村長宅訪問(1)
心の決意をしてから数分。俺は今、村長の家を訪れていた。
木造だがしっかりとした作りをしている。
これならちょっとやそっとじゃあ壊れることはないだろう。
さて、なぜ俺が村長宅に来ているかと言うと、嘘発見器が村長の家にあるからだ。
しかし初めに嘘発見器があると聞いた時は驚いたな。
ついでにおっさんも一緒に来ている。
「ふむ、なるほど。分かった準備しよう」
おっと、考えてるうちにおっさんが説明してくれたんだな。感謝感謝♪
あ、ちなみに村長さは、60代後半のおっさんだ。
「少し待っていてくれ」
「お願いする」
バタンと、村長が扉から出ていった。
隣に座っているおっさんが何か視線を送ってくる。正直気まずい。
「あの、何でこっち見てんの?」
視線に耐えきれずに直球で聞いてみる。
「お前に魔族の情報を話そうと思ってな」
魔族の情報……
「いいのか? まだ嘘じゃないとは決まった訳じゃないのに」
「お前の今までの態度で魔族ないことは何となく分かっている」
信じてくれたよ。
何かこのおっさんが悪いやつに騙されないか心配だよ。
「信じてくれてありがと。じゃあ早速聞かせてくれよ」
俺が勝てる相手かどうかをな?
「あぁ。だが、あまり情報はない」
「情報がない? でも毎日襲って来ているんだろ?」
じゃあおかしいんじゃないか?
「毎日襲って来ている。しかし、魔族達はモンスターを使ってしか攻撃してきていないんだ」
モンスターしか使っていない。
遊びには駒だけで十分ってか。
「なめた奴等だな」
「あぁ。しかし、容姿や武器などは確認できている」
なるほど。見たやつがいたんだな。
「一人目はオールバックでナックルを装備した大男。二人目は長髪で腰に剣をさした男。三人目は痩せ干せて鞭を持った男。鞭を持った男がモンスターを操っていると思う」
俺も鞭を持った奴がモンスターを操っていると思う。明らかに調教師みたいだもんな。
「大男と長髪の二人は……」
「一切の謎だ」
やっぱり。
う~ん、一発本番かぁ。まぁ、やるしかないか。
「ちょっと厳しいかも知れないけどやるしかないか」
「あぁ。それとモンスターは、ゴブリンしかいない。しかし、50ほどいて数では負けてしまう」
50か。
「こっちの人数は?」
「俺を合わせて5人だ」
ゴブリンの10分の1か。
そりゃあ厳しい訳だ。
「なるほど。大体分かった、ありがとう」
「いや、お前も戦ってくれるんだ。当たり前の事だ」
「あぁ。俺も最初はモンスターを倒しているよ。でも、途中で魔族と戦おうと思うがいいか?」
拒否するなよ? という思いを込めて見つめる。
「あぁ。お前の能力なら大丈夫だろう」
「じゃあ明日はよろしく頼む」
おっさんがてを差し出してくる。
「よろしく!」
セイヤも大きな声を出して握手するのだった。
評価よろしくお願いします!