くにいるようですね!! 早く歓喜する声の発生地へと、向かいましょう!!」

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