表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/29

第23話 オトコの子のデフォと●●

ま、たぶん、R15には該当しないと思います(^^;)

すっかり日が暮れて私は家にたどり着いた。

両手には千景(ちかげ)が貸してくれたコミックスの紙袋。


なので私はちょっと行儀悪くインターホンを押す。


桜井くんが出たので「荷物、手伝って」と呼び付けた。


桜井くんが言う「ジャ●プの? 背中のデザインがそれっぽい」


「そう、ウイプリ」


「?」


「プリンス・オブ・ウィンブルドン」


「ああ、テニスの!…なんかあったな… そんなの読むんだ」


「ウイプリはデフォでしょ?! 私はアニメで詳しくなったんだけどね。ちょうど彼女がコミックス持っていて貸してくれたの。全42巻。リュックもパンパン。勉強しに行ったのにね」


「でも、まあ、良かったじゃん」


「そうね。キミに数学を教えておいてもらって良かったよ。ありがとう」


なんか、私のリップサービスに地味に喜んでいる桜井くんがキモい。


「そういえば桜井くん、今週号のジャ●プ、まだ持ってる? 彼女が『怪人8号』に()()()()()みたいでさ、読んでおこうかなって」


「いや、オレ、特に買ってないし。たまに立ち読みするくらい」


「うそでしょ?? ジャ●プって男の子のデフォ、常識じゃん!!」


「そうなの?  オレ、マンガ自体あんまり読まないしなあ…」


やっぱり、こいつに話す言葉はないなあ~ つくづくそう思う。


でも桜井くんはまだ何か話したそうだ。


「佐藤さん。ウチであまりテレビとか観てないよね」


「うん、マンションの方で観てるから」


「リビングのテレビ。どうせ誰も観ていないから。ここで観れば?」


「ありがと、使うときは使う」


「オレ、暇な時は部屋でギター弾いてるから、邪魔しないし」


「そう」


そんな事、別にどうでもいいのだ。


そう、私は千景との事を思い出していた。


--------------------------------------------------------------------


「ウイ()リ?」


「そ、“フ”は腐女子の“腐”。で、こういう感じ」


と見せてくれた画像に私は

「うええええ!」となった。

ベッドの上で例のふたり(幸い服は着ていたが)が抱き合ってる『充電中…♡』ってタイトル


ヤバいけど!! 絵、上手い。


「私、美咲がノートの端っこに落書きしてるの知ってるよ。後ろの席だもん」


「エヘヘ 見られたかあ~」


「ねっ!ちょっと描いてみてよ。私もなんか描いてみるから」


千景は机で、私はベッド脇に拡げた小机で、描き始めた。


「ねえ!美咲!」机に屈みこんで前髪を垂らし“貞子”っぽくなっている千景が描きながら声を掛ける。

「漫研に入らない?」


学級委員で美人の千景が漫研かあ… 私も帰宅部は止めて入ろうかな…


私はポスターのイラストに出てきそうな女の子風に千景の絵を、千景はキレイな男の子の絵を描いた。


「腐、腐、腐って感じかな?」と千景は私と乾杯したアイスコーヒーのグラスを持ってニヘラとする。


「…巧い!!」


「私は美咲の描いた女の子…前も描いてたよね…が可愛くて好きだな」


「良かった。それ千景だから」


「えええええ!! ないないない。 こんなに可愛かったら、私、声掛けまくられてるよ!」


「掛けまくられてんじゃん!和田くんとか…」


「アイツは学級委員だからだよ」


「…そうなのかな…」


「そんなことよりさ!」と彼女は自分の描いたイラストの方に目を落とした。


「キレイな男の子の乳首ってどのへんにあるんだろう?」


危ない!!

もしストローに口付けてたら私、絶対にアイスコーヒー吹いてた!


「…ウチのお父さんみたいに()()()()()オヤジのは、分かるんだよ」


「えっ?! 基本、同じじゃない?」


「タルタルなクタビレオヤジとはきっと違うよ! じゃなきゃ不公平だ!」


何が不公平なのかよく分からなかったので…私もニヘラと笑った、曖昧に。



--------------------------------------------------------------------


そんな事を借りて来た()()()()をテーブルに積み上げながら思い出していた。


ガチャンとドアが開いて桜井くんが出てくる。何か部屋でごにょごにょやっていたらしいが…

「あの、先にシャワー使っても大丈夫?」


ホントに!!!


間が悪いヤツ!!


仕方なく「別に、どうぞ」と答えるが


『アイツもタルタルではないよな』とうっかり頭に浮かんだ言葉をかき消したくて、抱きかかえたクッションに顔を埋めた。


相変らずの塩対応の美咲ちゃんですが…

洋輔くんの反応がM化しないかと、思わず心配してしまいます(^^;)


ご感想、レビュー、ブクマ、ご評価、切に切にお待ちしています!!(*^。^*)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] >『蛇の前でうっかり孵化してしまった雛』 (゜∀。)ワヒャヒャヒャヒャヒャヒャ 。・゜・(ノ∀`)o))・゜・。 たとえが面白かわいすぎて思わず返信に返信しちゃいました^^;
[良い点] キレイな男の子の乳首の位置には笑う(*^^*) 上付きとか下付きとかあるんだろうか(笑) 洋輔くんM化と見せかけての反撃希望です(^o^)/
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ