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断罪の戦場《Bloodfield》と呪われし十三騎士

 第四階層の扉が開いた瞬間、重い硝煙の匂いと湿った土の感触が一同を包み込んだ。

 そこは、果てしなく広がる血の戦場だった。


 戦場の空は暗く、血の雨が降り注ぐ。

 足元には朽ちた甲冑と折れた剣が散乱し、無数の亡霊が戦いの記憶に縛られて彷徨っていた。


「……ここが、試練の舞台か」

 アーサーの声は静かに、しかし揺るがなかった。


「戦いの意味を問われる場所――それが、我らの真価を決める」

 ランスロットが剣を抜く。


 その時、戦場の中央に黒い影がゆらりと姿を現した。


 十三体の呪われし騎士――鏡写しの円卓の騎士たち。


 彼らはオリジナルの騎士たちの動きを完全に再現しながらも、邪悪な力に染まっている。

 紅蓮の眼光が一人一人を睨みつけ、重厚な鎧は地獄の焔を帯びていた。


「……これが、我らの“呪われし可能性”か」

 ガウェインが吐き捨てる。


「戦わねばならぬ。

 己の闇を打ち破り、円卓の絆を証明せよ」


 マーリンの杖が光を放ち、戦いの幕が切って落とされた。


 激闘の幕開け

 オリジナルと鏡像の一騎一騎が交差する。

 一撃一撃に全身全霊を込め、互いの存在を否定し合うように斬り合った。


「負けは許されぬ!」

 ランスロットの剣が呪われしランスロットの鎧を叩き割る。


「よくぞここまで来た」

 鏡像モルドレッドは不敵に笑い、呪詛の剣を振るう。


 だが、仲間のスキルとリンクによる協力で、呪われし騎士たちの攻撃は一つまた一つと無効化されていく。


「ガレス!フォローだ!」

 トリスタンの声が響く。


「任せろ!」

 ガレスは魔力の矢を放ち、呪われしガヘリスの動きを止める。


「我が盾に続け!」

 ベディヴィアが盾を構え、仲間の傷を庇いながら前線を押し上げる。


 勝利の代償

 最後に残ったのは、呪われしアーサー――鏡像王。


「……この世界もまた、我が支配下に置く」

 鏡像王が冥府の剣を掲げ、絶望を振りまいた。


「黙れ、偽りの王よ」

 本物のアーサーが剣を構えた。


 二人の剣がぶつかり合い、世界が震える。


 だが、仲間の力を受けて、アーサーは勝利した。


 鏡像王は崩れ落ち、戦場の血は静まり返った。


 だが勝利の代償は大きかった。


「……ガヘリスが……」

 ガウェインが呆然と呟く。


 彼の最愛の弟、呪われしガヘリスとの戦いで命を落としていた。


「だが……ここで立ち止まるわけにはいかん」

 アーサーは深く息を吸い込み、前を見据えた。


「我らは円卓。試練の塔を越え、真の王となるのだ」


 エピローグ

 傷つきながらも団結を強めた円卓の騎士たちは、

 第五階層への扉を見据えた。


 その先に待つのは、さらに過酷な試練。


「行くぞ、皆――」


「円卓の名のもとに!」


 彼らの声が、塔の闇を切り裂いた。

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