おなじくよん話!! 世界最強?!生徒会長!2
一年も投稿が遅れてしまいました!本当にごめんなさい!
高校生になったら思っていたよりも忙しくて…
では、はりきってどうぞ!
放課後、御剣先生に言われた通りに壁を直そうと、道具を取りに教室を出ようとした。すると、隣にいた梵が俺の制服の端をつまんで、
「あ、あの、荒浪。その、今回のは、あたしのせい…だから…。荒浪はあの転校生に学校案内でもしてやってよ。壁は…あたしが直しとくから。なっ、慣れてるし!」
と、いうので
「お!マジで?サンキュー梵!今度なんか奢るな!」
「え、あ、べっ別に!あんたのためじゃないからっばっかじゃないの!!思い上がんないでよね!」
そう言って梵はまた手を振り上げたが、手をふるふる我慢させて下ろした。
あっぶね…また殴られるかと思った…。けど、途中で止めてくれたし、いいやつなのか?
「いや…もしかしたらこの次の時に威力倍増っていう可能性も…」
俺がぶつぶつ独り言を言っていると、梵は怪訝な顔で
「何ぶつぶつ言ってんの。きも」
……やっぱいやなやつだわ。
まぁ、何はともあれ俺は帰っていいみたいだし、そこだけは感謝しておこうと思った。
教室を見渡してルミアを探す。
「ルミア!学校案内するぞ!」
「学校案内?」
「あぁ、学校の中、案内してやる」
「ほんと?さすがあたしの下僕ね!じゃあ行くわよ!」
ルミアは張り切った様子で教室を出ていく。すごい嬉しそうだ。
「だから下僕じゃねぇって!」
〇
「…で、そこが図書室な」
1階から始まり、今は最上階の4階を案内している。図書室や学習室、進路相談室などが設置してある静かな階だ。普段はあまり来ないが。
「へぇ…この学校、意外としっかりした設備なのねー。ねぇ、戦闘室とかないの?」
「あるわけねぇだろ。ここは人間界だ!」
そんな話をしながら歩いていると、突然ルミアがピクッとして立ち止まった。ほかの部屋よりも一際豪華な部屋の前で。
「ねぇ、詠斗。ここは?」
「ん?」
見るとルミアの顔はいつもよりも真面目で、瞳が若干鋭くなっていた。
「この部屋。何?」
声も少しだけ低い。
「えっと…生徒会長室だ。この学校は、生徒会役員が集まる生徒会室ともう一つ、生徒会長専用の部屋があるんだ」
「へぇ……」
ルミアが瞳を細める。
「…どした?行くぞ?」
「うん……」
そう言ったのを聞いて、俺が足を前に進めると、
バアァァァァンッッ!!
後ろから大きなドアを思いっきり開ける音が聞こえた。俺が振り向くと、ルミアがその開いたドアの前に立っていて……。
「ちょっおい!ルミアお前何してっ!」
走ってルミアのもとに駆け寄って、恐る恐る生徒会長室の中を見ると……この学校の生徒会長、祝儀園日和会長が優雅に本を読んでいた…。
「すいません!こいつ、転校生で、注意しておくんで……」
俺が慌てて弁解しようとすると、ルミアはそれを遮って、挑発するように言った。
「久しぶりね、日和!!」
すると、祝儀園会長はゆっくりと顔を上げ、立ち上がった。
「久しぶり、ルミア。待ってたよ」
深緑色の太く長い三つ編みがふわっと浮き上がる。白い肌に赤縁のメガネが鮮やかに映えている。会長をこんなに間近で見るのは2年生の俺も初めてだった。
「………ひさ…しぶり?」
訳が分からずに疑問形でつぶやくと祝儀園会長のまっすぐな瞳がこちらを向く。
「初めまして。2年C組、荒浪詠斗くん。生徒会長をやらせて頂いている、3年A組の祝儀園日和といいます。ルミアがお世話になっています」
にこっと、彼女は柔らかに微笑んだ。
その綺麗で穏やかな微笑みに俺は見とれてしまいそうになったが、はっと我に返ると小声でルミアに尋ねた。
「な、なぁ、どういうことだよ。なんで悪魔のおまえと祝儀園会長が知り合いなんだ?」
「知り合い?そんな生ぬるいもんじゃないわ!日和はあたしの敵よ!怨敵とかいてともと呼ぶ、そういう関係よ!」
「友なのかよ敵なのかよどっちだよ」
「だから言ったじゃない、怨敵よ!お、ん、て、き!!」
腰に手を当てて眉を吊り上げるルミア。すごい剣幕なのだが、全然怖く見えない。
しかし、祝儀園会長は人間だ。どうしてルミアの怨敵なのかわからない。
「いや、怨敵ったって会長はにんげ…」
そう言いかけた俺の言葉を祝儀園会長の澄んだ声が遮った。
「同級生だよ」
「え?」
「白百合悪魔学院という悪魔界の名門校学生時代の同級生。そこは、人間界でいうと高等学校のレベルのことを学ぶ学校なのだけれど、ルミアはそこに4年分飛び級して入ってきた成績優秀の特待生として扱われていたの。わたしも2年分飛び級してルミアと同じクラスにいたの。年は一つ違っていたけれどね」
「えっ、まさか祝儀園会長も悪魔…?」
「ひよりでいいよ。そう、わたしの家系は代々、九尾狐の純血を受け継いでいるわ。れっきとした妖か…コホン、悪魔の家系だよ」
「え、今妖怪って言おうとしましたよね?九尾狐って悪魔じゃなくて妖怪とか神獣の類っすよね?ごっちゃにしちゃっていいんすか?」
俺がツッコむと祝儀ぞ…じゃなかった、ひより会長は顔を少し青くして気まずそうに顔をそらした。
それを見たルミアは少し怒ったように
「そ、そんなの、小説の設定資料をめんどくさがって何も調べずにアバウトに書いた作者に言いなさいよ。あたしも詠斗もひよりも関係ないわ!」
「な、なんか急に会長の味方したな…」
「いい?こんなことができるのもこの小説がコメディだからなのよ?感謝しなさい作者!」
「いや、感謝ってかこの会話書いてんのも作者だからな?ってかどこ指差してんの、そこなんかあんの?!」
「はぁ、ったく、ちゃんと調べてから書きなさいよね!まったく」
「や、だから、そこなんなの?!」
そんなやりとりをしているうちに復活したらしいひより会長はぎこちなく微笑みながら、
「ま、まぁ、そういうことだから」
あははっと笑い声をあげた。
「でも、なんで俺のことまで知っていたんすか?」
「わたしが君のことを知っていたのはルミアとの情報が入ってきたからだよ」
ちなみに、と会長が付け加えた。
「この学校には君たち人間が知らないだけで何人かの悪魔たちが通っているんだよ。まぁ、その子たちについてはルミアといるだけで今後いやでも知ることになると思うからお楽しみにしておいてね」
読んでくださってありがとうございました!
このよん話!は終了です
次のご話!を楽しみにしていただけるとうれしいです!