30日
9月1日(月)今日は久しぶりに「ドラゴンストーム2」をした。最後に遊んだのは中学生の時だろうか。当時はラスボスを倒せず諦めて遊ぶのを辞めてしまったが、いとも簡単に倒してしまった。今遊ぶととても退屈なゲームだ。
9月2日(火)今日はとてもいい天気だったので近くの河原まで散歩した。少年たちがサッカーをしていた。俺も中学の時はサッカー部に所属していたのもあってどこか懐かしい気持ちになった。同じサッカー部だったハヤトは今何してるのかなあ。
9月3日(水)今日は一日中家で寝ていた。こんな日もたまには悪くない。
9月4日(木)今日も河原まで散歩した。いつものサッカー少年たちが元気に走り回っている。俺も久々にランニングしようかな。
9月5日(金)今日は近くのスーパーで玉ねぎが安かったのでカレーを作った。俺はカレーを作る時は決まって辛口だ。実家を出るまでは中辛だったが、一人暮らしを初めてからは「これ」しか買わない。隠し味に赤ワインを入れるとなお良し。
9月6日(土)今日は大学に来た。一限から四限まで授業を受けた。経済学部の授業はどの授業もつまらない。今ふと思ったが大学生で友達も恋人もいないのってヤバい?
9月7日(日)今日は凄い日だった。なんと近所の商店街でハヤトを見つけたからだ。彼と会うのは中学卒業して以来だ。まあ、会うと言ってもこちらが一方的に見つけただけだ。声をかけようと思ったが、雑踏の中に消えていった。
9月8日(月)今日は久々にランニングをした。3km走った。途中しんどかったが、走り終えると清々しい気持ちなった。でも、やっぱり衰えてるな。
9月9日(火)今日も河原まで散歩した。そしたらなんとハヤトがサッカーをしていた。俺は興奮して彼の所まで駆け寄ったが、彼は遠くへ行ってしまった。 なんで?
9月10日(水)今日も河原へ行った。今日もハヤトがいた。折角だから俺の家に遊びに来るように言ったが、反応が悪い。彼は「親に聞かないと」と言った。なんでその歳で親の許可が必要なのか。
9月11日(木)今日も河原へ行った。ハヤトを殺してしまった。でも、これは偶然なんだ。俺の事を無視するから、ハヤトが悪いんだ。でも大丈夫。これでもうずっと一緒だね。
9月12日(金)今日はハヤトと「ドラゴンストーム2」をして遊んだ。当時の思い出が蘇る。ハヤトはもう死んでるからプレイ出来ないけど俺の隣でじっと画面を見つめていた。きっと楽しんでるんだろうな。
9月13日(土)今日は大学の帰りにハヤトを探す張り紙を見つけた。両親には可哀想だけど、もう僕のものだしどうしようもないよね。
9月14日(日)今日は家に警察が来た。なんとか適当に誤魔化したけど、あの感じだと俺に目星をつけてそうだ。考えないと。警察に捕まらず、一生ハヤトと暮らせる方法を、、
9月15日(月)今日は記念日です。もう、何があってもずっと一緒だからね?ハヤト。
9月16日(火)今日は昨日大量に作ったカレーを食べました。当分カレー生活が始まりそうです。
9月17日(木)このカレーを食べるとハヤトとの思い出が脳裏に浮かぶ。最高の彼氏だったな。なんか涙出てきた。今日でカレーは食べきれそう。
9月18日(金)今日は本屋に行って本を買った。好きな作家の東坂安太郎の本。この街も至る所に警察官がいる。中学校では何かイベントがあるのかな。大勢の保護者が外口から体育館に入っていくのを見た。
9月19日(土)今日は警察から事情聴取を受けた。ハヤトと俺が河原で会話するのを見た人がいるらしい。適当な事を言って何とか返してもらった。大丈夫大丈夫証拠は何も残してないはず。
9月20日(日)今日は夢にハヤトが出てきた。泣いていた。苦しそうだった。でも、俺が駆けつけてハヤトを解放した。ハヤトはたちまち笑顔になった。俺も笑顔になって夢は終わった。
9月21日(月)今日は一日中寝ていた。たまにはこんな日も悪くない。
9月22日(火)今日は家に警察が家宅捜査に入った。凄くどきどきした。でも、「大丈夫大丈夫」と自分の中で言い聞かせたら心が落ち着いたし、ハヤトが励ましてるように感じた。
9月23日(水)今日は河原へ散歩した。今日は遊んでいる子供たちがいない。こんなに天気がいいのになあ。
9月24日(木)今日はとても体調が悪い。熱もあり倦怠感もある。やっぱり慣れないもの食べたのが原因かなあ
9月25日(金)今日は一日中寝てた。身体がしんどい。死にたいぐらいしんどい。
9月26日(土)(空欄)
9月27日(日)お父さん、お母さんごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
9月28日(月)(空欄)
9月29日(火)なんでこんなことをしてしまったのだろうか。でも、人生を振り返るといつもそうだ。思い付いたら見切り発車で無計画で始めてしまう。そしていつも後悔する。
9月30日(水)ごめんなさい。さようなら。今から俺もそっちに行くからね。
警察署の中で一組の夫婦とその息子は一つの日記を今、読み終えた。夫婦は共に50代前半、息子は20代前半の青年の様ににうかがえる。
「どうして…どうしてあいつがっ…何でタクミが殺されなきゃいけ…」
泣き崩れる青年。うつむいて静かに泣く夫婦。
この時、青年の携帯には不在着信が一件あった。青年の彼氏からだ。
初めての投稿です。拙い文章ですが、最後まで読んでいただきありがとうございます。次回からはもっと長いものを書けるようにしたいです。