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悪魔ばかり!!  作者: 新山愛華
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さん話!!  赤髪ツンデレ少女

 あれから約30分。俺と小都葉は学校の自分の教室、つまり2年C組にいた。(ルミアは転入生として後から来るらしい)

 ちなみにだが小都葉はもう今朝の事情を知っている。……ルミアが悪魔だというところまで……。

 理由は今朝の登校の道のりでのこと。


 俺らはとりあえずいつも通り談笑しながら歩いていた。

 唐突に小都葉が謝ってくる。

「今朝はごめんね。詠君」

「いやまぁ、別にいいけどね。あ、いやよくはないか。まぁ、壁は学校が修理してくれるし、とにかく気にすんな」

「ほんとごめん。壊れちゃった家具はぜっっっっったいあいつに弁償してもらうから」

「いやそこは自分でしろよ」

「詠君の部屋に朝早くから女の子がいるなんて初めてで……。すごくゆるせな………驚いちゃったから……。だからね、ほんっとに殺してやろ………気が動転しちゃって、ヒートテックしちゃって……」

「今2回も本音が漏れそうになったよなっ!?」

 あとヒートテック……。

 たぶんヒートアップって言いたかったんだろう。

 そこはあえてつっこまない。

 すると小都葉が突然こんなことを言い出した。

「あとね。……あのね、詠君。あの……ルミア……?だっけ、あの子には注意したほうがいいよ」

「………なんで?」

「だってね、あの子……その………悪魔、だから……」

「ゴホッゴホッゴハッッ!!」

 思いっきりむせた。

「大丈夫?……ごめんね。いきなりこんな話したら変な子だって思われちゃうよね」

「いや、そうじゃなくて……」

 俺は小都葉の言葉に若干むせながらも返事を返す。

 あとお前はもとから変な子だ。安心しろ。

「なんで小都葉がそれを……?」

 すると小都葉はきょとんとした顔で

「あれ、知ってたの?なぁ~んだ、知ってたんだ。なんで分かったかっていうと……あのね、わたしのお婆ちゃん陰陽師なの」

「あぁ……」

 そうだった。こいつ、この御巫小都葉みかなぎことはの家系は代々陰陽師の家系だった。まぁその肝心の陰陽師については小都葉の祖母までで止まっているらしいし、小都葉も継ぐつもりはないらしいのだが。祖母ともいまは離れて暮らしているらしい。(どこに住んでいるのかも知らないらしい)

「わたし、お母さんよりも霊感が強くてね。隔世遺伝っていうのかな。まぁ、それでね、幽霊とかおばけとかそういうたぐいのものよく見るんだ」

「………」

 悪魔もその霊感に入るのか……?

「だからルミアも悪魔だってわかったの」

 入るみたいだった。

「本当はすごく殺してや……やっつけちゃいたかったんだけど……」

「可愛く言ってもだめだ」

「……はぁい」

 小都葉は言いつけはちゃんと守るいい子だ。(のはず)

「まぁ、お婆ちゃんの話ではねそういう奴にはいい悪いがあるんだって。それで、いい奴はやっつけちゃいけないって」

「ルミアはいいほうだったんだな」

「うん。だから生かせてあげた」

 上から目線だな、おい。

 まぁ、そんなこんなで小都葉にはルミアの正体がバレてしまった。


 場所は戻って学校。

 俺は小都葉がなぜか持ってきていたおにぎりを朝食代わりとして食べようとしていた。

「小都葉って気ぃ利くよな」

「えへへ。そうかなぁ。わたし、詠君のためならなんだってするからね!あ、はい、おにぎり」

「お、サンキュ」

 俺は小都葉から手作りおにぎりをもらう。

 クラスの奴らが生暖かいような目で俺らを見ている気がするのは……………。うん、気のせいだろう。…………若干殺気が混じっているような気もするけど。

 それはともかく、俺はさっそく貰ったおにぎりにかぶりつく。

「うまそ~。いただきまぁす」

 がぶり。

 って、

「ゴホッ、ゴホッ、ゴッハッ!小都葉、おま、何入れた!?」

 思いっきりむせた。

 それに小都葉は

「ん~?どれどれ見して。……あ、これはくさやだね」

「くさや?!どうりで臭いと………っていやいやっ!なんてもん入れてんだよ!」

「それからね。これがドリアンでしょ?これが温めた納豆、これが温めた牛乳を染み込ませてあるのぉ」

「解説せんでいいから!てか何で臭いものばっかり……?」

「栄養ありそうだから」

「なんでお前は臭いもの=栄養あると考えてんだろうな?…………あー、じゃあいいや。えと、たらこ、たらこある?」

 こうなったらこっちからチョイスするしかねぇか。

「あ、うん、あるよ。はい、辛子明太子 あんみつ味」

「どんな味だぁぁぁぁ!!」

「あ、こっちのほうがよかった?あんみつ 辛子明太子味」

「ますます分かんないわ!!」

「あんみつ明太子 辛子味」

「なんかもうぐちゃぐちゃだな!!えーっと、じゃあ鮭は?」

「鮭?はい」

「………………」

 俺は心配になって一度おにぎりを割って中を見る。

「……ほ。これはちゃんと鮭だな」

「まぁ、赤に着色したサバなんだけどね」

「じゃあサバじゃん!もうそれサバじゃん!鮭じゃないじゃん!」

「えへへぇ」

「えへへじゃねぇっ!………………。って……はぁ、もういいや」

「食べてくれるの?」

 小都葉が上目ずかいで聞いてくる。

「わたしを?」

「ンなわけねぇだろっ!何言ってんだお前は!!!」

 あぁぁっ、びっくりした。いくらなんでも幼馴染があんなこと言うなんて!誰だ!小都葉にあんなはしたない言葉教えたのは!!!

「食べてくれないんだ……」

「食べるかぁ!!」

 ガッカリそうに言うな!!

 すると小都葉は急に涙目になって

「……おにぎり」

「あ、いや、おにぎりは食うからな」

「だって、詠君、さっき、食べるかぁ!!!って、怒鳴った。わたし、詠君の、ために、頑張ったのに……ぐすっ………」

「いや、さっきのは別のことに関してで、おにぎりは食うから!だから泣くなよ」

「だっ、てぇ……」

 目に涙をためて、ぐすぐすと鼻をすする小都葉。

 しまった。さすがに幼馴染を泣かすつもりはなかったのに。

 さっき怒鳴りまくったことに今更ながら後悔する。

 あーーっ。俺のばかバカ馬鹿!〈←なんかJKじょしこうせいぽい………〉

 どうしよ。何か無いか、何か無いか?

 俺が心の中で一人で葛藤しているとクラスメイトの1人が近づいてきた。

 それはもう待ってましたと言わんばかりに。

「荒浪。女子泣かすとか許せないんだけど」

 腕を組みながらツンッと言い放つ赤髪のその少女はまぎれもなく、梵雛菊そよぎひなぎくだった。

 梵雛菊。彼女は俺のクラスメイトで、これまた学年のちょっとした有名人だった。

 これほどまでにない腰まで伸びる立派な赤髪に吊り上ったつり目。それは可愛いというよりカッコイイ、美人という部類に入るだろう。

 しかし性格はいいとはいえなくて(悪いというわけでもないが)いつも無愛想でツンケンしている。仲のいい友達と話すときはそうでもないとは聞くがそれが本当なのかは知らない。

 そしてなぜか男女ともに人気が高い。たしかに美人なのは認めるがそれはあくまでルックスだ。さっきも言った通り性格はいいほうではないと俺は思う。本当のところはどうなのかは知らないが。

 あと、彼女は何かあると俺にいろいろ突っかかってくる。(はっきり言って面倒くさい)そして、後ろの席から俺のことをよく睨んでいる。なにか俺に恨みでもあるんだろうか………。そのことを小都葉に相談したら何故か苦笑されてしまった。ちなみに小都葉は梵のことを「ヒナちゃん」と呼んでいたりする。

「梵……」

「ヒナちゃん?」

 梵の声に小都葉は顔を上げる。

「男子なら女子の作った料理くらい美味しそうに食べなさいよ」

「いやだから今食べようと―――――――」

「うるさい。女子泣かしたら意味ないから」

 梵はこちらをじっと睨む。

「や、それは……ごめん、小都葉」

 俺はそれに関してはもっともだと思い、素直に謝る。

 それに小都葉も

「ううん。いいよいいよぉ。ヒナちゃんも、ね、もう大丈夫だから」

「御巫がそういうなら……。けど荒浪、もう一度言うけど、男子なら女子の作った料理くらい美味しそうに食べてよね!」

「ヒナちゃん……ありがとね」

 小都葉は嬉しそうな顔で梵を見る。

「分かった分かった。俺も為んなったし。アドバイスサンキューな」

 俺がそういうと梵は急にゆでだこのように真っ赤になって

「べっべべべ別に、あんたの為とかじゃないんだからね!むむむしろおにぎりの為なんだからね!食べてもらえないおにぎりが哀れだなぁって思っただけなんだからね!」

 噛み噛みになりながら叫ぶ。

「あ、わたしのためですらないんだね」

 と、小都葉がしゅんとしているがそんなことはお構いなしに梵は早口に叫ぶ。

「とにかく!勘違いしないでよね!!!ぶっ殺すんだから!!」

 すると、梵は傍にあった生徒用のいすを片手で持ち上げる。

 がしゃぁぁぁっっっ!!!

「ってぇ、おいおいおいおいおいおいおい!!!梵?!」

 梵はいすを俺に向かって振りかぶってくる。

 やばいやばいっ、あんなのくらったら絶対死ぬから!!

 いすで殴られるだけで死にはせんだろう……と思ったやつら!大間違いだ!!!

 さっき言い忘れたがこの梵雛菊は男子が恐れるほどの怪力なんだ。黒板の前の教卓なんかを軽々片手で持ち上げやがる。壁を数回殴るだけで壁にひびを入れやがる。この2年でどれだけ壁に傷をつけたことか。そしてこうなると(今のようになると)ますます歯止めがきかないだろう。さらにいすという凶器を持っている……=殺されるor病院送り。というわけだ。

 まぁクラスのやつらは異様なほどに落ち着いているが……(緊急事態にはもう慣れたらしい)

 俺だっていつもなら落ち着いている。だが今回は標的が俺なわけで………。

「ちょ、いいから落ち付っ――――――」

「ばかばかばかばかばかばか、ばぁかぁぁぁぁぁあああぁぁあぁ!!!!」

「うぎゃぁぁぁぁぁぁあああああああぁぁぁぁぁ!!!!!」

 そのまま梵は手に持ったいすを俺のほうに振り下ろしてきて――――――――。

「はいストップ」

 誰かが梵の腕をつかんで暴行を止める。

「ったく、いい加減にしてよね。荒浪君も」

「ぅぁ、とも……」

「ほら、荒浪君に謝りなさい」

「………」

 梵は顔を赤くしたままそっぽを向く。

「ひぃーなぁー?」

「っ……ごっごめ……ん……っ」

 珍しく梵が素直に謝る。

 そしてそれを促したのは彼女の親友、森下巴もりしたともえだった。

 セミロングの髪のポニーテールがよく似合うクラスのムードメーカー、元気っこ。陸上部の次期キャプテンらしい。梵の親友なだけに彼女の扱いが一番うまい。ある意味クラスの最強人物だ。

「助かったよ。ありがとな、森下」

「べっべべべ別に、あんたの為とかじゃないんだからね!」

「お前もか!!!」

「あははははー。ま、いいってことよ!ていうか荒浪君、ひなの扱いそろそろ覚えてよね。あたしもう疲れちゃったぁ。あと、ひなのあれ、ただ照れてるだけだから気にしなくていいよ」

「はっな、とも何言ってんのよ!!あたしがこいつなんかにててて照れるわけないじゃないの!!誰がこのイケメン気取りしててキモくて馬鹿でゲロ野郎なこいつに照れんのよ!!」

「……………」

 梵、地味に俺が傷ついてるの知ってるんだろうか………?

 梵は相変わらず壁を殴りに殴って顔を真っ赤にしている。

 そんなに顔真っ赤になるならもう殴らなきゃいいのに。

 と、そこで誰かが梵の肩を叩いた。いつ入ってきたのか、このクラスの担任である御剣みつるぎかなでだった。(女)

「梵。何があったか知らんがそろそろ席戻れ。あと、壁は後で直しておけよ」

「へっ?ぁ………」

 そこでようやく梵も手を止めた。パラパラッと壁の塗装が剥がれている。

 いつの間にか梵以外の生徒は皆自分の席に戻っていた。

「んじゃ、ホームルーム始めんぞ。あと、今回の件も関係ありそうだから荒浪、お前も梵手伝ってやれよ」

「だから俺を巻き込むなよおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」


遅くなりましたm(__)m

それでは「よん話!!」にGO!!!

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