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Vtuberあれこれ

作者: ムクダム

 実在する存在なのか、演じられているキャラクターなのか。

  Vtuberと呼ばれる方々がいらっしゃいます。動画サイトなどのインターネット上のみならず、街中でもタイアップのポスターなどでそのお姿を拝見することが多くなってきた今日この頃なわけですが、私はあの方々がどういった存在なのかよく知らないのです。なんだかよくわからない存在というのが、私の率直な印象で、そのわからないポイントがどこかをお話しさせていただきたい。

 なお、定義だったり立ち位置を改めて調べたわけではないので、事実から的を外したことを言っているかもしれませんが、そこはご容赦を。あくまで私が抱いた印象の話。

 最初に連想したのは、昔にブログなんかで見かけたキャラクターアイコン。今も流行っているかは知らないのだけれど、2人以上のキャラクターを会話させる形で、作品の感想や日々の生活で感じたことを文章に起こすブログが結構あったのです。書き手は一人なのだけれど、会話形式にすることでわかりやすく説明できるというメリットがあったのかなと。リアルでも、一人で喋り続けるより、聞き手がいて合いの手や質問を挟んでくれた方が活発に話ができるのと同じことね。

 なので、Vtuberというのは上記のキャラクターアイコンに声をつけた感じかなと思ったわけです。誰かがセリフを書いて、声を担当する人がそれを読み上げているのかなと。あくまでもキャラクターであって、固有の人格は存在しないものだと考えていたのですが、運営方針の食い違いやら、人間関係のトラブルやらで引退する方々がいると聞いて、どうも様子が違うようだと感じた次第。ただのキャラクターであれば、演じている人に何か問題があっても、演者を交代すれば良いわけで、キャラクター自身が消える必要はないわけです。

 であれば、Vtuberの主はあくまで生身の人間で、生身の動画配信者がCGで作ったキャラクターの皮を被って、配信をしているということなのかと考えたのですが、そうすると、なぜわざわざキャラクターの皮を纏うのかという疑問が生まれてくるわけで。視聴者としては、生身よりも二次元キャラクターチックな見た目の方が親しみやすいとか、配信者としてもリアルバレの恐れがなくて安全だとか、色々な理由があるのでしょうが、どうもしっくりこない。そもそも、Vtuberが爆発的に流行しているのは、見ている側がアニメの登場人物のようなキャラクターとして、その存在を認識しているからではないだろうか。そうすると、Vtuberの主は外側の皮の方ということになり、上記の引退の件と微妙に食い違いが生まれてくる。極論、似た声の人を探したり、人工的に似た声を作ったりすればVtuberという存在は引退知らずの存在となる。しかし、現実にはVtuberは実在するもののように扱われているわけで。

 生身で配信している人も、別に素の自分のままで配信しているわけではなく、配信者という役を演じているということであれば一種のキャラクターであるとか、そもそも従来の役者やアイドルなんかも人前に出る時はパブリックイメージに沿ったキャラクターを演じているのだから、別にVtuberというあり方も珍しいものではないのかもしれない。そもそも素の自分って何なんだとか、人間誰しも人前では演技をしているのではないか、などと考え始めるともう収集がつかない。

 別に、人間は素顔が一番だとか、リアルでキャラクターを演じるのは変だとか言うつもりはないのだけれど、Vtuberというのは二重三重に人格の層が存在して、どうにも捉え難い印象を持つのです。リアルだとかバーチャルだとかの区別をする考えがそもそも古いということかもしれないのだけれど、個人的には、現実とそれ以外の境界はなるだけはっきり認識しておきたいと思う。無限に続く入れ子構造のようなもので、触れると自分自身もそこに巻き込まれて、自分の現実というものを見失ってしまうのではないかという漠然とした恐怖が横たわっているように感じるのです。 終わり

 

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