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愉快彩夢世界-ユカイロドリームワールド-  作者: 天木蘭
事故物件と壊し屋さん
8/12

青い牧と背後霊

「俺と頼人は、白い女を見たんすよ! 間違いないですか!?」

「その白い女ってどんな感じだったよ」

「えっと……」


家に入ってすぐに見た白い幽霊を思い返す。全体的に白くて、ボヤけた感じだったけど。


「髪は長くて、フワフワしてました。服はワンピースみたいな、ヒラヒラした感じです」

「じゃあ別人だなぁ。ここにいたのは、彼氏に振られたショックで注意散漫になってたら、階段で足を踏み外して死んだ可哀想な女だよ。とりあえず、彼氏は俺と同じ大学みたいだから、物申すつもりだけどな」


これは、どうなんだ? 俺たちが見た幽霊とは別なのか、クロカヤさんが嘘つきなのか。


「ここにいた霊って、ここに住んでいた人じゃないんですね」


迷っていると、頼人から質問が出る。俺もそこが気になってた。


「そうなるな。ここにいた幽霊がいつからいたのかはわからんけど、大学で彼氏の名前を調べればわかるか。まあ、その辺りは俺と依頼主でやっとく。アフターケアもバッチリな」


という事は、ここもいずれは、心霊スポットではなくなるってわけだ。本当かどうかは、今後のこの家次第でわかる。


「まあ、君達は大人しく帰りな。あ、酒は飲んでないよな? 俺も運転手だから飲めないし、ノンアルコール飲料もあったはずだけど」

「大丈夫です。飲んでません」

「なら良しだ。補導されん内に帰れな」

「あ、はい。そうします」


なんというか、クロカヤさんが自然な感じだから、本当に除霊されたんだって信じても良い気がした。


そんで、幽霊がいないんじゃ、もうここにいる意味もない。大人しく帰るか。


「あー、それとだ、青牧くんよぉう」


片付けを手伝う為に背を向けたクロカヤさんが、顔だけを俺の方に向けていた。


「な、なんですか?」

「君、取り憑かれてるぜ」

「え?」


さっき感じた寒気って、もしかしてそのせい? っていうか、そうだ。そもそもここに来る原因になったのって、ペンケースが勝手に落ちたからじゃん!


「まあ、無害そうだから安心して良い」

「いやでも、俺のペンケース落としたのソイツかもしれません!」

「ペンケースぅ? ……なんか、伝えたい事でもあんのかね。ダーイジョウブ。怪我はしないさあ」


クロカヤさんは、ヒラヒラと手を振って離れていった。……本当は、お酒がないと除霊が出来ないとかじゃないよな。エキストラさんも帰ってるし。


「晴斗、帰ろう。もう良くない? バズりそうな動画は撮れたし」

「お前の目的はそうだったな。……そうだな。帰るか」


クロカヤさんが話してくれないなら、いよいよやる事もない。俺たちは、黒い家から出て行く事にした。


怖かったというよりも、楽しかったみたいな、よくわからない不思議な感じだったな。


だけど、こういう普通じゃない出会いがあるのも、なんとなく青春ぽい気はした。



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