表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冒険という名のパラダイス!!  作者: めーる
第4章 魔王よりも先に、世界征服!!
64/190

4章 第16話


 中心街を駆けて向かう先は、この街で一番栄えているカジノ場。

 裏通りなど色々なルートが存在するが、中心街を横断するという行き方で進んでいる。


 駆ける俺たちに、周囲の人々は時々不審そうに視線を向けてくるが……きっと、気の所為だろう!!


 そんなことよりも、


「なぁ……目的のカジノ場って、どんな形をした建物なのか知っていたりするのか??」


 この島には、多くのカジノ場がある。

 俺は脚を懸命に動かしながら、隣を走るユンバラへ問い掛けた。


 すると、すぐにユンバラの口は開いて、


「なんか、ものすごい豪華な建物だ」


 ……いや、語彙力。


 多少呆れながらも、返ってきた答えで、建物がどんな形をしているのか想像をしてみる。


 ……きっと、黄金に輝き電飾を纏っていて、周りとは桁違いに豪華な建物であることは確かなのだろう。


 と、


 正面を走るシュティレドが、不意に脚を止めて口を動かす。


「皆んな、周りを確認してみて……」


 ……え?


 俺は戸惑いながらも、指示通りに周辺を見渡してみる。


 そして、気付いてしまった。


「なっ……町中の視線が……」


 脳内が一瞬だけ真っ白になる。

 理由は、周囲の人々に不審そうな顔をされて、睨まれてしまっていたから……。

 周囲から集まる鋭い視線のせいで、不安や緊張感が増幅する。


 ……まぁ、こんな大人数で走ってたら流石に不審に思われるよな。

 よくよく思い返してみると、走っている人もあんまり居なかったしな……。


 そんなこんな考えているうちに……辺りの人々は、俺たちを囲むように身を固めだした。


 その後……上品な衣類を纏う一人の男が、声を荒げて言う。


「おい! お前たちが侵入者だなっ!!」


 突然に飛んできたこの一言によって、止むことなく次々と暴言が、飛び交ってくるようになった。


「早くこの国から、出ていけっ!!」


「お前らみたいな奴は、此処では邪魔にされるんだよ!」


「早く消え失せろっ!!」


 ……いやいや、こんなに責めなくても。


 俺が暴言を聞いて、思いっきり奥歯を噛み締め悔しがっていると、


「……すこし、静かにして……」


 冷静沈着な口調の言葉が、鼓膜に響いた。


 声した方を見振り返ってみると、其処にはベジッサが立っている。

 両手で、顔に付けた仮面を取り外そうとして……。


 ……も、もしかして、仮面を外すのか?


 眼前の風景を目にして、そんなことを思った直後、


「私たちには、やらなきゃいけないことがあるの……」


 ベジッサは一言ポツリと呟くと、顔に付けている仮面をユックリ取り外す。


 刹那、


 今まで飛び交っていた暴言がピタリと止んで、辺り一帯は……『静けさ』や『騒めき』に包まれはじめる。


 静寂な空気感の中で、ベジッサは……仮面でソッと再び顔を隠す。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ