表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冒険という名のパラダイス!!  作者: めーる
第5章 いざ、魔王討伐!!
161/190

5章 第59話

「そそ、そんなことねーしぃ!? なに、俺が漏らしたとか思ってるの!?」


 ミネルが赤面しながら言うなり、イリビィートが再び冷静な口調で言う。


「誰も貴方が漏らしたとは、言っていないわよ……。まさか、貴方――」


「えっ? なな、なんのこと!? 俺、漏らしたとか一言も言ってないんだけど!!」


 ミネルが懸命に口を動かしていると、ドルチェが隣から馬鹿にしてくる。


「うふふ……! ミネル、お漏らししちゃったのぉ? ウチでも最後にお漏らししたの、三十年前だよぉ? この見た目で、まだお漏らししちゃってるのぉー??」


「おい、今……。三十年前とか言ったか?」


 ドルチェの言葉に対し、ミネルは突然に真顔になって言った。


 否や、ドルチェは「あっ、やべ……」っと、額に汗を掻きながら目線を逸らし、話題を変える。


「あぁーっ!! ねぇ、ガハラドさんがぁー!! 作戦たてるとかで、もう集まってるよぉ!!」


 元気に言い終えるとドルチェは、ガハラドと兵士達が円を作って固まっている場所まで、そそくさと走り向かって行った。


 その行動を目にしたアマーロは、ドルチェを追い掛ける。


「こらぁ、そんなに走るとまた転ぶわよぉ……!」


「大丈夫だよぉ! 転ぶわけ無いで――ぶへぇ!! ゔぅ、うわぁーん!! 手のひら、擦りむいたよぉぉおおおおー!!」


 ドルチェは、兵士達の群れの中へと勢い良く突っ込んで転がった。


 そんな様子を見ながら、シュティレドがミネル達に問い掛ける。


「僕たちも、そろそろ作戦会議に混ざるとするかい?」


「そうね……。混ざるとしましょう」


 イリビィートの返答を合図に、ミネル達はガハラド達の元へと向かいはじめる。


 到着するなり、ガハラドの口調良い説明がミネル達の鼓膜に響く。


「おそらく……この洞窟の奥深くに、街の皆を石化させた元凶がいるのでしょう!! 洞窟の中は、暗いです! なので、松明を持ち歩き行動することにしましょう。皆さんは、周りを明るくすることだけを考えていて下さい!! 元凶は、この私が撃ち倒しますから!!」


 ガハラドが威勢良く言い終えるなり、周囲の兵士たちから「うぉぉおおおおーっ!!」と歓声が上がる。


 そんな状況の中で、ミネル達は内心に思う。


 ……えっ、何この作戦? もうなんか、力技じゃん。


 思うだけで、決して口には出さなかった。言葉にしてしまったら、色々と先に進まないと感じたから。


 そんなこんなで兵士の皆は、松明を手に持ち洞窟の前で綺麗に整列をはじめた。数が足りなく松明を持たせてもらえなかったミネル達は、列の最後尾で何となく立っていることに決めた。


 ガハラドは列の先頭に立つと、腰に下げている聖剣を鞘から勢い良く引き抜き、大きな声で皆を鼓舞する。


「それでは、怪物退治をはじめましょう!! 情報によると洞窟の中には、街を石化させた元凶の姿以外は無いらしいですね。ということは、洞窟内で見かけた者は、皆殺しですっ!!」


「うぉぉおおおおぉおおおおぅぅううううーっ!!!!」


 再び兵士たちから、チカラに染まった声が溢れ出る。


 瞬間……、ユンバラの脳裏に、あることが過ぎる。


 ……そういえば、洞窟の中にはテップルが!!


 ユンバラは急いで、洞窟内に足を踏み入れようとしているガハラドの元へと走り向かう。


「なぁ、ガハラド!! どど、洞窟の中には……!! テップル達が、いるかもしれないんだ!!」


 否や、ガハラドは脚を止めて唇をゆっくりと動かす。


「えっ……? そんなことぐらい、把握しておりますよ。地面の足跡を見れば判断できることです。裏切り者は、敵ですからね」


 ガハラドは言い終えると微笑を浮かべ、兵を率いながら洞窟の奥へとグングン進行していく。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ