表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冒険という名のパラダイス!!  作者: めーる
第3章 監獄島からの脱出!!
46/190

3章 第13話

「あら、どうしたのかしら?」


 イリビィートはおちょくる様に、アスモリへ目を合わせて言った。

 そんな声に、アスモリは恐る恐る口を開いて、


「え? ……いや、なんか……世間の噂で流れている、六魔柱【白毛妖狐】の容姿と同じ様な感じだなぁ……っと、思って……」


 世間では【六魔柱】の本名は浸透していなく、あだ名的なモノで呼ばれている。

 イリビィートの二つ名は【白毛妖狐】……魔王軍の戦力として、結構恐れられている存在だとアスモリの態度で判断できる。


 俺がそんな事を思っていると、イリビィートがニヤリと笑みを浮かべ、


「……教えてなかったかしら? あたしは【白毛妖狐】本人よ?」


「えっ!?」


 看守が迫ってきている中、衝撃の事実に目を見開くアスモリ……。

 驚愕している姿を、ニヤニヤと楽しむイリビィート……。


 看守がもう其処まで着ているというのに、なんとマッタリした状況なのだろう……。


 俺はほのぼのした空気をかき乱すように、大きく口を開くと、


「なぁ! 早く急がないと、看守に捕まってしまうぞっ!!」


 前位置で叫び声を聴いたイリビィートは、両手で軽く耳を不機嫌に塞ぎながら、


「大声とは……下品な人ね。既に出発の準備は完了しているのだから、安心してほしいわ……」


 準備が出来ているだと……?


「本当かっ!?」


 俺は興奮気味に身を乗り出した。

 そんな行動を暑苦しそうに見ながら、イリビィートはコクンと頷く。


「じゃあ、今すぐ出発を――」


「そう焦らないでほしいわ」


 イリビィートは軽く微笑んで、巨鳥の首筋を顎で指した。


「動かないなら、動かせば良いと思うの」


「いや、どうやって……?」


 俺が問うと、イリビィートは即座に尻部に生える九つ白尾をクネりと畝らせ、


「こうやって……」


 尾を一纏めにして、思いっきり巨鳥の首筋に叩きつけた。

 刹那、巨鳥は痛みを主張するように鳴き声を上げると、大きな翼を羽ばたかせ、空へ身を投げるように飛び出す。


「どうかしら?」


「……」


 文句を言いたいところではあったが、事実……こうしなければ看守たちに捕まっていただろう。

 変身した時点で、出発の準備は完了していたのか。


 ……ごめんなさい、鳥さん。


 見たところ巨鳥に怪我はないようだ。流石に、イリビィートは手加減をしていたのだろう。


 後方を振り返ると、先ほど居た島が段々と遠ざかっているのが分かる。

 前方は、夕日色に染まる海一色だ。


 一度翼をひろげた巨鳥の飛行速度は、徐々に加速していく。

 身体に当たる風圧も強くなってきている。


「……ヤバい、振り落とされそうだ」


 面を伏せて羽毛にしがみつきながら、アスモリは抑えた声で呟く。

 俺も同じ事を思い、同じ体勢をとる。


 そんな中、イリビィートは静かに息を吐き出しながら、


「行きたい場所が有るのだけれど、寄っても良いかしら?」


 淡々とそう告げる口調に、俺は反対の意思を持つことは無かった。


「この後の予定は何も決まってない事だし、とりあえず寄って行こうぜ」


「……ありがとう」


 羽毛にしがみつく俺に、イリビィートは微笑みを向ける。


 それよりも、


「こんな海の真ん中で、方向感覚とか大丈夫なのか?」


 今俺たちの視界は、水面以外のコレといった物は何も確認できない。位置感覚を図る建物などは見当たらないのだ。


「大丈夫よ」


 イリビィートは堂々と、唇を動かし始める。


「波と風の流れや、夕日の位置や雲の動き……コレさえが分かれば迷子にはならないわ」


 流石【六魔柱】といったところか……。サバイバル能力に長けている。


 しかし、方位を把握したところで……


「この巨鳥のコントロールとか大丈夫なのか?」


 先ほどから飛行速度が上がってきている。

 それはもう異常なスピードで、気を抜いたら海面へ振り落とされそうだ。


「任せなさい」


 又しても、イリビィートは堂々と口を開いた。

 不安を感じた俺は、すぐさま言う。


「なぁ、ソレって暴力的なにかで支配するから大丈夫って意味?」


「そうよ」


 返答はすぐだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ