はじめてのごほうし
さて、メイドを雇うことになったが、何をしてもらおうか・・・。
とりあえず、掃除をお願いしよう。
「じゃあとりあえず部屋の掃除でもお願いしようかな」
「掃除ですね♪お任せください!」
メイははきはきと応えると、どこからか取り出したハタキでテレビなどの埃を落とした後、壁に立てかけてあった掃除機をかけ始めた。
手際の良さはさすがプロだ。
「掃除の仕方も、なんとかアソシエーションから教えてもらえるの?」
「『World Maid Association』ですね。所属するメイドは一年以上かけて掃除や洗濯、料理やお仕えする上での心構えなどをしっかりと学んでいます。それなりのお支払いを頂いているので、私たちもご主人様方の生活を徹底的にサポートさせていただきます!」
メイはそう答えると、再び掃除機をかけ始めた。ベッドの下の掃除に差し掛かった時、掃除機の先端がコツンと何かに当たった。
まずい・・・これは例の、『アレ』だ。
メイはベッドの下をのぞき込み、掃除の邪魔となっている『数冊の本』を取り出した。
「なんでしょう・・・ひゃっ」
メイは顔を真っ赤にし、手に持っていた『数冊の本」を落としてしまった。
「色白JKの感動ヌード」「いきなり脱いだ!わがままBODY全集」いかがわしいタイトルだが、どれも自分の愛読書だ。
「いや、これは、その」
「だ、大丈夫です。その・・・男性の方は・・・こういうの・・・持っているって聞いたことがありますので。」
一見冷静さを保っているようだが、顔は赤いままだ。笑顔もどこか固くなっている。
仕方がないことだが、なんか申し訳ないことをしてしまった気がした。
お互い気まずい空気が流れたものの、メイはまた何事もなかったかのように掃除を再開した。
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