表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冒険という名のパラダイス!!  作者: めーる
第5章 いざ、魔王討伐!!
133/190

5章 第31話

「えぇっ、それは本当か!?」


 老人は目を見開き、喜びと驚きが滲みでている口調で返答した。


 この発言にシュティレドは、優しく微笑んで言葉を返す。


「本当だよ。依頼報酬を払ってくれるまで、何処までも付いて行くさ!」


「お、おぅ。そうか……」


 若干に引き美味な様子で、老人は一言呟いた。


 そんな中……。


 ミネルに右手を掴まれているイリビィートが、地に着かぬ脚を宙でバタつかせて叫びはじめる。


「なにをしているのかしら!? 早く降ろしてほしいわ!! さもないと、ひどい目に合わせるわよっ!?」


 こんな行動を視界端に、シュティレドが冷静に呟く。


「僕は……目的の場所に到着するまで、着陸はしないよ? けれども、君が地へと降りたいのなら止めはしない。君の自由意思を尊重したいからね」


「……どういう意味かしら?」


 不意な言葉にイリビィートが首を傾げると、シュティレドは再びに口を開いて言う。


「そのままの意味だよ? 僕は目的地に到着するまで、地へと降りる気はない。だから……今すぐに降りたいのなら、君は飛び降りるしかないんだね」


 イリビィートは……この発言を聴き終えるなり、下方へと視線を向ける。


 刹那。


 魔物や木々などが、米粒のように小さく見えた。


 自分よりも背丈が大きいだろう魔物達が、米粒のような大きさで確認できる。


 万雪山で例えるのなら……。現在、頂上付近の標高に位置しているのだろう。


 雪風が騒がしい気流場所ではないから、こんなにも穏やかな空気を感じているが……。


 それと、真上を見渡す限り……雲の方が地よりも、手が届きそうな気がする。


 イリビィートは、現状を理解するなり……眉間にシワを寄せ、唇を小さく動かす。


「……しょうがないから、少しばかり付き添ってあげるわ」


 この発言に、シュティレドはニコリと微笑んで言う。


「それが、君の意思なんだね?」


「…………」


 イリビィートは無言で上の方を見つめて、深い溜め息を一つ吐いた。


 と。


 ミネルが、老人に向かって口を動かしはじめる。


「そういえば、爺さん。なんか、あやふやになってるけど……。どこに行きたいんだ?」


 この質問に、老人はにこやかな表情で返答する。


「そうだった。まだ、答えを伝えていなかったな」


「あぁ……」


 ミネルが頷くなり、老人は再びに口を開いて返答の続きをする。


「私が移り住もうとしている場所は……。此処から、少し西側に位置する港町だ。其処ならば……人の出入りが激しいので、スグに馴染めるだろうと思ってな」


「そうなのか」


「あぁ、そうだよ……」


 老人が、ミネルの相槌に優しく言葉を返すなり……シュティレドが大きな声で言う。


「此処から西側の港町と言ったら、彼処しかないね! 全速力で、スグに向かうとしよう!」


「「おう!!」」


 ミネルと老人は、元気よく返事をする。





 ――約二時間後。


 まだ夜空に星々が散らばる中……。


「突然に質問を申し訳ないんだが……。此処は、治安が悪いで有名な港町なんじゃないのかね?」


 西側に位置する港町の前に降り立つなり、老人が顔を引きつらせながらシュティレドに問い掛けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ