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  作者: 瑛彪・玄彪
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 におう・・・雨の、においだ。

 

 がばりと、机につっぷしていた頭をあげた。

 さすがは受験の天王山と云われる夏休みだ。予備校の教室内はしぃんと静かで、鉛筆のひっかく音だけが響いていた。・・・ただいま、自習時間の真っ最中。

 窓も戸も締め切られている。どこから雨のにおいが入り込んできたんだろう。しかも、どうして雨のにおいとわかったんだろう。

 寝起きの頭でボウッと考えていると、サァッと窓が陰ってきた。周りが暗くなり、蛍光灯の光が刺さるような光線となる。せかされるように私は帰り支度をし、教室を出る。

 がらりと戸を開けたら、外の空気を思いっきり吸い込む。その隙に生ぬるい風が、半袖の中の二の腕まで撫でまわす。すれ違った友人と、雨が降るぞ、降るぞ降るぞ、と云い合って別れる。すばやく自転車小屋に走りこみ、愛用のマウンテンバイクに飛び乗った。


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