嘘偽
ふてぶてしく、図々しく、
燃え上がる恋心に映る自分はまるで自分じゃない。
憎たらしく、憎悪感を抱く
あの人の後ろ鏡にはそんな姿、写っちゃいない。
本物なんて一つもない。
平然と過ごしているけれど、本物が生きてるなんてまるで皆無。
でも、心地いい。
繕うだけが今の人間の日常。
例にあげるとしたら、大人だろう。
パシリに使われたって、笑顔を繕いながらも厳しい環境下にいる。
そんなこと、思っちゃいないのにそんなこと言ってみたり。
やりたくもない、そんなバイトで裸体を晒したり。
僕にはわからない。
小さい頃から、大人の言ってることがわからなかった。
わかるはずない。
純粋なままの、その綺麗な心には、わかるはずない。
どうして笑っているんだろう。
漢字だって本物じゃない。
例えば、
「人」の「為」の書いて「偽」いつわりとよむ。漢字さえも嘘ならば本物なんて一つもない。
そんな大人にはなりたくないと思ってた。
でも、あいもかわらず嘘だらけの世界。
そのうち、この空でさえ濁った青色になるのかもしれない。
人間は、神様が望んだ真実の「人間」にはなれないのかもしれない。
そんな嘘だらけの世界。
でも、心地いい。