第20話 憂鬱の呪文
新しい登場人物出ます。
階段を下りて来てみると、朝ごはんの支度がしてあった。
だけど桜井くんは居ない。
メモが置いてあるだけだ。
桜井さんは戻らなかったらしい。
母さんは早出
まあ、わたし的にはホッとした。
正直、桜井くんとは、気まずいし…
『言い過ぎた』を肯定するつもりはないけど…
うん、気まずい
で、気まずい彼の残したメモを見てみる。
。。。。。。。。。。
学校でのお昼についてなど、まだ取り決めがないので
とりあえず今週分として、家計から出しておくよう言われました。
金額に不足がありましたら教えてください。
朝ごはん終わったら食器を水につけておいていただけますか
。。。。。。。。。。
千円札が5枚置いてある。
思わずため息が出る。
別に食器は自分で洗うし…
不足があったらって?
どこまでの範囲で??
どうしよう…購買はレシート出ないだろうし
わざわざコンビニかぁ~
憂鬱…
そうでなくても新しいクラスの事で憂鬱なのに…
いけない!!
また憂鬱の呪文に取り込まれるところだった!
私はメモに目を落とす。
そうだよ、この家のこっちの方が
よっぽどじゃん!!
クラスの事の方が、きっとラクだ!!
心がちょっと軽くなる。
最初の挨拶
明るくなるように
鏡に笑顔作った。
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教室に入る。
ちょうど後ろの席の田中さんと目が合ったので
「おはよう」と声掛けしてみる。
「ハロハロ!」と可愛く返してくれた。
ホッ!としたところで
「あ、でも…」と言われてしまう。
「えっ? 何…かな?」
「うん、あのね、私の事、千景って呼んでくれると嬉しい。『田中』って苗字、なんかヤなんだよね」
「あ、うん、もちろん! じゃ、私は美咲で… ほら、私なんか『佐藤』だから、あっちこっちで苗字被り過ぎ」
お互い笑いあった。
うまく付き合えそうだ。
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初めての数学の授業
授業のお終いで「次の時間に中学の復習を兼ねて実力テストを行う」と先生が言った。
「え~!! さっそく実力テスト??」
と嘆く私に
「今度、大学受験に向けての説明会があるらしいよ」
と千景さんが教えてくれて、更にげんなりする。
「やっと高校入学したばかりなのに??」
「ウチの学校、今、実績上げたくて躍起になってるらしいから…北高が仮想敵国なんだって」
「なによ それ~」
「北高の方はどう思っているか知らないけど、東高は対抗心メラメラらしいよ。特に今年は2トップが入学したから全体の底上げも図りたいんだって」
千景さんは妙に情報通だ。
「2トップ?」
「そう、1組の男女で、桜井くんと亀井さんだって。なんか1組って結構固めてるらしいのよね。失礼な話だけど…」
桜井って、あの桜井だよね…
「でも、それって悔しくない?」
「えっ?! まあ…そうね」
千景さんは腕組みでもしそうな勢いで大きく頷いた。
「1組には負けられないわよね!」
「えっ?!」
千景さんは私の手を取った。
「一緒に頑張ろう!!」
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なんだかおかしな事になってきた。
今度、千景さんと一緒に勉強する事になった。
一緒に勉強するのはいいんだけど…
私は、やっとこさ東高に入った感じだしなあ… だけどせっかく仲良くなった千景さんに、バカだと思われたくないし…
私、朝とは違う事で頭を悩ませている…
これって、洋輔くん達と接するよりはクラスでの対人関係の方がマシという事になるのですが… “洋輔くん大好きな私”としてはやはり悲しい(/_;)
でも、こういう考えで憂鬱を軽減させるってのは…ありますよね(^^;)
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