初夏を迎えて
煮え切れない感を残しつつ、さらさら行きます。
「教えてあげられるかも」
乳色の霧の指先の器用さには驚いたよ
蜘蛛の巣までもきれいに飾る
しっとりした世界にしばらく居れば
髪の毛も、体の産毛や服の繊維も飾ってくれる
みんなに教えてあげようよ
小さな声で、そっと耳元で
白いビーズ玉だよ
眠っている人も、起きている人も言うだろうか
明日があるさ
けど、二度と帰らない、初夏の安息
「この朝の目覚めに寄せて」
忙しく空気をたたく音が近くで聞こえた
窓を開けて空気を入れよう
ほっ 神秘境だ
乳色の光で満たされ流れ踊る
背伸びして、色のない小旗でも飾りたくなる
そんなピンと張った影たちも
柔らかい色の花を見た時、空を飛ぶ
浮かんでは消え
色が現れまた消える
竹林も、松木立も
草むらも、季節の水面も
霧笛の名手の演奏も
ビーズ細工の中に埋もれてる
ウワーッと飛び上がり、飛び降りるけれど
蜘蛛の巣に引っかかって
小さな旅も終わりを告げる
「衣替えの季節を迎えて」
朝の空気にそれを感じて
初夏の風の中に入っていく
ビーズ玉のサービスや
違った世界の置き土産
銀の糸から滑り降りる過去の時間
初夏の安息を見つめてる
「雨待ちの畦道」
空は青いし、小鳥も騒がしい、なのに
アマガエルも騒いで跳ねまわり始めて
田んぼの田螺も動き回っている
もうすぐ雨になる?
梅雨の季節は、なんともうっとおしいですが、いえ、最近は、ひどすぎることが多いですが。乗り切っていかなくてはいけませんよね。




