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悪魔ばかり!!  作者: 新山愛華
2/6

いち話!!  なんか悪魔が来た!?

 俺の名前は荒浪詠斗あらなみえいと。どこにでもいると思われる普通の高校2年生だ。

 そしてここは俺の通う高校の男子寮。

 その男子寮で、俺は、何故か、知らない女の子に、キスをされていた。口じゃなくて額だったのが不幸中の幸いなのだが、とりあえず俺の頭は思考停止中だ。

 なんせいきなりだったのだ。朝起きると目の前に知らない女の子がいて(勿論連れ込んだわけじゃない)上半身を起こすと共にキスをされたのだから……。

 俺の頭ではそれはもうたくさんの疑問が渋滞していてどれから口にすればいいのか分からない。

 え………と……。

「よし、契約完了♪」

 彼女は俺の額から唇を離す。そして見事なアニメ声で意味不明なことを呟く。最後に「♪」がついているあたりずいぶんとご機嫌のようだ。

 女の子の唇が離れ、思考回路が復活したところで俺はまずキスの事はおいといて(いいのか?)最もな疑問を投げかけてみる。

「お前は……誰だ?」

 すると俺に覆い被さるようにして座っていた彼女は、そのまま起立し、その不安定なベットの上で、

「あたしの名前はルミア、ルミア・フォルネウス。二級悪魔よ!」

 見事にぺったんこな胸をピンと張って仁王立ちをする。

 あ、く、ま、アクマ、あくま……

「あ、熊?」

「何でそうなるのよ!悪魔よ、あ、く、ま!!悪に魔で悪魔!」

 ……っていわれましても……。

「もうっ、ニンゲンって何でこう頭が悪いのよ!世界の恥だわ!!」

 そこまで言うか?!

 俺はつっこみたかったが何を言ってもけなされる気がするのでやめておく。

「いい?よぉく見なさいよ?このあたしがニンゲンに見える?ま、見えるって言ったら殺すけど」

 俺は彼女をもう一度よく見る。

「……見えない」

 お世辞でそう言ったのではない。さっきの言葉に脅えたからでもない。ただ本当にそう思ったのだ。

 強気で真っ赤な釣り目と、太股辺りまで伸び頭のてっぺんから毛先にかけてストロベリー、ラズベリーレッド、アイアンブルーと非常にややこしいグラデーションになる艶やかな髪は恐ろしいほどに幻想的。それらはとても人間のものとは思えなかった。

「そうでしょう。そうでしょう。たかがニンゲン如きがこの世界一可愛いルミアちゃんに勝てる分けないがものね!!!」

 うんうんと満足げに頷きながら後ろに倒れそうなくらいに踏ん反り返るルミア。

 なんかすごく自信過剰な悪魔だった。………いや、たしかに可愛いのだが。

「お前、なんか残念だな。……いろいろと」

 性格とか。

 そしてちらっとだが彼女の胸にいってしまう俺の視線……。

「ざっ、残念じゃなぁぁぁいぃ!!!これから成長するのょ……」

 言葉が尻すぼみしてるぞ。

 それにルミアは変な汗をだらだら流しながら

「は、話を戻すわね!!」

 ぽんっとベットから飛び降りる。

 ……逃げたな。

「あんたはあたしと契約をしたの。悪魔界の四分の一を牛耳るフォルネウス家の長女で二級悪魔であるこのあたしとね!!」

 ケーヤク?あ、熊界?ふぉる…………なんとか?

 やばい、頭がこんがらがった。

「あの、話が見えないんだが……もう一回会話をやり直していいか?」

「?いいけど……」


二回目

俺の名前は荒浪詠斗あらなみえいと。どこにでもいると思われる普通の高校2年生だ。

 そしてここは俺の通う高校の男子寮。

 その男子寮で、俺は、何故か、知らない女の子に、キスをされていた。口じゃなくて額だったのが不幸中の幸いなのだが、とりあえず俺の頭は思考停止中だ。

 なんせいきなりだったのだ。朝起きると目の前に知らない女の子がいて(勿論連れ込んだわけじゃない)上半身を起こすと共にキスをされたのだから……。

 俺の頭ではそれはもうたくさんの疑問が渋滞していてどれから口にすればいいのか分からない。

 え………と……。

「よし、契約完了♪」

 彼女は俺の額から唇を離す。そして見事なアニメ声で意味不明なことを呟く。最後に「♪」がついているあたりずいぶんとご機嫌のようだ。

 女の子の唇が離れ、思考回路が復活したところで俺はまずキスの事はおいといて(いいのか?)最もな疑問を投げかけてみる。

「お前は……誰だ?」

 すると俺に覆い被さるようにして座っていた彼女は、そのまま起立し、その不安定なベットの上で、

「あたしの名前はルミア、ルミア・フォルネウス。二級悪魔よ!」

 見事にぺったんこな胸をピンと張って仁王立ちをする。

 あ、く、ま、アクマ、あくま……

「あ、熊?」

「何でそうなるのよ!悪魔よ、あ、く、ま!!悪に魔で悪魔!」

 ……っていわれましても……。

「もうっ、ニンゲンって何でこう頭が悪いのよ!世界の恥だわ!!」

 そこまで言うか?!

 俺はつっこみたかったが何を言ってもけなされる気がするのでやめておく。

「いい?よぉく見なさいよ?このあたしがニンゲンに見える?ま、見えるって言ったら殺すけど」

 俺は彼女をもう一度よく見る。

「……見えない」

 お世辞でそう言ったのではない。さっきの言葉に脅えたからでもない。ただ本当にそう思ったのだ。

 強気で真っ赤な釣り目と、太股辺りまで伸び頭のてっぺんから毛先にかけてストロベリー、ラズベリーレッド、アイアンブルーと非常にややこしいグラデーションになる艶やかな髪は恐ろしいほどに幻想的。それらはとても人間のものとは思えなかった。

「そうでしょう。そうでしょう。たかがニンゲン如きがこの世界一可愛いルミアちゃんに勝てる分けないがものね!!!」

 うんうんと満足げに頷きながら後ろに倒れそうなくらいに踏ん反り返るルミア。

 なんかすごく自信過剰な悪魔だった。………いや、たしかに可愛いのだが。

「お前、なんか残念だな。……いろいろと」

 性格とか。

 そしてちらっとだが彼女の胸にいってしまう俺の視線……。

「ざっ、残念じゃなぁぁぁいぃ!!!これから成長するのょ……」

 言葉が尻すぼみしてるぞ。

 それにルミアは変な汗をだらだら流しながら

「は、話を戻すわね!!」

 ぽんっとベットから飛び降りる。

 ……逃げたな。

「あんたはあたしと契約をしたの。悪魔界の四分の一を牛耳るフォルネウス家の長女で二級悪魔であるこのあたしとね!!」

 ケーヤク?あ、熊界?ふぉる…………なんとか?

 やばい、頭がこんがらがった。

「あの、話が見えないんだが……もう一回会話をやり直していいか?」

「?いいけど……って何回繰り返すつもりよぉっ!!!」

「十回」

「そんなに繰り返して何が面白いのよ!読者もきっと飽きちゃうわよ!今頃きっと飛ばして読んでるから!ってゆうかもう見るのやめちゃってるから!!」

 うわ、なんか悪魔(自称)が読者とか言っちゃってる?!

「自称じゃなあぁぁぁぁあぁぁぁいぃぃ!!!」

「なんかこっちの心まで読んでやがる?!」

 はぁ、なんか朝から物凄い疲れる……。

 また話がずれた事にルミアは、とにかくっと仕切り直す。

「あんたは今日からあたしの下僕なのよ!!わかった?」

 ルミアは俺を指差しそう叫ぶが、俺はこいつと契約というものをした覚えがない。ましてや下僕になった覚えもない。

「俺がいつ契約したよ?」

 それにルミアは呆れたような表情で

「は、もう忘れたわけ?やっぱニンゲンって馬鹿ね!!!」

なんて言ってくる。

「やっぱりこの世界でもあたしのほうが頭がいいのよ!ニンゲンなんかクズで馬鹿でアホなのよ!!」

 言いたい放題だなこの悪魔。

 しかし俺の心もあまり広くはない。こんな餓鬼にここまでボロクソ言われれば流石にイラっとくる。

「んなことお前みたいな餓鬼に言われたくねぇよ!!」

 するとルミアは

「がぁ……餓……鬼ぃ……ぃ?!」

と、口をパクパク動かす。

 ん?俺なんかおかしなこと言ったか?

「餓……鬼……じゃ…なっ…」

「いや完璧に子供じゃんか」

 彼女がいかに子供かは見れば分かる。背は低くてちびっこい。それでいて胸まで控えめという完璧な幼児体型。それに加え性格も子供である。

「あ、あたしは餓鬼じゃない!!ちゃんと立派な十六歳よ!!!」

「え………」

 絶句。

 マジでか。信じられねぇ。本当に漫画みたいな………。

 ん?漫画?

 そこで俺はようやく思い出す。昨夜に見た漫画やラノベのプロローグみたいな夢を……。

「おま、もしかして夢の……声?」

「やっと思い出した?あんた、あたしと契約したでしょ?」

 たしかに……した。

「でもあれ、夢だと思ってたし……」

 俺は契約の取り消しを要求する。しかしルミアはそれに怪しい笑みを浮かべて

「本当にいいの?」

「な……にが?」

「取り消したら存在ごと消し飛ぶわよ」

 んな…………。

「えと、それって」

 俺の頬を変に冷たい汗がゆっくりとつたう。

「だからぁ、あんたの存在はもともと無かった事になるのよ」

「俺の人生無駄かああああああぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁああああ!!!」

 俺はその場で全力で叫ぶ。

 なんだ?じゃあ俺はもう契約せざる負えないっつうことか?この超自己中悪魔と?

「ま、それでもいいなら……」

 ルミアは何処から出したのか自分の身長の二倍はあるであろう大きな鎌を俺に向かって掲げる。それはとても鋭くてキラリと煌いている。……って、

「やや、やっぱいい!!契約する、するから殺さないでくださいぃっぃぃぃ!!!」

 俺は敬語で懸命に命乞いをする。

 それにルミアは、ふふんと得意顔でゆっくりと鎌をしまう。

 おぉ……、俺情けない………。

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