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001     『魔法との出会い』

追記

何度か文を修正してます。物語を行き当たりばったりで考えているので大筋も変わったりします。

最終的な完成を目指してるのでご容赦ください。

僕はこの日受けた衝撃を一生忘れないだろう。


雲に覆われた不気味な空。

視界の先には大地を埋め尽くす程の魔物の群れが広がっていた。

地響きを立て進むその群れは、数分後には僕たちを飲み込んでしまう勢いでこちらに迫ってくる。

圧倒的な恐怖と絶望しか感じさせないその光景は、世界の終わりを彷彿とさせ、僕は膝から崩れ落ちる。


こんなものは人の力でどうにかできるレベルではない。

全身から力が抜け、項垂れていると、ザッという音とともに目の前にローブ姿の人が現れる。

フードをかぶっていて、後ろからでは男の人か女の人かを見分けることはできない。

その人は風にローブをなびかせ、迫りくる魔物の群れを前に、杖を掲げる。


(・・・魔法使い?・・・なんでこんな所に?こんな状況で何をしようっていうんだ・・・)


絶望に暮れる僕は、魔物の群れに立ち向かうようにして立つローブの人物をいぶかしげに見つめていると、突如とてつもない量の魔力がその人から溢れ出し、荒れ狂う。

暴風の中にいるような感覚に、慌てて体に力を入れる。

次の瞬間、その人が何かを口ずむと周囲の溢れていた魔力が消え、代わりに魔物たちの上空を覆うほどの魔法陣が生まれる。

暗がりの空に輝く魔法陣に思わず見惚れていると、瞬く間に全ての魔物たちが一条の巨大な光の柱に飲み込まれていく。

一際大きな地響きと共に光の柱が消えると、魔物の群れは跡形もなく消え去っていた。


「え・・・?魔物が消え、た?・・・」


あまりに現実離れした光景に理解が追い付かない。

しかし同時に、強く心を動かされていた。

絶望的な状況をたった一人で覆すその姿はまるで、物語に出てくる大魔法使いそのもので、

誰もが憧れる英雄のようで、それを間近で見た僕が憧れを抱くのは当然のことだった。




この時、僕の大魔法使いを目指す物語が始まった。









僕の住んでいるセレイド王国は大陸の中央に位置し、北・西・南を三大国に、東は未開の地といわれる立ち入りを禁じられた場所に囲まれている。

そんな王国の北東、未開の地との境界にある小さな村に僕、シグノアは生まれた。


生まれたばかりの頃少し体が弱かったのが理由か、平均より背が低く体も若干細い。

肌は白く、黒髪に青い目をしている。不本意ながら周りからよく可愛いと言われるので、顔立ちは整っているのだと思う。髪は父さん譲りでそれ以外は母さん譲りだ。


兄弟はおらず、父と母と僕の三人家族で暮らしている。

この間8歳になったばっかりでやらなきゃいけないことも特に無いので、毎日家の手伝いをしたり、やることがない日は近くの森で遊んだり狩りをして暮らしている。



今日も朝から森へ行く日だった。


「シグ朝よ、起きて。ご飯できたから」


僕の名前はシグノアだが、みんなからはシグと呼ばれていた。


優しく肩をたたきながら起こしてくれる母さん。

朝に弱く声を掛けられなければ昼まで眠ってたりするので、毎日朝食ができると母さんが起こしに来てくれる。


母さんの名はメイ。

家事をしながら、村の農作業を手伝ったりしている。

綺麗な白髪に青い目で体形は小柄。顔がとても整っていて村一番の美人さんだ。

おそらく国中でも指折りの美しさだと思う。


声をかけられてもまだ眠かったので、僕は毛布にくるまりながら「おはよう母さん」というとそのまま目を閉じて、快楽に身をゆだねようとする。

すると母さんは問答無用で毛布を引きはがして僕を起こす。

最近少しずつ起こし方が雑になってきた気がする。


「早く起きてご飯食べなさい!今日も森に行くんでしょう?」


「うん」


諦めてベットから起き上がると、母さんと一緒にリビングへ向かう。


朝ごはんのいい匂いがするリビングにつくと、食卓には父さんがいた。


「おはようシグ、まだ一人で起きれないのか?」


とニヤニヤ笑いながら声をかけてくる。


父さんの名はトリノ、村では腕のいい職人で日曜家具から武器まで何でも作る。

黒髪に緑の目をしていて、背は平均的だが、職人をやっているからかガタイは良い。

快活な性格と職人としての腕の良さも相まって、村では人気者だ。


「おはよう父さん、僕は毎日母さんに起こしてもらうために起きないんだよ」


家では基本ふざけたことばかり言うので、僕もいつも通り軽口で返す。


「なに?父さんも急に朝起きるの辛くなってきた気がする…」


と、軽口に乗ってふざけだす。

毎朝美人な母さんが起こしに来てくれるのなら、世の男はみんな喜んで眠り続けるだろう。

そんなことを言ってると


「あなたも自分で起きる日のほうが少ないでしょう?シグに自分で起きろというのなら、明日からあなたも起こさないでいいわよね?」


父さんも起こされてたのかよ…

母さんが朝食を運びながらジト目でそう言うと、父さんは胸を張って


「俺はメイに起こしてもらわなきゃ、一日頑張れない!」

この男は何を言ってるんだろう。


いつものようにふざけた会話をしながら朝食を終えると、父さんは工房に母さんは洗い物を始め、僕は森へ行く準備をする。


持ち物はナイフとロープ、あと怪我した時用の「ミニポーション」。

この世界では一番手にしやすい、小さい怪我を治すポーションだ。

この小さな村でも一家に10個ほど備蓄がある。安全の為、森に行くときはみんな一つは持って行くようにしている。

着替えて準備を終えると、母さんがお弁当を持ってきてくれた。


「暗くなる前に帰ってくるのよ?ケガしないように気をつけなさい」


「今日は狩りじゃないから大丈夫だよ!」


そう言ってお弁当を受け取ると、駆け足で家を出る。


「いってらっしゃい」


「いってきます!」


玄関で見送ってくれる母さんに手を振り森へ向かう


この世界の森は大きく分けて二種類あって、明確な違いは魔素に満ちているか満ちていないかだ。

魔素に害はなく普通の人は知覚することもない。

魔素のない森は一般的な動植物にあふれているが、

魔素の満ちた森には魔物がいて、植物も魔素によって変異したものが多い。そのため「魔物の森」と言われている。一般人は危ないので立ち入りを禁止されている。


この森は村と未開の地の中間にあるが、森全体は未開地に含まれず、森を抜けた数キロ先までは安全だという。

一応補足しておくが、この森は魔素のない普通の森だ


少し手入れされた森を慣れた足取りで進む。

狩りをするときは村の人と一緒だが、今日は探検なので一人だ。


この間森に来た時、人の痕跡のようなものがあったのでその場所の探索に来たのだ。


(あれ?確かこの辺だった気がするんだけど・・・)


前回痕跡を見た場所にはも何もなかった。

確かに何かの痕跡はあったはずだが、後からきて誰かが消したのだろうか。

あまり遠くまで行くと危ないが気になるので先へ進む。


30分ほど歩くと見たことのない場所まで来ていた。


「おーい誰かいますかー」


なんとなく声を出してみたが誰もいない。


(気のせいだったのかな?)


ここまで特に何もなくこれ以上は迷子になるかもしれない、とそろそろ引き返そうとしていると、

目の端で何か動いた気がした。


狩りをするようになって、視界内の動きを捉えるのがうまくなった。

今回察知できたのもそのおかげだと思う。


80mくらい先の大きな木の裏に何かいる。


「おーい、そこに誰かいますかー?」


訝しげに声をかけてみたが何も反応がないので、動物かもしれないと思いつつ迂回しながら慎重に近づく。

40mくらいの距離を開けて横から回って覗くが何もいない。周辺を見ても何もいない。

見間違いか、丁度回り込んだのかな?と考えたが、

熊かもしれないと思うとこれ以上近づくのも怖くなったので、引き返そうとした時、真後ろから声がかかる。


「こんにちは、道に迷ったのかな?」


「うわあぁぁぁ!!!」


突然現れた男に驚いて、足を滑らし後ろに倒れる寸前、手を引かれて体を支えられた。


「ふふふ…すみません、驚かしてしまって」


気づかないうちに後ろに立っていたローブの男は、笑いながら僕の体を起こす。

特徴的な赤い髪と綺麗な顔立ちで背は父さんより高いくらいだ。


「あ、ありがとうございます」


「いえいえ、こちらが驚かせてしまっただけなので、

どうしてこんな森の中まで?」


「・・・少し前に、森の中で人がいたような痕跡を見つけて・・・」


少し逡巡して答えると、男が目を細めてじぃっと見てくる。


「なるほど…それで気になって森の奥へ?ここら辺は熊も出ますから、子供一人では危ないですよ」


「ごめんなさい…」


「いえ、自分のせいでもあるのでね森の入り口まで送りましょう」


(自分のせい?何のことだろう・・・

もしかして、あの痕跡はこの人の?)


そんなことを考えていると

ふと思い出したように男が尋ねてくる。


「そういえば、先ほど何かを警戒していたように見えたのですが?」


それを聞き、僕も思い出す。


「そういえばあそこの裏に何かいた気がして、近づいてみても何もいなかったから、怖くなって帰ろうとして…」


そこまで言って僕が指をさした方角を見ると、少し目を見開き、またこっちを見て


「ふふっ、すごいですね、確かに油断してましたが見つかるとは思いませんでした」


「?」


愉快そうに笑う男の言ってる意味が分からず首をかしげる。見つかる?何が?


「あそこにいたのは、私なんです」


そう言われてさらに混乱する。


「え?でも今後ろから・・・」


僕はずっとあそこから目を離さなかった、こっちに近づいてくる人に気づかないはずがない。

そう思って首をかしげると


「そうですね・・・では、一度だけ」


そう言うと、目の前から男が消えた。


「え?」


一瞬で視界から消えたことに驚き、周りを見渡してみるがどこにも見当たらない。

そうして10秒くらい辺りをきょろきょろ見渡していると、突然目の前に男が戻ってくる。


「うわっ!!」


なんとなく戻ってきそうだとは思っていたので転ばずに済んだが、それでも目の前に急に人が現れたことに驚き、少し後ずさる。


「ふふっ、反応が面白いのでついからかいたくなってしまいました、すみません。

さっきは丁度近くにいたら声がしたので、隠れて見ていたんですよ」


少し動揺していたが、理解と同時に気持ちはすぐに切り替わった。


「今の!!どうやってやったんですか!?瞬間移動!?」


目を輝かせながら尋ねる。


(どうやってやったんだろう!僕もやってみたい!)


僕の頭の中は好奇心に満たされていた。


そんな僕を見た男が笑顔で答える。


「そうですね、今のはすごい速さで移動しただけですよ、まぁちょっと魔法も使ってずるはしましたが…」


(すごい速さ?目の前から消える速さで移動?)


理解できない言葉に困惑しかけたが、

そんなことより、


「お兄さん魔法使いなんですか!?」


僕は興奮を抑えきれずに尋ねる。


この世界には魔法があるが、僕の村で魔法が使える人はいない。

魔法を使える人自体珍しいからだ。

そのため、物語に出てくる魔法使いには憧れるが、父さんも母さんも魔法を使えないし、魔法を見たことも無いので、僕も魔法のことはあまり考えたこともなかった。

早い段階で諦めていたのだろう。


僕の質問にローブの男は少し困った表情になり、少し考えた後、微笑みながら言う。


「はい、私は魔法使いです。でもこのことは誰にも言わず内緒にしてくれませんか?

今任務中なのでばれると怒られちゃうんですよ」


(魔法使い!!任務中!!)

その瞬間物語に出てくる大魔法使いを思い出していた。

たった一人でたくさんの敵を打ち倒し、火や水を自由自在に生み出して、天候すら操る。

そんな、子供なら一度は憧れるだろう物語の勇者や大魔法使いを頭に浮かべ、興奮し、

気が付けば口に出していた。


「僕に魔法を教えてください!!」


そう言うと、ローブの男はまた少し困った表情を浮かべる。


その顔を見て少し冷静になり、だめかなと思ったが簡単には諦められない。

その時、頭によぎった悪い考えを何も考えず口走った。


「あなたのことは秘密にするので!その代わりに魔法を教えてください!お願いします!」


まさかの脅しである。

言った後にちょっと罪悪感を感じたが、言ったものは仕方ない。

少年の思いとは熱く、止められないものなのだから。


そして、数秒経って諦めたように男が言う。


「わかりました。私は一か月ここを離れられないので、その間だけでしたら教えましょう。

もちろん秘密は守ってもらいますし、私の訓練は大変です。それでもかまいませんか?」


「はい!」


ほぼ勢いで答えたが、たぶん大丈夫。

それよりも魔法を使えるという喜びで頭がいっぱいだった。


「では自己紹介を、私はエルード・ミエナスといいます。

そうですね…念のためここでは先生と呼んでください」


「わかりました!先生!」


「よろしい。では君の名前は?」


「僕はシグノアです。みんなからはシグって呼ばれてます!」


「では、シグと呼ばせてもらいます。」


自己紹介をして少し冷静になり、一番疑問に思ってたことを思い出した。


「そういえば、先生はどうしてこんな森の中にいるんですか?」


今思えばこの森の近くには僕の住んでいる村しかない。村で見かけたこともないし、だとしたら何故こんなところに?となるのは当然だった。


(任務って言ってたけどこんなところで?)


「そうですね、今は教えられませんがそのうち、機会があれば教えましょう。

ああ、安心してください。悪いことはしてませんから」


そう言って微笑む。


(ちょっと怪しいなとは思ったけど…なんとなく悪い人じゃなさそうだし大丈夫!

魔法も教えてくれるし!)


疑うことを知らない子供は単純だった。


「わかりました!いつか教えてください!」


「ふふっ、君みたいな子は好きですよ」


エルードは楽しそうに笑う。

どうせ時間の余る任務だ、暇つぶしには丁度いい。

そんな思いを胸に。


目の前の無邪気な子供が世界を変えるなんて思いもせずに・・・

初めまして!不酒 テルです!


異世界系の作品が好きなので一度自分でも書いてみたい!と思い執筆しました。

気を付けているつもりですが、自分でも知らないうちに他の作品に似ていたりしたらすみません!今のところ問題ないと思ってます!

文の構成だったり書き言葉などちゃんと理解してないので拙いかもしれませんが、頭に思い浮かぶ限り書き続けてみようと思っています!


感想や応援いただけると幸いです。誹謗中傷ではない厳しいコメントもぜひよろしくお願いします。


なろうの使い方すら知らないので、間違ってたり便利なものがあれば教えていただけると幸いです。


追記

何度か文を修正してます。物語を行き当たりばったりで考えているので大筋も変わったりします。

最終的な完成を目指してるのでご容赦ください。

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