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TEENAGE ~ぼくらの地球を救うまで  作者: DARVISH
season1【B面】
108/226

22-2 学生のお洒落

【22話/B面】Bパート


「仁科先輩、すごい詳しいですね。J-POPに詳しいだけじゃなくて業界の動きもちゃんと見てるなんて。」



「女の子同士て話してたらそういう話題になるよ。大体町の女子高生は帰りにレコード店に寄って動向を探るからね~。情報は足で稼ぐっていうの?

高知市内だったら『細川レコード店』行けば大抵学生いるし。あそこが情報の最先端だったりするのよ。」



「確かに新聞とかじゃアーティストさんの情報は掲載されないからな。でも毎月音楽専門雑誌を買うとなると高いし…そうなると、情報源は若者向けラジオ番組か町のレコード店ってことか。」


「そうね~。新たなアーティストさんが出続ける限り、書店とレコード店は学生の最先端の情報スポットになると思う。今はだいたいどこの町にも大きなレコード店あるからね。」


「そんなに学生にとって身近なものなのか?音楽って。」



「身近というよりはお洒落の一つかな。歌手の人も歌が上手いだけじゃなくてカッコイイ人多いもん。女性も男性も年代問わず。

だから曲以外にファッションの参考にしてる人もいるよ。

それに友達とカラオケに行った時、皆で歌える曲が多かったら楽しいじゃん。」



「なるほどな。俺、ちょっと音楽のジャンルを軽く見てたかもな。ファッションをミュージシャンの方参考にするって考えてもなかったな。

確かに歌うだけじゃなく、ステージで見られる職業だから見た目も大事だな。」



「俺も天摘先輩もずっと道場で空手してましたたから、本格的に音楽聴き始めたの高校生になってからなんですけど、なんか良いんですよね。

ふと歩きながらメロディー思い出したりすると、自分の中に音楽が浸透してきてるなって感じられて、心が豊かになるっていうか…」



「そうよね。音楽は確かに心を豊かにするよね。それに聞きやすくて誰でも楽しめる。ジャンルは別れてるけど、何を聴いても自由だし…なんか音楽って自由なんだよね。とにかく。」



「音の世界には無限の入り口があって、その分楽しみ方も無限にあるって感じ?

音楽はさ、人生において“聴かないといけない”ってワケじゃないし、決してコストパフォーマンスが良い趣味でもないんだけど、聞いた方が人生に遊びが生まれて感性も豊かになる…人とも繋がるきっかけになる…って思う。

って私、自分で思ってたよりもうまくまとめられた気がするんですけど!」



「自画自賛してどうするよ。」


「いいじゃない!静ちゃんにちゃんと魅力が伝わればいいなって思って一生懸命話したんだから。で、静ちゃんはどうだった?」


「私、ⅭⅮプレイヤー持ってないからな~でも何だか欲しくなったな。さっき言ってた“GLAY”知ってたら沢山の子と仲良くなれそうだし。」


「じゃあ私のプレイヤー貸すよ。貸すのなら良いでしょ。静ちゃんに聞いてもらいたいし。皆とのコミュニケーションツールとしても絶対有効だよ。」


「良いんですか?」


「だったら私もⅭⅮアルバム貸しとくよ。お勧めのあるんだ。」


「私も初心者だけどお気に入りは見つけたから…共有したいな。」


「うん、もちろん聴いてみたい。」


「どんなの聴くの?天摘さんって。」


「えっとね…クラスメイトの子に教えてもらったんだけど“大黒摩季”っていう人。

皆で歌えるようなバラードを聴いたんだけどすごく歌声が力強くて気に入ってる。

ファッションセンスも大人の女性って感じで素敵だし。」



「“♪ら・ら・ら”でしょ。」


「何でわかったの?」


「だって最近の曲だし。」


「すごーい。すぐ出てくるくらい色々知ってるの。」



大人しく聞いていたので気を利かして男性にも話を振る仁科さん。



「男性陣も一応聞いてあげる。どう?」


「なんだよその言い方!」


「だって好みは色々あるでしょう?それに自分の好きな曲は静ちゃんにも聴いてほしいでしょ?」


「まぁ好きなアルバムは持っとるしな…じゃあ、俺は“WANDS”やな。また持ってきたるわ。」


「うん。どんな曲か楽しみ。」



「俺も…嫁に聞いてもらいたいとすれば“Mr.Children”かな?」


「うわ…似合わないの。」


「おい!勝手なイメージ持つなよな!ミスチル嫌いな女子ってまずおらんねんぞ。ミスチルの話していったら大抵嫌がられずに女の子と話できて仲良くなれるって鉄則あるねんぞ!」


「やっぱりそういう魂胆じゃない。」


「ええやん。お前らも好きやろ。」


「好きだけど、人に勧める時は純粋に好きって思えるものを言えばいいじゃない。音楽って自由なんだし。


“お洒落”とは言ったけど“自分をよく見せるためのツール”じゃないんだから。」



「俺はまともやで。」


「ま、期待してないけど聞いてみるわ。」


「んだよ。チャゲアス(CHAGE&ASKA)。あとアニソンや!悪いかよ。」


「別に悪いなんて言ってないじゃない。アニソンだってファン層も広いんだから静ちゃんにも教えてあげたら?チャゲアスは演歌調の曲もあったりして音楽の幅が広いしね。ライブも仕掛けが凝ってて面白いって聞くし。

八薙君はどう?」



「俺は…殆ど曲知らなかったから最近のしか分からないです。

バラエティ番組で使われてる曲とか、あと…槇原敬之さん…かな。名前合ってます?」


仁科さんはうんうんと頷く。



「それ私が教えたやつだよね。聴いてくれてたんだ。」


「まぁ…普通に歌詞が良いっスよね。まだ曲の良さまでは分からないんですけど。先輩はどうです?」



八薙から急に振られた勇一。


実は勇一は個別のアーティストは知らなかった。



「俺…は…そうだな。実は音楽は殆ど聴かなくて、アーティストさん…分かんない…かな。」


「部長、普段聴かないの?」


「も~勇一!それじゃ流行に敏感でお洒落な女子高生の話についていけないよ!しっかりしようよ部長!」


「なんでミュージシャン知らなかったらそうなるんだよ。」


「今時は好きなミュージシャンは一人くらいはいるものなの!静ちゃんと話し合わずに置いてかれるよ~

それともⅭⅮプレイヤーとかラジカセ持ってないの?」


「あるけど。」


「じゃあ勇一もこの一カ月くらいで何かお勧め見つけなさいよ。静ちゃんにも教えてあげないとでしょ。」


「ま…まぁそうだよな。日本人なのに誰も知らない&紹介できないんじゃちょっと恥ずかしいかな。」


「でしょ。立派なコミュニケーションのネタになるんだから。多分これからも。

中学時代…東京で暮らしてた時に思い出したんだけどさ、いろんな会場で頻繁にアーティストのコンサートしてるのよ。だからお互い好きなアーティストが合えばデートスポットに困らないの。

デート誘うのも簡単だし。


共通の好きなアーティストのコンサートへ行って、その後どこかでお食事して終わりってカンジのデート!

…面倒なリサーチとかしなくていいから男の子からしたら楽でしょ。

ファミレスだとちょっと微妙だけどね。中学生はそれでも良かったかな。」



「オイ!その後普通に家帰ってしまうんかい!」



「話を別の方に持って行かないでよね!私らが中学生の頃の話なんだからデートって言ったらそんなもんなの。」


「じゃあ高校生になった今ならデートの後、彼氏の家に行くとかいう流れに…」


「だから話を変な方に持って行かないでって!も~せっかくいい話でまとまってんのに。」


「なんだか音楽を別の手段の為に使おうとしてるね、あの変態は。」


「ホント、純粋にミュージシャンやJ-POPの良さを伝えようと話してくれてるのに、なんでこういう方向に活路を見出そうとするんかね…」


「お前もこういう楽なデートでええんなら“使えるじゃないか”とか思ってんのと違うか?」


「なんでそこで俺に振るんだよ!デートと音楽を一旦切り離せよ。まったく。俺はまずミュージシャンを知る所からなんだし…」


「うん。これから知っていこう。」


「あ…ああ。静那もお勧めが出来たら是非教えてくれよな。」




* * * * *



意外にも勇一を始め、J-POPが分かるメンバーは仁科さんだけだった。


流行の最先端を知っている仁科さんの存在は、あまりモノを知らない勇一や静那からしたらありがたかったりする。


やがて勇一は『恋愛信号』、静那は『JUDY AND MARY』を聴くようになる。


ちなみに椎原さんは洋楽寄りになっていき、葉月はこの後デビューする“globe”を聴くようになる。


兼元はこの後、高橋洋子にハマり、小谷野はモテるためのテクニックという理由で“Mr.Children”を聞き続けていくのだが、それはまだ少し後の話。

『B面』では、勇一達が立ち上げた部活「日本文化交流研究部」での日常トークを描いています。時々課外活動で外出もします。

各話完結型ですので、お気軽にお楽しみください。


【読者の皆様へお願いがございます】

ブックマーク、評価は大いに勇気になります。


現時点でも構いませんので、ページ下部↓の【☆☆☆☆☆】から評価して頂ければ非常に嬉しいです。


頑張って執筆致します。よろしくお願いします。

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