短詩編 4
また、気の抜けた回になりました。私本人は気など抜いてはいないのですが、どうやら、皆様におかれましては満足いただけていないのかな、って気をまわしています。そんなこんなで、頑張ってます。
「明けるまでにはまだ間が・・・」
日の出を待つ心に夜は長い
空に星は煌めき続けている
起き灯台の光が突き刺さる
闇には去年の時が潜んでいるのか
騒がしい
風が飛ぶ
「初日の出を待って」
無限の静寂が続く
草の葉の枯れた翳りの中に
夜は手足を伸ばし
しっかりと動かない
永遠の時が流れ
その後に日の出がくるのだろうか
「年初めまたは宮参り」
ギラリとした空気に
慣れた手つきの年始詣で
「日の出を迎えて」
薄汚れたいびつな太陽
ただめぐりくる無感動な月日に
忘れていた愛を与えようか
騒ぎだす小さな群れに
過ぎ去った時をふと思い起こさせる
そんな時ただ思う
心の片割れの行方
「冬の夜」
何も動かぬ部屋の中
隙間風の行方を捜す
窓の下から入り込み
机を抜けて、赤くなっているストーブを通り
さらにカーテンをすり抜けて
埃っぽい縁の下に消えていく
何も動かぬ部屋の中
ストーブの上の薬缶の湯気も
まっすぐに立ち上る
そんな気がする
「倦怠」
浅いまどろみの中
低くつぶやく声が流れていく
いつも変わらない、エンピツの音と
教卓の上の動く影
その日も同じ景色
「夏の賛歌」
淡い日の光は
心の灯を吹きおこす
残酷な太陽、しかし
夏の日を懐かしむ
ある冬の日
ああ、そこは風の世界
「ぼんやり眺める自分」
青い、青い、鏡の世界
空気のカーテンの花模様・アップリケ
精霊に似た、ただ囀りまわる小鳥たちは
ゼンマイ仕掛けの子供らの玩具
飛び回る小鳥は、キラキラ光るひとつの塵
「めまい」
俗物の怪気は、倦怠の精気は
地獄へ行け
ああ時が止まる
「暖かい冬の日に」
永遠の窒息しそうな空気は
空ろな頭の中で
鋭い疼きとともに、籠っている
青空と過去を思い
山のドングリの実が眼に浮かび来る
次の回で一区切りとなります。さて、さて、どうなりますことでしょうか。うん、なるようになりますよね!




