プロローグ
プロローグなので、とても短いです。
※本編は第一話からです。
空は清々しい快晴だ。窓を開ければ、心地よい風が部屋に入ってくる。
景色を眺めると、透明感のある羽を持つエルフや逞しい身体をした獣人、もちろん人間も。様々な種族が共に暮らしている様子を見る事ができた。
「はぁー、今日は仕事ありますかねー」
「あるだろ! 絶対ある!」
ソファーに座る金髪の少女と俺の間でそんな会話が交わされると、丁度良すぎるタイミングで
チリンチリン
と、ベルの音が鳴り、同時にドアが開かれた。
開いたドアの向こうからは女性が顔を覗かせている。すると女性は部屋にいた俺達に、控えめに尋ねてきた。
「あの……、ここが噂の相談所……ですか?」
窓辺からドアの方へと歩き、「はい。そうですよ」と、笑顔で答えると女性を室内へ手引きする。断言した通り、今日も仕事が自ら寄ってくるのだ。
……え? 何故分かっていたのか? その理由は、一つに決まっている。
ここが相談所だから。
「では、そこに座ってください。お悩み、お聞き致しましょう」
毎日、このセリフから仕事が始まる。
ここは『異世界お悩み相談所』
今日も一つ、お悩み解決致します。




