表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私は私 ~陽と陰~  作者: 鈴星
1/3

怪しいあいつ

第1話

小さい頃から夢と現実の世界を行き来している。今となってはどっちが夢で、どっちが現実かわからないけれど。それが普通だと思っていた。みんながみんな同じだと思っていた。だって夢も現実も同じ登場人物で同じことを繰り返しているだけだから。当たり前のこと、当然のこと、普通のこと。私だけが特別なんて考えたことがない。あいつと出会うまでは…。


「転校生を紹介する。」

「えっこんな時期に?」

教室がざわめく。

「入っておいで。」

教室が一瞬にして静まる。

見たこともないほどのイケメンがそこにいた。彼は教室をサッと見渡して私を見てフリーズする。でもそれは私の見間違いか、直ぐに目を逸らし冷たい笑顔になった。休み時間、彼は女の子たちに囲まれ、私なんかは近付くことさえ出来ない。これから先もそうだろうと簡単に想像出来た。いつもと同じ日常が過ぎていく。


「お前はどっちのお前だ?」

帰り道に突然声を掛けられた。振り向くとイケメン転校生。名前は確か、何とか周斗。苗字なんだっけ?それよりもどっちのお前ってどういう意味?混乱して言葉が出てこない。彼は答えを促すように

こちらを睨みつける。

「どっちの?って?」

「だから、陽の世界と陰の世界だ。」

「?」

「陽の世界と陰の世界。」

「?」

「まさか?」

「陽の世界と陰の世界って何?」

「お前、本当に知らないのか?」

「だから、何が?」

的を得ない質問に声を荒らげる。

彼は信じられないという顔をして去って行こうとする。

「ちょっと待ってよ。大道くん。」

自然に名前を呼んでる自分に焦る。どういうこと?何故彼の名前を普通に呼んでるの?さっきまで興味が無くて名前を覚えていなかったのに。彼は立ち止まって、付いてこいとでもいうように指で合図をした。私は心の中に危険だよという警鐘を鳴らしながら彼の後を追った。彼は私の前を振り返りもせずに黙々と歩いて行く。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ