彷徨する心
長い詩の回です。読みごたえがあるといいのですが、ただ、書きごたえはあるように思っています。なんて・・・ネ
「安住してる君へ贈る」
人の心を弄ぶ
おまえは恋の悪魔かな
蒼い、蒼い水底に
静かに潜む悪魔かな
藻に絡まれて、隠されて
人を偽る悪魔かな
お前自身に聞いてみろ
得体のしれないその姿
すべてのものに飽きが来て
すべてを捨てたお前には
お前自身もわかるまい
遠くのほうの景色など
心の隅に飼っておく
不思議な、不思議なお前ほど
得体のしれないものはない
お前の周りにいるひとは
そういうふうに言ってるが
内気なお前は知ってるか
蒼穹は星空、太陽も
チラチラ光る電球玉
冴え冴え光る月光・・・と
そんな空気のその中に
どっかり居座るお前さん!
「運命という乗り合いバス」
もう間に合わない
と枯葉が叫びつつ
足元を去る
夜は暗く、月さえも光を落とし
星は瞬きをどこかに置いてきたのか
折から、寒波の北風が
精一杯、独り言をつぶやきながら
背をつつく、つつく
冷たい汗を流して歩いていると
まだ間に合うかもよ
枯れた葉が、眠った枝で囁く
しばらく行くと
水銀灯が蒼く光を落としている
そこに人々が置き忘れた「時」が
うず高く積もっている
拾えなかった夢が
転げている
「終末の決断」
終末の輝きに
何か弱さを感じさせる
そんな愛にずぶ濡れになった
ある幸福な髪の長い人
誰ともなく囁き始める
その中に
ただ、一つの
小さな安らぎを見つけた
一度は歩く、赤い
小さな花の咲く、小道の
小さな竹の橋
誰も帰って来ない
彼は一人
彼岸への空間を見る
限りない青さに足は震え
涙が溢れあがった
飛翔
落下・・・
小さな竹の橋の蒼い竹には
時が死んでいる
「一人のお前の物狂い」
節穴から外を覗いて
しきりに首をかしげる
何か見えるのか、その塀の向こうに
ほら、また傾げてる
ある日、街に出た
毎度のことでも、けど
今度は違う
小さな板切れを大切に持っている
真ん中の釘を引き抜き
中を見る、中を覗く
腰を下ろして、しげしげと
また、釘を差し込み歩き出す
何か見えたか
嬉しそうだな
もう帰るのか
もう他に用はないのか
節穴の世界に魅せられたそうだよ
何処も変わったところはないってさ
けど
どこか違うんだってさ
それからだよ姿を見なくなったのは
次はまた、短詩編になります。おい!まとめて出せよ!っては、言わないでおいてください。たぶん、すぐに飽きてしまうことでしょうから、打ち込みが・・・




