第1章-1-
王国が滅亡してすでに5年が過ぎた。大陸の覇権を争う戦争は全く終わる配を見せておらず、生きながらえてきた小国が滅亡していくだけであった。
皇国からみて東の帝国との戦線は膠着し南の連合との戦線に力を入れようとしていた。ちなみに海は大陸を南北にはさんでいた。連合は南の海域と南にある大小の島に拠点をもち皇国は西の海域を帝国は東の海域をそれぞれ支配していた。海軍力は連合が頭1つ抜けている。
これに対し皇国は、王国侵略のダメージをほぼ五年かけて回復させ攻勢でようとした。それが、南部戦線。連合との戦線であった。連合は皇国への攻撃を昨年失敗している。この損失兵力が回復する前に皇国は連合の国境地帯の大都市レルスを攻略する作戦を立案、実行した。参加兵力は3個師団4万5千人の主力に先発隊3千の4万8千の部隊が編成された。先発隊に所属する大隊の1つは第7遊撃大隊。通称「王国大隊」王国出身者が多数を占め指揮官も元王国軍人が多い。この大隊の大隊長は、王国の王子、フィル=フィンラディア。補佐に将軍家の子息ギリム=ヘーゲルシャウト。二人とも少佐で本作この二人を中心に物語を進めようと思う。