星の墓標《セレスティア・モニュメント》と永遠に眠る竜の心臓
第五階層――そこは、静寂と荘厳に包まれた天の墓場だった。
広がるのは黒曜石の大地。空には星が一つも存在せず、
ただ巨大な星の彫像が、空を見上げたまま横たわっていた。
「……ここは、何かが眠っている場所だ」
パーシヴァルが呟いた。
星々の骸が石と化し、まるで惑星がそのまま横たわっているような広さと静けさ。
不気味に脈打つ鼓動が、足元の地面から聞こえてくる。
「心臓の音……?」
トリスタンが足を止めた。
その瞬間、大地が割れた。
地の底から這い出したのは――
《星喰いの竜:アル=ヴェルカイン》
かつて天空に君臨し、神々と対峙した古竜の末裔。
その心臓は未だに燃え、塔を支える動力の一つとなっていた。
「こいつが第五階層の守護者……っ!」
ガウェインが叫ぶ。
星喰いの竜は翼を広げると、身体に埋め込まれた星の墓標を叩き砕きながら咆哮を放った。
空が割れ、重力すらねじれる。
「陣形を組め! これまでの敵とは格が違う!」
アーサーが剣を抜いた。
騎士たち vs 星喰いの竜
・ランスロットとトリスタンが両翼を制する。
竜の風圧に切り込む剣戟はまるで稲妻のように速く、
魔法による再生能力を無効化する連撃が続いた。
・マーリンは空間を固定し、竜の咆哮による時空干渉を抑え込む。
「こいつ、時をずらして攻撃してきてる……!」
・パーシヴァルとベディヴィアは竜の巨体の下に潜り込み、
コアとなる“心臓”を正確に狙う。
・そしてアーサーは、竜の額に浮かぶ「呪印の紋様」を発見。
それこそがこの階層の制御装置――つまり、竜を倒すための鍵だった。
「全員の力を貸してくれ! “シェア”を最大に発動!」
《スキル【お得意様パック】【シェア・ユニゾン】発動》
仲間の体力・魔力・技術・加護がアーサーに集中する。
「ここで終わらせる!」
聖剣が輝き、星々の亡骸が一斉に反応する。
アーサーの一閃――
それはまるで、夜空に忘れられた星座が再び描かれるかのような一撃だった。
星喰いの竜の咆哮が空に消え、巨体がゆっくりと崩れ落ちていく。
やがて、大地に静寂が戻った。
報酬と警告
竜が倒れた場所に、一冊の魔道書が残された。
《取得:記憶の書【星の残響】》
――これを使うことで、「死者の記憶」を一時的に蘇らせることができる。
「……もしかしたら、ガヘリスの……」
ガウェインの拳が震える。
だがその時、塔の上層から不穏な声が響いた。
「よくぞここまで辿り着いた。だが、次は違う。
次は“誰かを捧げなければ、扉は開かない”。
一人、ここに残れ。永久に」
沈黙が流れる。
第六階層への扉は、“犠牲”を求めていた。