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7.ボスモンスター『キングゴブリン』

 草原で激しく動く巨大ゴブリン。

 な、なんだ、あの大きさ。はじめてみるサイズだぞ。



【キングゴブリン】

【詳細】

 ゴブリンの王。

 巨大なモーニングスターを操る。

 かなり高い耐久力を持つ。弱点は不明。



「キングゴブリンだって!?」

「リヒト、大変だ。あれはボスモンスターだぞ!」


 エルガーが珍しく声を荒げる。

 ボスモンスターは、通常モンスターよりも性質が悪い。強いからだ。


 どこかのパーティが襲われて大変なことになっていた。


「どうしましょうか……」


 リーベは困惑した表情で戦況を見つめる。

 こうなると見過ごすはできない。

 宮廷錬金術師としても。


「俺がキングゴブリンを足止めする。リーベとエルガーは後方から攻撃してくれ」


「分かりました」

「分かった」


 二人ともひとつ返事。

 相手がボスモンスターだというのに、怯えず勇敢だな。特にエルガーは未知数だ。コイツが戦っている姿は戦場以外では見たことがない。

 オークとの戦争があったのは数年前だし、実力が落ちていないか心配だな。


「エルガー、出来るか?」

「おいおい、リヒト。この私を舐めてもらっては困るな」

「へえ、期待していいんだな?」

「おうとも。この力を使う時がきた」


 指を銃に見立てるエルガー。

 あれは……まさか。


「そのスキル、まだ使えるんだな」

「当然だ」



 人差し指をキングゴブリンに向けて、魔力をこめていく。すごい魔力だ。



「あの、リヒトさん。エルガーさんのこのスキルはいったい……」

「見ていれば分かるさ」



 ついに魔力が最大に高まり、エルガーはスキルの名を発した。



(セイ)(ガン)



 指先から大出力の魔力が砲弾のように発射され、それはキングゴブリンの体に命中。一撃で大穴をあけた。相変わらず凄い威力だ。



『ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』



 断末魔を上げるキングゴブリン。

 俺のポーションでトドメを刺す。


 懐から爆弾ポーションを取り出し、俺は投げつけた。



「くらえッッ!!」



 剛速球で飛ぶポーションは、キングゴブリンに激突するや否や爆発。粉砕した。

 大量のアイテムを落とし塵となった。



「お疲れ、リヒト」

「いや、エルガーのおかげだ。まさか健在だったとはな」

「まあな」



 ハイタッチして俺たちは互いを認めた。

 するとリーベが飛び跳ねた。


「す、凄いです! リヒトさんもエルガーさんもカッコいいです!」


 ぴょんぴょん飛び跳ねて褒めてくれる。嬉しいな。


「いやぁ、恐れ多いですよ、リーベ様」

「エルガーさん、謙遜ですよ~」

「いやいや、私よりはリヒトのおかげだよ」

「いえいえ、エルガーさんの聖なる魔法に驚きました」


「ああ――“聖眼”ね。もともと目から発射する方法だったんだけど、カッコわりぃって言われてからは指から出すようにしたんだ」


「えぇ!?」



 そんな裏話にリーベは驚いていた。俺もその話を始めて聞いたぞ。

 そういえば、文字にすると“聖なる眼”となるからな。本当に最初は目から出していたんだろうけど……確かに無様だ。



「おい、リヒト。今、無様とか思ったろ」

「い、いやぁ?」

「仕方ないだろ。まあ、でも今の軍人も指先から出してるさ」

「なるほどね」


 とにかくこれでパーティを救えた

 駆け付けてみると、全員無傷。

 お礼を言われた。


「ありがとうございます、冒険者様!!」

「助かりました」

「宮廷錬金術師様と……元聖女様!? えっ、侯爵様まで!? どんなパーティですか!」


 お礼を言われたり、驚かれたり忙しい。

 けど救えて良かった。

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