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「今の時間なら、ジェルトローネは中庭とお外の庭にいると思う。お花の手入れをしてるの」


 エリーの声に従う形で、ノクスが足を忍ばせてついてくる。エリーたちは階段を上り、ジェルトローネの居室を目指した。


 彼女は街の文明の発展に大きく寄与しているが、その開発に関わる資料などはまとめるでもなく居室の机の上に放置されている。その中身を詳しく覗いたことはないが、掃除で部屋に入った時に机で山を成しているのを見かけた。


 もしかしたら、その中に呪いについての資料も残っているかもしれない。そう考え、二人は二階にあるジェルトローネの居室を目指した。


 もっと慎重になるべきとは思う。ジェルトローネは抜け目ない女だ。こうしてエリーが動くことを見越していないとは思えなかった。


 だが不遜なことに、エリーはこの件について今日中に決着させることを望んでいた。なぜなら、夜にはハーグァでサーカスの公演があるからだ。エリーはともかくとして、ノクスは絶対に夜までにハーグァへ戻らねばならない。もちろんどうにもならなければ、一度ノクスだけをハーグァに戻らせることも考えたが、今度はノクスがそれに頷かなかった。


「エリーをここに置いていくことはできない」と言い張る彼と、ノクスを夜にはハーグァに戻したいエリーの要望を重ねた結果、あと数時間で全てを解決しなければならなくなったというわけだ。我ながら無茶な計画だ、とエリーは手のひらに汗をかいた。


 ──でも、できるかもしれない。ノクスと一緒なら。


 ノクスは決して身体的にも精神的にも強くはないし、自分勝手に嘘をついたり物事を進めようとしたりする男だが、エリーが一緒にいると決めた相手だった。だから、ノクスを信じる。二人ならばどうにかできると信じた。


「このドアは魔法がかかっているのか。鍵穴もないのに開かないなんて」


 居室のドアは、中にジェルトローネがいる時は開くが、そうでなければ鍵がかかっている。エリーが把握している通り、今の彼女は席を外しているらしく、ドアは固く閉ざされていた。


「このドア、いつもは雷の精霊が弱すぎて開けられなくて……ジェルトローネが持ってる『何か』で雷の精霊を操作して開くみたいなの。だからなんとかしてジェルトローネからそれを借りてこないといけないんだけど……」


 エリーはそう語りながら、扉周辺の精霊の流れを見る。


 すると、ドアはジェルトローネが開錠する直前の、豊かな雷の精霊の流れを抱いていた。普段は精霊を操作しようとしても受け付けないドアが、今は流れを受け入れている。何が、と周囲を観察すると、ノクスの首元に目が行った。


「それ……」


「え? ネックレスかい?」


 ノクスが怪訝そうにネックレスを外す。エリーの手に乗せると、彼は首を傾げた。


「確かにこれは魔女からもらったものだけど。何か使えそう?」


 エリーは手の上で小さな黒い石を転がし、じっと観察した。


「ノクスの周りっていつも精霊が騒がしいから気が付かなかったけど……これ、雷の精霊を引っ張ってる。ドアを開くのに使えるかも」


 石は濁った鉛色をしており、かつて露店で見た宝石とは様子が異なる。ノクスが肌身離さず持っているのを見て不思議な石だと思っていたが、ジェルトローネから渡されたものだったのだ。そういえば過去にも、「出資者から常に持ち歩けと言われている」と聞いた気がする。


 恐らく、これと同じものをジェルトローネも持っている。だから彼女からは雷の精霊の流れが感じられた。そしてきっと、これは呪いに関わる品でもあるはずだ。でなければ、常に身に着けるようになど指示しないだろう。


 エリーはネックレスを手にしたまま、ドアに手を押し当てた。


 するとドアの中に雷の精霊が生まれるのを感じる。更に、強い力ではないものの、ネックレスの石がドアに吸い寄せられている。吸い寄せられる先は、ドアノブからそう遠くない位置だ。ネックレスを近づけると、雷の精霊の流れが活発になった。


「どう?」


「うーん……なんか、雷の流れがあるみたい……ドアの中に何か埋まってるのかな?」


 エリーがドアに引っ付いたまま返すと、隣でノクスが腕を組んだ。


「ネックレスの石については昔調べたことがあるんだけど、磁石と呼ばれるものらしい。同じ磁石と近づけると、引き合ったり反発したりすると。もしかしたら、ドアの中にも磁石が埋め込まれているのかもね」


 ノクスの説明は、エリーの手の中で起きている現象そのものだ。エリーはネックレスから生まれる雷の精霊の流れを指でつまむようにして、ドアに流れ込む形を変えた。細長く一直線になった精霊の流れを様々な向きから試す。まるで鍵穴に鍵を差し込む向きを探るように、何度も。


 試行を繰り返すうち、エリーは一つの事実に気が付いた。


 ──これ、精霊を流し込む向きを変えると、ネックレスを引き付ける向きも変わる。


 精霊の流れの方向が変わると、ネックレスは引き付けられたり、逆に反発したりするのだ。


 もしかしたら、この力の向きを操ることで、ドアの中の磁石に作用し、それによってドアが開くのかもしれない。


 エリーは必死になって精霊の向きを調整した。流し込む角度をほんの少しずつ変えては試してを繰り返す。ネックレスがひきつけられてふるふると震える、その小さな動きに指先の神経を集中させる。ノクスはすぐそばに立って、急かすでもなくエリーをじっと見つめていた。


 何かが、ドアの中でごとりと動いた。


 その瞬間、雷の精霊の流れがわっと生まれる。ドアが開いた時の動きだ。エリーははっとドアノブに飛びついた。


 ドアノブが回る。ドアは何に阻まれることもなく、すんなりと開いてエリーを中へ誘った。


「開いた……」


「流石だ、エリー!」


 呆然としたエリーの肩にノクスが触れる。振り向いた彼の笑顔は誇らしげで、その顔を見た瞬間にエリーの胸にも遅れて喜びがこみ上げた。


「えへへ、ノクスのネックレスがあったからだよ。エリーだけだったらここは開かなかったと思う。ありがとう」


「魔法が使えない僕一人でも、どうにもならなかっただろう。君の力だよ」


「じゃあ、やっぱり二人でいたからだね」


 エリーは指を二本立ててピースサインを作る。満面の笑みでそれをノクスに向けると、彼は感じ入った表情で頷いた。


「それでも、君はすごい。複雑な魔法を扱えるようになるためには、様々な研鑽が必要と聞く。誰に弟子入りするでもなく、その歳で魔女の魔法を扱えるのは君の才能だ」


「エリーはただ、適当に何度も試しただけだよ……って、今はもういいから! はやく呪いの資料探そう!」


 二人は喜びを噛み締めるのもほどほどに、部屋の中へ滑り込んだ。ジェルトローネは外にいるとはいえ、のんびりしている時間はない。


 ジェルトローネの居室は、カーテンが閉められており薄暗い。掃除もほとんどしなくていいと言われているため、エリーもまだ一度しか入ったことはない。巨大な本棚が壁に所せましと並べられており、厚さも色もとりどりな本がみっしりと詰まっていた。部屋の奥には巨大な机と椅子が置かれており、その上には書類と本が山積みになって今にも崩れそうなバランスを保っている。本棚にはうっすらと埃が積もっており、まさしく魔女の居室としてふさわしい古めかしさを感じさせた。最新鋭のキッチンなどとはほど遠い環境である。


 ノクスはなにやら窓を弄っている。開けようとしているのか、鍵をがたがたと揺らす。何をしているのか気にはなったが、それよりも先に資料を探さなければ。


 エリーは机の上の山に手を出し、手分けをして呪いに関する資料を探し始めた。遅れてノクスもやってきて資料を掴む。


 ジェルトローネは整理整頓に精を出す人間ではないようで、資料は新旧を問わず乱雑に積みあがっていた。一番上には、今開発中らしい新たな機械の図案があった。これらの資料も、他の魔法使いであれば垂涎の品であろうが、エリーには関わりのない話だ。呪いに関係のない資料は全て脇に避けた。


 そうして複雑な図案と計算式がびっしりと書き込まれた紙を捌いている中で、一枚余白の目立つ紙を見つけた。興味を惹かれて、その紙を引き抜いてみる。


『ルドラの実の特性』と題がつけられたその紙には、小さなイラストが載せられている。そこに描かれていたのは、見覚えのある小さな赤い木の実だ。


「これ、エリーがピゴの実と間違えたやつ?」


 エリーがぼそりと呟くと、資料を漁っていたノクスが顔を上げた。歩み寄ってきて、エリーの手元を覗き込む。それから彼は息を呑んだ。


「これは、僕が飲まされた盃に入っていたものかもしれない」


「え?」


「魔女と取引をする時、彼女は盃を差し出した。赤黒い、木の実が潰れたような汁が入っていたんだ。これに似ていたような気がする」


 ノクスの声を聞きながら、資料の先に目を通す。エリーの直感が、この資料をあたりだと告げていた。


『ルドラの実は、加熱することで毒性が増す。人体に大きな影響がある毒ではないが、消化されると血管から毒素が体に周り、全身に行きわたる。毒素は体に滞留し、大量に血液を喪失でもしない限り排出されない。

 毒素は電気刺激によって活性化する。毒素の滞留している部位へ痛み、痺れをもたらす。死に至ることはないが、大きな苦痛であることは間違いない』


「これ、ジェルトローネも言ってた! 庭に生えてたのはルドラの実なんだ!」


 エリーが声を上げると、隣で資料を読んでいたノクスも頷く。


「これが、呪いの正体か」


 ジェルトローネは、ルドラの実を煮詰めて毒性の強まったものをノクスに飲ませた。その毒はノクスの体を周り、心臓近くに落ち着くことになった。


 その上で、ノクスに磁石のネックレスを渡す。ジェルトローネが自ら雷の精霊を流しているのか、それともネックレスが勝手に何かと反応して電気を帯びるのかは分からないが、ともかくネックレスを起点に電気刺激が発生することで、呪いの発作が起きる。


「じゃあ、呪いは魔法でもなんでもなくて、ただの毒だったってこと?」


「まあ、魔法も一部絡んではいるだろうけれど」


 ノクスが唇を噛み締める。自分を長年苦しめてきた呪いの実態を知り、複雑な気分なのだろう。エリーはかける言葉がうまく見つからず、代わりに資料の続きを探した。


「この毒をどうにかする方法とか、ないかな? 呪いじゃないなら、なんとかする方法も……」


「ないわ」


 ドアが軋みながら開く音が、絶望的に大きく響き渡る。


 素早くドアを振り返ったつもりだったが、動きは妙にゆっくりだった。振り向きたくないという拒絶の気持ちが、そうさせたのだろうか。一足早く顔を上げたノクスが、悔しげに顔を歪めているのが先に目に入った。


 エリーが振り向いた先のドアは開いていた。そこには黒い衣をゆったりと身に纏う、ジェルトローネの姿があった。


 彼女はうっとりと笑ってノクスを見つめた。


「まあ、まあ。数日ぶりね、ノクス。何か御用?」


 ノクスは返事をしない。黙っていると、彼女は残念そうに頬に手を当ててため息をついた。


 そして、空いた片手をふっと振りかざす。


 ドア近くに留まっていた雷の精霊が、ふわりと風に乗ったような軽さでこちらへ流れてくる。エリーが呆然としていると、後ろでノクスが呻く声が聞こえた。


「ノクス!」


 見れば、彼は胸元をきつく押さえて蹲っている。白い額に汗が浮かんで、苦悶の表情を浮かべていた。雷の精霊がノクスにまとわりついている。呪いの発作だ。


 エリーはすぐに駆け寄って雷の精霊を振り払った。するとまもなくノクスの呼吸が緩む。げほげほと咳き込んだノクスの背を撫でながら、エリーはキッとジェルトローネを睨んだ。


「やめて! ひどいことしないで!」


「勝手に主の部屋に入るのだってひどいことよ。私、あなたを信じていたのに」


 ジェルトローネは心底悲しそうに告げた。悲劇の乙女を気取り、涙など浮いていない目元を軽く拭う。


「な、なんで戻ってきたの? 外の花の手入れをしてるはずじゃ……」


「さっき、割れた窓を見た時、何かおかしいって思ったのよ。あなたは室内にいて、ほうきで窓を割ったように見せていたけれど……窓ガラスの破片は外ではなく室内に散らばっていた。あなたの言う通りだったのなら、破片は外にあるはずでしょう?」


 なるほど、さっきの段階ですでに疑われていたのだ。そしてエリーが動くことを見越して、こうして早々に引き上げてきた。それに見事にひっかかってしまったのだ。エリーは臍を噛んだ。


 だがいつまでも悔やんでいても仕方ない。エリーはノクスの容体が落ち着く時間を稼ぐために魔女に問いかけた。


「どうして毒なんて飲ませたの? 呪いなんてかけなくても、一緒にサーカスを作っていけばよかったのに。こんな首輪なんてなくても、ノクスは……」


「首輪がある今でさえ、私を裏切ってあなたを選ぼうとしたのに?」


 ジェルトローネの冷たい声が一閃した。エリーが言葉の続きを失うと、彼女は冷たい笑顔を浮かべたままこちらをひたと見据えていた。


「誰だってそうよ。誰も私を選ばない。どれだけ私が優れた魔法使いでも、最後には私から離れていく。誰も私の元には残らない。私は一人。私は孤独。だから首輪をつけた。屈服させて傅かせれば、私から離れることはできない。私を一人にはしない。私と作った世界のために、ノクスはここにいてくれるわ」


 ジェルトローネは壮絶な笑みをたたえて、細い指先を差し出した。鈴を転がしたような可憐な声が、機嫌を取るようにノクスに向けられた。


「ね、ノクス。あなたも一緒よ。弱くて、寂しくて、一人は耐えられない人。それなら私といるわよね。苦しいのは嫌よね。サーカスを続けたいわよね。そのためには、私がいないと駄目よね?」


 それは彼女にとってほとんど断定だ。ノクスはそうであると、これまでの時間が彼女にそれを確信させている。だから、ノクスが頷くだろうことを彼女は「知っている」。


 問われたノクスはまだ心臓を押さえている。呼吸は正常に戻っているが、痺れの余韻がまだあるのだろうか。エリーが顔を覗き込むと、彼はそれを手で制して立ち上がった。


「その通りだ。僕は弱く、一人では何もできない。自分自身を人質にされて、隣にいる人の手を何度も離してきた」


「知っているわ。あなたはいつもそうだもの」


「うん。でも」


 ノクスはエリーの手を強く握った。一度視線をエリーに向けて、顔を青ざめさせながら、それでも彼は笑った。


「彼女の手は離さない。僕がサーカスに誘って、彼女は頷いた。だから、これからも僕らは一緒にいる」


 ジェルトローネの笑顔がぴしりと固まった。笑った唇の端が震えて歪み始め、彼女の宵闇のような瞳が吊り上がった。


「世界を作るのは私とノクスだけで十分よ!」


 ジェルトローネがばっと手をかざした瞬間、ノクスはエリーの手を引いたまま彼女に向かって駆けた。何を、と驚いた瞬間、ノクスの手元で何かが光る。


 ──糸だ。かつてサーカスの演目として、客席の上から飛び降りるのに使った細い糸を、彼はしっかりと掴んでいた。走りながらそれをぐん、と引く。


 それに連動して、背後で窓が勢いよく開く音がした。


 内開きの窓が開け放たれると、外から風が吹き込んでくる。力強い風がカーテンをめくりあげて、机の上に散乱した資料を巻き上げた。室内に書類が舞い上がり、ジェルトローネの視界を遮った。


 その一瞬の気の乱れが、魔法の発動には命取りとなる。精霊の流れを作ろうとしたジェルトローネの指先が、顔を覆い隠す。その隙を突いて、ノクスは彼女を押しのけて部屋から飛び出した。エリーはそれに引きずられて、一緒になって廊下へ転がり出る。背後からは、絶叫に似た引き攣れた声がノクスを呼び止めていた。


「な、なんで窓が!」


「さっき、少しだけ細工をしておいたのさ。流石に仕込みなしじゃ窓からは降りられないけれど、時間稼ぎくらいならできるかと思って」


 ノクスは走りながら答える。エリーはそれに相槌を打つ余裕もなく、走りながら頷いた。


 階段に駆けこもうとすると、背後で轟音と共に屋敷が揺れる。思わず振り返れば、ジェルトローネの居室のドアが吹き飛んでいた。原理は不明だが、魔法でドアを破壊したらしい。ジェルトローネの怒り狂う様子が手に取るように分かる。


 エリーは逃走経路を脳内で検索し、叫んだ。


「下の階の……窓が割れてる部屋から外に!」


 ノクスのネックレスは念のためまだ持っているが、これで玄関のドアを開けるのは時間がかかりすぎる。ノクスもそれに同意して、手を繋いだまま階段を駆け降りていく。


「待ちなさいッ!」


 ジェルトローネの叫びが追いかけてくる。エリーたちは辛くも一階にたどり着き、ノクスが侵入してきた部屋へ戻った。


 割れた窓ガラスは放置されている。まずは体の小さなエリーが外へ出て、後からノクスも体を縮めて割れ目を通過する。そうして二人は魔女の屋敷から脱出した。


 だがこれで終わりではない。ジェルトローネはきっとこれだけで諦めはしないだろう。生垣を超えて街の通りへ出て走りながら、二人は言葉を交わした。


「屋敷からは出られたけど、これからどうする? 魔女は執念深い、きっと追ってくる」


 エリーは一瞬考え込んでから、はっと顔を上げた。


「ハーグァへ……サーカスへ戻ろうよ」


「でも、魔女を連れて戻るわけには……今は公演期間中だ。みんなの気を余計に散らすことはしたくない」


 サーカスの団員たちと魔女が関わることを、ノクスは良しとしたくないらしい。それはやはり、彼女が出資者だからか。それを知った時の団員の反応を恐れて今まで黙っていたのだろうか。


 ──でも、みんなはそんなこと気にしないと思うけどな。


 エリーは渋るノクスの手を強く引く。


「ノクス。みんなを信じてみようよ」


 ノクスは眉をひそめた。疑心暗鬼といった彼を安心させるべく、エリーは状況にそぐわぬ笑顔を浮かべた。


「出資者が魔女だって分かったら、みんな嫌がるかもしれないけど……でも、サーカスを辞めたりしないよ。みんなノクスが大好きで、サーカスが大好きだもん。きっと助けてくれるよ」


「そう、かな」


「そうだよ!」


 エリーが自信を持って頷くと、ノクスは顔色を悪くしながらもその提案を了承した。


「……分かった。サーカスへ戻ろう。みんなに、助けてもらおう」


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