最怖の心霊スポット
「なあ最近ウワサになってる最怖スポットの話知ってるか?」
「ん?コンビニのある交差点そばの鉄塔の事?」
「いやそこじゃなくて林のそばにあるマンションの一室」
「聞いた事ないなー」
「何でもある人が引っ越してきてからその人の部屋がとんでもなく恐ろしい部屋になったそうだ」
「よくありそうな話だけどそんなに怖いの?」
「なんか変な気配がするので様子を見に行った連中がおかしくなったりとか行方不明になってるそうだ」
「そういや3日程前に捨吉じいさんが行方不明になってたけど関係あるの?」
「噂を聞いてそこに行くと言ってたじいさんの友人が戻ってこなかったらしくて、じいさんも夜にこっそり様子を見に行ったそうだがやっぱり戻ってきてないそうで…」
「うわーそれは怖いね」
「今晩ちょっと見に行ってみないか?」
「えー!?なんかあったら怖いよ」
「なーにちょっと見てくるだけだよ。それに原因はっきりさせたら仲間に自慢できるぜ」
その晩二人は噂の部屋へと向かった。
他の住人とすれ違ったがまるで見えていないかのように二人を無視して歩いて行った。
コンビニに買い物に行くところだったらしい。
「なんかやな感じだねー、まるで私たちが見えてないみたいで…」
「まあいいじゃないか。下手に騒がれるよりはいいよ」
「そうだね。例の部屋ってどこ?」
「409号室らしい」
「4階かーちょっと大変だね」
そういいながら二人は例の部屋の前に来た。
「うわー、なんかすごい妙な気配がするぞ」
「怖いとかそういう単純なのじゃなくて何とも言いづらい感じだよね…」
「よし覗いてみるか…」
そうして二人は部屋を覗いたが…
「うわあああああああああぁあぁぁああああ!」
叫びながら二人は何か恐ろしい物を見たような表情で闇へと消えていった…
その409号室の住人はまたかというような様子でつぶやいた。
「この部屋に引っ越してきてからというものの、しょっちゅう幽霊が出る。今日は男と女の二人連れだったな。
5日前と3日前には爺さんの幽霊が出るし…もう40体は出てるんじゃないか?
そしてどいつもこいつも物珍しそうに部屋を覗いてくるが、俺を見るとものすごく怖がりながら逃げていきやがる。
事故物件なんじゃないかと思って大家に聞いてみたが今までそんな事は無かったし、住んでた住人も独身の若者ばかりで死んだ人はいないって言ってたな…
それにしても俺の何がそんなに怖いんだろう。
子供の頃に自称霊能者の人がそんな珍しい霊気を持ってる人は初めて見た、きっと一生霊障には困らないだろうって言ってたけど、この部屋に来てからは幽霊出っぱなしじゃないか」
どちらかと言うと優しい顔をしている男は鏡を見ながら首をかしげていた。
…とあるマンションの409号室。
どういう因果なのかは全く不明だが、その住人が引っ越してくるとその部屋は幽霊が怖がる最怖スポットになってしまい、地元の幽霊の間では知らない者がいないほどになった。
そして住人が引っ越すまでずっとその恐怖のウワサは語り続けられた。