子守歌“ベルスーズ”
子守歌を思い出す
母が歌ってくれたあの曲を
今亡き母が紡いでくれたあの曲を
暖かい陽射しのようなあの曲を
打ちつく雨のようなあの曲を
鳴り響く雷のようなあの曲を
母と一緒に想い出す
小さな頃に膝にのせ
髪を撫でてくれながら
ミルクの匂いをさせながら
母が紡いでくれたあの曲を
爆撃で死んだあの母は
最後に何を想ったろう
バラバラになって死んでった
母は何を想ったろう
優しく厳しいあの母は
今の自分を見たならば
どんなことを想うだろう
僕は歌を想い出す
母と一緒に想い出す
空を見ながら思い出す
雲を見ながら思い出す
雨を見ても思い出す
風を見ても思い出す
僕は頬から水を手で拭い
空に向けて紡ぎだす
冷たい風に乗せて紡ぎだす
〝これはあなたの子守歌〟
〝これは私の子守歌〟