19/19

「黒王の軍略――戦争の影が迫る」

　ラヴェル城塞の闇夜に、兵士たちの足音が響く。

　黒き王アーサー・ペンドラゴンは、冷徹な瞳で広がる戦況図を睨みつけた。

　◆戦闘訓練の強化――鉄血の連携

「単なる力のぶつかり合いではない。戦場は頭脳と組織の勝負だ」

　歩兵、騎兵、魔獣隊、魔導師部隊、そして新設の《魔晶石砲兵団》。各部隊は日夜、連携強化と新戦術の訓練に明け暮れる。

　統合戦術演習

　アーサー自ら前線で指揮を取り、全軍の動きを同期させる。

　魔導師の魔法援護と砲兵の攻撃が完璧なタイミングで重なり、魔獣騎兵が敵陣へ一気に切り込む。

　連携強化

　部隊間の情報共有に《魔晶石通信網》をフル活用。

　敵の動きに応じて部隊を柔軟に再編成し、対応力が飛躍的に向上。

　◆偵察と情報戦――影で動く者たち

「敵の一挙手一投足を逃すな」

　諜報機関《黒翼機関》が暗躍し、隣国の動向を徹底的に監視。

　潜入工作員

　人間、魔族、亜人の混成部隊が敵国へ潜入し、ダンジョン攻略情報や軍の配置を逐一報告。

　妨害工作

　敵の通信網や補給線を破壊する小規模攻撃も並行して実施。敵の士気を削り、混乱を誘発。

　◆戦争の匂いが濃くなる大陸――

　城塞の窓から遠くの地平線を見据え、アーサーは拳を握りしめる。

「戦争はもう目前。勝つためには、我々はただ強いだけでは足りぬ。冷静な判断と速やかな行動が必要だ」

　城内の兵士たちの目に、これまで見たことのない熱意が宿る。

　血塗られた歴史の中に、新たな時代の幕が上がろうとしていた。