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TEENAGE ~ぼくらの地球を救うまで  作者: DARVISH
season1【B面】
111/225

24-1 飛び道具

【24話/B面】Aパート

「飛び道具が……出したい。」




部室で兼元が呟く。



「飛び道具って何よ?」


「はぁ?波動拳みたいなやつしかないやん。飛び道具言うたら。頭がんばろうや。」


「何バカな事言ってんだよ。飛び道具とか出せるワケねぇだろ。ゲームのやりすぎで頭おかしくなってないか。」


「でもアニメ界でもゲーム界でも今、当たり前のように飛び道具出してるやん!人間界だけやで、飛び道具出せてないん。」


「そりゃアニメやゲームの世界だからだろ。

お前絶対アホやろ。ええから現実戻って来い!」



「でも俺もうガイルに負けるの嫌やねん。まったく勝てん…。

お前ら俺の対戦見てたやろ。なんぼガイルのせいでお金が天に召されたか…

俺のザンギ(ザンギエフ©ストリートファイタ-)…ガイル相手やったらなす術無いやん。

俺もうなんかザンギのこと信じられんくなってきてん!」



「実在する人間みたいに言うな!プレイ見よったけどよ、そもそもおまえ対戦の時、我慢が足りんねん。」



どうやら部室に先に到着したバカ3人は昨日の帰りにゲームセンターに寄っていて、対戦台で華々しくお金を散らしてきたようだ。


その反省会を誰も来ていない部室で行っているのである。



ちなみに今、静那と椎原さんは図書館にて本を選んでいる。



「あんな!ザンギはいくらチマチマけん制されてストレス感じても、我慢しながら根気よく近づいていって~相手にプレッシャーかけつづけて、最後に近づけて投げたら勝ちいうキャラやろ。

“雪に耐えて梅花麗し”な精神が無いと勝てんねん。

おまえなんかすぐ我慢できへんで不用意にぴょんぴょん飛ぶやん。そりゃ落とされるわ。

そもそもお前の性格上ザンギに向いてないねん。

ザンギ好きなんは分かる。俺も好きや!ザンギで勝てたらなんか爽快感が異様なくらい違うねんな。

ストレスたまるけど勝った時あんな爽快な気持ちになれるキャラ他におれへん。

ようできてるわ、あのキャラ。

でもお前は我慢できずに不用意に相手に近づくやろ。」



「こいつマージャンの影響あるねん、多分。」


「俺もそっちの影響やと思うで。多分お前はよう我慢できんで、泣いて三暗刻とかで手ェ打つタイプやろ。」


「うるせえよ!お前もタンヤオ&ドラ3で“マンガン”ばっかり狙ってくるやん。オヤの時、超うぜぇわアレ。」


「今マージャンの話違うやろ!お前のザンギ愛が足りんいう話やろ。

そんなに飛び道具の対応するん嫌なんやったらもうザンギ使うなよ。

タイムオーバーとか気にしだした時のお前のプレイは手に取るように分かる。

お前の為にもザンギの為にも、彼とは決別したほうがええ。」



「嫌や!特にキャミィ(女性キャラ)にストマッククロー連打してたら、俺の中に何かが芽生えたんや!そこからもうザンギから他に目移りするんは考えられん。」


「……分かる…」


「分かるやろ。それ出来たら負けてもええ位の何かが芽生えたねん。だから俺はザンギ一筋や。」


「だからってお前のプレイは性格上ザンギに合うてないねんな。お前はなんかこう飛び回るタイプがええねん。


ヒットアンドアウェイ狙うような戦法!おるやろ、そんなキャラ。」


「確かに俺がキャミィ使ってストマッククローされに行くんはええかも思たよ。でも俺は男やねん。

されるよりするほうが何倍も高揚感が湧くねん!

そもそもザンギ人口少ないねんな。あんなに味のあるキャラやのに分かる奴がまだまだ少ないねん。」



「まぁな…大体ストⅡの名前で分らん奴がおるいうたらザンギになるねんな…」


「そしたら使う意味ないやん。」


「お前目的がおかしくなってんぞ。対戦で勝ちたいんか、勝てんでもええんかそろそろ決断せえよ。」


「勝ちたいよ!ザンギで!でもガイル来たらもうどうしようもできん。スタートと同時に後ろ斜め下で待機されたらもう盤石やん。」


「お前他のキャラでも負けとるやろ!負け癖ついてどうする!」


「とにかく飛び道具やねん!飛び道具とかいうの邪道やろ。ザンギに対して。」


「お前冒頭で“飛び道具が…出したい”言うてたやろ。アレ何やったんよ。」


「それはまぁ現実的には出せたらいいかなと。ゲームの世界は勿論ザンギ一筋で行くけど、現実世界くらいはせめて飛び道具出したいやん…なんか。」


「おまえ現実とゲームの世界の区別がおかしなってるで。現実世界やったら余計無理や。」


「余計ってどれくらい余計やねん。」


「言い間違えたわ、絶対無理や。そこ食いついてくるとは思わんかったからちょっと焦ったやろボケェ!

第一この世の中で波動拳出してる奴何人おるよ?おるなら会うてみたいわ!」


「とにかくザンギの無念を晴らすためにも飛び道具打ちたなってきたんやけど、打つ方法教えてくれ。」



「お前今、どんなお願いしてるか俯瞰して見てみろ。アタマに花でも植えてんのか?

さすがになんかクスリとかやってへんよな?

…まぁ心あたりはあるからその方法なら教えたる。」



「マジか!おまえ飛び道具打てたんやな。」


「打てるわけないやろ。絶対無理や言うたやろ!話聞いてたか?でも可能性は探る男やで…俺は。」



「“毒霧”とかは無しやで。」


「分かってる!正当な奴や。“食らい判定”の無い完全に分離したやつ。」


「生一、ノリで言ってるんと違うんよな。出せるんか?」



「憶測だけで制限をかけてしまうのはあかん。

飛び道具が出せると思えば出せる。人間の思考はそうできてるんや。

“思考は現実化する”ナポレオン ヒルの名言や。」



「それ一般的には“自分の思考が現実に影響を及ぼす”いう意味ちゃうかったっけ?」


「細かい事はええねん。飛び道具打つことができるようになったらあのバカもザンギから目線が他へ移るかもしれんやん。女性キャラ倒す時は必ず必殺技で〆るいう方向とかに…

とにかくあいつはザンギと一緒やと不幸になる。

あいつの為にもザンギの為にも、彼とは決別したほうが…。」



「お前も現実の人間とゲームの人間との区別が分らんなってないか?アイツはゲームの住人ちゃうぞ。ザンギの方がゲームの住人やで。」


「なんかアイツと話してたら区別付かんようになるねんな。そしてそんなノリと勢いで飛び道具出そうとしてる俺がおるし。」



「お前も今回だいぶヤバいぞ。」


「ヤバいって言うんならお前も狂ってみろ!ってか“諸君!狂いたまえ!”

今ならあいつら(勇一達)全員来てへんのやぞ。この舞台を俺色に染めるチャンス違うんか?」


「俺色って…天龍みたいに言うな!」


「うるせえよ!お前はこのままエロいだけのモブに成り下がるつもりか?アイツらおらん今しかないぞ、俺たちが噛み付くのは今しかないぞ!!」





果たして兼元達は“飛び道具”を無事発射することが出来るのだろうか?

出来るわけないと思うけど後半へ続く!

『B面』では、勇一達が立ち上げた部活「日本文化交流研究部」での日常トークを描いています。時々課外活動で外出もします。各話完結ですので、お気軽にお楽しみください。


尚、本編のストーリーとB面の話数は所々リンクしています。こちらを読んでから本編を読み進めていくとより楽しめます。


【読者の皆様へお願いがございます】

ブックマーク、評価は大いに勇気になります。


現時点でも構いませんので、ページ下部↓の【☆☆☆☆☆】から評価して頂ければ非常に嬉しいです。


頑張って執筆致します。よろしくお願いします。

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