表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冒険という名のパラダイス!!  作者: めーる
第5章 いざ、魔王討伐!!
121/190

5章 第19話



 ――二時間後。


 二人は、頂上であろう場所に辿り着いた。


 ミネルは……不意に現れた色付く景色を見渡し、多少の感激を感じながら呟く。


「ゔぅ……やっと着いた」


 あたり一帯……焼き焦げた瓦礫が、雪から顔を出しながら散乱している。


 多分、この目前に広がっているモノが……爺さんの言っていた、焼き払われた村なのだろう。


 無残な光景ではあったが……久しく白以外の色を瞳に映したミネルは、感動を覚えていた。


「白以外の景色。っゔぅ、素晴らしぃ……!!」


 そんな風に、ミネルが周囲を広く眺めていたら。


「此処が、頂上なんだよね? だとしたら……狐っ子とかいうモノの正体が、ようやく分かるのかな?」


 シュティレドが、ミネルに向かってそんな事を呟いた。


 刹那……ミネルは、カクカクと緊張した口調で答える。


「えっ、え……と、うん。そうだな、正体は――」


 言葉の続きを考えるため、ミネルはユックリと口を動かして喋る。


「正体は……アレなんだよな。……アレ」


「アレ……?」


 シュティレドは首を傾げながら、ミネルの言葉に耳を傾けている。


 こんな感じで……会話をしていた時だった。


 突如。


「――頂上の方に、足跡が続いていると思ったら……。貴方たち、こんな所まで来てしまっていたのね」


 二人の後方から……鈴音のように美しく透き通った声が、響き渡ってきた。


 すぐにミネル達は、声が聞こえた方へと視線を向けてみる。


 と。


 二人が気絶していた時に、助けて介抱をしてくれた……色白で美しいイリビィートという女性が、視界に映った。


「ど、どうして……。こんな所に?」


 ミネルが思わず呟くなり……イリビィートは、額にシワを寄せて言い返す。


「それは、あたしの台詞よ……」


 イリビィートは不機嫌そうに、続けて唇を動かしながら言う。


「山の麓まで戻れと、伝えたわよね? なのに……どうして、こんな場所に居るのかしら?」


「え……いや、それは」


 ミネルは、謎の威圧感を感じながら……覚束ない口調で、なんとか説明をしようと口を懸命に動かす。


 と、


「狐っ子とかいうのを、見つけるためだよ」


 シュティレドが、会話に割り込んでくるように言い切った。


 瞬間。


 この返答を鼓膜に響かせたイリビィートは、途端に動揺した口調になって呟く。


「……そ、そうだったのね」


「そうだよ」


 シュティレドは、ニコリと笑みを浮かべながら、優しく頷いた。


 ミネルも、真似をして同じように頷く。


 こんな二人を目前に……イリビィートは、再び唇を動かして質問する。


「狐っ子を探せって……。誰かに、依頼されたの?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ