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TEENAGE ~ぼくらの地球を救うまで  作者: DARVISH
season1【B面】
104/226

20-2 そして伝説へ?

【20話/B面】Bパート

静那の斜め上の質疑もあったが、RPGのゲームについての紹介もようやく本題に入っていく…



「とりあえずここまでドラクエについて聞いてみた段階で疑問もぎょうさん沸いたと思う。

でもゲームという決められた箱の中で楽しむうえ、大人の事情で仕方ない部分もある…それは何となく分かってほしい。」



「はい。ボス。

なんだか疲れてるみたいですけど肩とか凝ってないですか?“ルカニ”しましょうか?」



予想外の静那の考察に苦戦(?)を強いられ続ける生一だが、物語の本幹に進む。



「まあ基礎的なもんが揃ったら、主人公たち大陸を冒険していく。基本、初めは歩きでな。ここからは想像しながら聞いてみ。」


「どれくらいの広さの大陸を歩くんですか?」


「序盤の大陸やと…オーストラリアの2倍くらいの広さくらいかな。」


「そんな途方もない距離をたった4人でずっと歩くのはさすがに無茶ですよ。遭難したり行方不明になったらどうするんですか?そうなった時、捜索隊とかをお城から派遣してもらえるのは無理でしょう。」


「まぁそこはそうならんような周到な準備を想像してくれたらええよ。とにかく未知なる土地を何日もかけてわずかな手勢で旅するイメージやな。…うん……なんか想像したらめっちゃ過酷に感じてきたわ。子どもの頃はただただワクワクしてたのに…。


今……改めてリアルに旅を想像したら、何週間分もの食料調達だったり町の無いエリアでの野営、日用品を運ぶための馬車の調達とか、冒険以外の事で頭痛くなるもんばっかりやな……食料が尽きたら…やむをえず魔物とか食うんやろうか…ダンジョン飯とか…

まぁええわ。途中で船とかの乗り物を手に入れることが出来るねん。そしたら移動範囲が広がり、世界がグッと広がる。

ここでプレイヤーは教訓を得るんや。」



「教訓?」


「人は移動手段を手に入れる事が出来れば世界も広がるってコトやな。」


「移動手段…」


「ああ…その後、鳥に乗って移動できるようになったり魔法で目的地までひとっ飛び出来たりするねん。他の作品になるけど、“魔法の絨毯”だったり“飛空艇”に乗ったりと…ずっと歩いていた時と違って一気に行ける場所が広がる。


その世界観が広がったあたりからゲームとしても面白くなるねん。

自分の中の世界と選択肢が一気に広がったわけやから。

人生も似たようなもんや。」



「実際に人類がいろんな国に行けるようになったのも飛行機や船が出来てからですよね。」



「そう。実際に俺らの現実世界はとっくに広がってるねん。だからいつまでもスタート地点の大陸にばっかおらんで色々な世界を見に羽ばたいてみるのも大事やってことやな。

船もあるし、魔法やないけど、ひとっ飛びできる飛行機いう名の飛空艇もあるんやしな。」



「このゲームの各世界でも色々違うものですか?」


「残念ながらゲーム上だとそこまで違いは出せて無い…けどちゃんと日本にも旅ができる。

なんか日本人なのに海外からスタートして日本を訪れて、日本の危機を救うとか変な感じやったな。」


「物語の中で日本を訪れたりするんですね~。」


「まぁドラクエⅢに限った話やけどな。でもゲームの話だけに留まらせずに、こんな世界を自由に旅する…旅できる感覚はいくつになっても持っときたいよな。

俺は同じ場所でずっと24時間も働きづめになるつもりなんかないし。」


「その考え方、なんだか素敵ですね。」


「おう。分かるか。」


「だってボスの顔がイキイキしてるもん。」





「……まぁゲームやし、そんな旅も終わりはある。なんやかんや移動手段を駆使しながら、強い敵も倒せるようになってきたらラストはボスと戦うのが大体の流れやな。」


「ボス…魔王ですか…」


「ゲームによっては隠しボスもおる。…けど“ボスを隠す”とか意味わからんから俺の中では“おまけボス”みたいな感覚や。ここらへんは深くは語らんとくわ。」


「はい、おまけボス。」


「お前何ドサクサに紛れておまけボス言うてんねん。」


「たまにはボス以外の言い方もどうかなと思って。」


「いらん事考えんでええねん。」


「はいボス。」



「どのゲームも魔王というかラストのボス、“ラスボス”はゲームの最後の締めみたいな役割してるからなかなか秀逸なデザインしてるで。


ラスボスの中にはこういう質問を投げかけるヤツもおる。

“もし私の味方になれば世界の半分をおまえにやろう。どうじゃ?私の味方になるか?”こう言うてくるラスボスがおるんやけど…ここで質問!

静那はそう言われたらなんて答える。選択肢は“はい”か“いいえ”なんやけど。」



「全部じゃだめなんですか?なんで世界の半分なんですかね?半分以上持ってたら発言権の議席が過半数を上回るからとかかなぁ。」


「まぁその辺はもうどうでもよくなってきたかも。おまえちょっと凄いわ。」



「……なら“もう悪いことせずに大人しくするなら”とかの条件付けは?」


「言いたい気持ちは分かるけど、どっちかの選択肢を選んでほしいと言われたら?」


「じゃあ“はい”かな?」


「はぁあ?マジか!一応理由を聞こうか。」


「世界の半分もくれたら魔王が今後悪さしないかどうか監視できるくらいの力を持てるじゃないですか。少人数で旅するだけだと魔王を監視できる範囲に限界があります。それよりは、地域の連携力を使った方が遥かに監視がしやすいと思ったんです……けど、変ですか?」


「…変じゃない。ただ、お前のスケールにはドラゴンクエストの世界は小さいというのがよう分かったわ。」




ここでようやく外野から声が入る。


「まぁ聞いてる限りじゃゲームのストーリーと初期設定のテンプレートを説明してるみたいで分かりやすかったわ。

ただ魔王を倒しに行くだけじゃなくて作り手もいろんな工夫凝らしてんのね。」


「女性側からの意見は新鮮やな。」


「ドラクエ自体知らなかったから…。でも男子がハマる理由も少しは分かるかな。なんだか擬似的に世界を冒険してるような気分になるよね。自分が救世主になった視点で。」


「まぁそうやな。分かりやすく言うと…


“異世界に飛ばされたらそこの国の王様に魔王を倒してくれと頼まれたので、仲間と一緒に世界救済の旅に出ました”って感じかな。

将来こんな長い題名の小説とかがブームになったりしてな。」


「そんな長すぎるタイトル読みにくくて流行るわけないでしょ。」


「まぁ世の中何が流行るか分らんからな。」


「ゲームの世界に自分が入って、そこで自分達が世界を救うっていうのは男子は憧れるでしょうね。私もちょっとわかる。

男子だったらそんな仕事?冒険にあこがれるよね。」


「仲間の性別や名前とかも確か自分で設定できるもんな。」



「共感してくれてよかったわ。まぁ実際の世の中の仕事って生活の為のお金をチマチマ稼いでいくだけやん。

あれってスタート地点の街をうろうろしてモンスター倒して夜になったら家帰るんとあんま変わらんと思うんよな。

そんな事よりも一度しかない人生やからスケールの大きい世界という舞台でどうせなら世界を救うっていう仕事をしたいわけよ。本心は。

…で、そういう仕事が現実には無いけどゲームの中では用意されてる。当然興味沸くやん。」



「確かにね。」


「でも世の中は色んな仕事がある。魔王しばくんもええけど、野球したり荷物運んだり、先生したり、春を売ったり。」


「一つ変なの混じってんだけど!やめなさい!」


「ゲームが一つの仕事体験シュミレーションみたいな感じか。」


「まぁそう思えてきたな。

ドラクエの本懐やないけど、ゲームの中にはカジノがあるねん。カジノとかで気ままに遊んで、原資(カジノの為のお金)貯める為に城の周辺をぶらぶらモンスター狩って散歩するとかの繰り返しでもええんよな。どう生きようと。」



「ゲーム上では魔王をしばくことが目的だけど、他の事をしてゆっくり暮らしても別に良いって事ですね。」


「そうやねん。人間は本来は自由やからな。」


「王様に頼まれようが別に使命を全うせん人生でもええいうことやな。100ゴールドしかくれんケチな王様やったら、お願いなんか俺は聞くつもりないし。

ただ、魔王しばくの面白そうやからつきおうたるわくらいの感覚やな。」


「ゲームやってたら王様の命令が全てみたいに感じるけど、実はどう生きても良いってコトか。」


「そや。ここんところは俺も静那と話しながら気付いたんやけどな…。」



「昔さ、友達と一緒にドラクエで遊んでた時期があって…“え?おまえまだあそこまでしか行けてないん?”“俺はもう■■倒したぜ”“オーブ何個集めた?”とか言い合いしてたけど、あれは王様が社長やとしたら、平社員の俺達が業績や仕事の進み具合を競ってたような感じがするな。」


「変な気分やけどドラクエの世界を“俯瞰”して見たらそんな感じか。」


「まぁな。話してるうちにドラクエの世界を飛び出してこんな方向に行くとは思わんかったわ。」


「将来はこのRPGの基本テンプレートを元に、もっと自由度の高いゲームが出来たりするかもな。」


「まぁ高校生の俺らでさえこんな発想に行きつくんやから、そう考えるゲームクリエイターがおってもおかしくないよな。」


「じゃあ今の私たちの人生も自由にスケール大きく行きましょう。どうせなら世界を救ってみせますか?」



「いきなりスケールのデカい話になったな~…でもそういう人生の方が面白いよな。

仕事が無いからって無理に条件の悪い仕事に納まらんでもええ訳やし。

生き方は自分で決めたらええねん。」






ようやく話が落ち着いたところで勇一が発言する。


「まぁ今回ので日本のゲームを紹介するのも悪くはないと思ったよ。」


「ホンマ?じゃあ次は別のゲームを…」


「だからってゲームばっかりは駄目だって。静那!次はゲーム以外のリクエストでお願いするよ。」


「静那ちゃん!じゃあ俺がグラビアアイドルの魅力について語ろうか…」



兼元「じゃ、この後本屋寄っとく?」


小谷野「イイねぇ」



その他一同「オイ!何買うつもりだよ?」

『B面』では、勇一達が立ち上げた部活「日本文化交流研究部」での日常トークを描いています。時々課外活動で外出もします。各話完結型ですので、お気軽にお楽しみください。


【読者の皆様へお願いがございます】

ブックマーク、評価は大いに勇気になります。


現時点でも構いませんので、ページ下部↓の【☆☆☆☆☆】から評価して頂ければ非常に嬉しいです。


頑張って執筆致します。よろしくお願いします。

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