戦いまで
チュンチュン♪
チュンチュン♪
「ん。朝か……」
起き上がり、少しボロいベットから抜け出す。
「はぁ~。朝の6時くらいか?」
体感では朝の6時ぐらいだと思う。この体は色々とスゴいから当たっているだろう。
昨日は村長の家に泊めてもらい、夕食もご馳走になった。
まぁ、野菜だけだったけどね。
仕方ないよな、魔族のせいで商人も来ないって言ってたし。
「後6時間もすれば魔族が来る」
昨日聞いた話によると、魔族達は正午を過ぎてから来るようだ。
「後6時間。いったい何をするか」
少し考えながら部屋の外へと歩いていく。
ガチャン
「おや? 早いですな」
扉を開けると村長が木を削って何かを作っていた。
「村長こそ早いな。何をやっているんだ?」
村長へと近づき、手元の木を指差して尋ねる。
「あぁ、これか? これは木で熊を作ったんじゃよ。この家もわしが作ったんじゃよ」
村長が両手を広げて自慢してくる。
しかし、この家を作ったなんてスゴいな。今見ても、構造もしっかりしているし、全て木で出来ている。
「へぇ、スゴいな」
「うむ。そうじゃろうそうじゃろう」
村長が満足気に頷いている。
「ところで昨日はよく眠れたかのう?」
「えぇ、バッチリです!」
俺の言葉に村長が目を細める。
「それはよかったわい。今日は頑張ってくだされ」
「えぇ、精一杯やらせてもらいますよ」
「ふむ。それは楽しみですな」
村長の言葉に「アハハ…」と、苦笑いしながら、出かけると告げる。
「ちょっと外へ行ってきます」
「何処へ行くのですかな?」
疑いの目でこちらを見てくる。
「ちょっと広い場所で修行してこようかと思いましてね」
修行? と、まだ疑問を抱いていたようだが、俺が「なんなら水晶に触れましょうか?」と言ったら疑いの目で見ることもなくなり、快く見送ってくれた。
村長の家を出てから、昨日いた草原へと足を運んだ。
「もっとこの能力を使いこなせないとな」
そう言いながら修行を開始した。
「ふぅ、こんなもんだろ」
修行を始めてから4時間ぐらいがたった。
程ほどに能力も使えるようになった。
「後もう少しで魔族が来る。早く帰らないと!」
そうして村へと走って帰るのだった。
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