女錬金術師の秘密
男の娘勇者ラメ君と3人のおっさん達は、やけにほくほく顔のおっさん達をラメ君が不思議そうに見つめながら旅を順調に続けていました。
森を抜けると、錬金術の街アルケミへと辿りつきました。
マスキュラー
「ポーション、買っておこうぜ!」
ポーションを買っておくとはさすがマスキュラーさん。ベテランですね。
ラメ達は錬金術師の家につきました。
この街は錬金術師の家なんていっぱいありますから、マスキュラーさんが適当に選んでます。
もぞもぞした女錬金術師ローネ
「あ、お客さん…いらっしゃいませ…」
出迎えてくれたのはローネさん。
眼鏡をかけた物腰柔な女性です。
ホイ
「…」
ローネ
「え?」
ホイは話すのが早すぎて常人には聞き取れません。
ラメ
「ポーションを売って欲しいって言ってますー」
ローネ
「…!」
ローネはラメ君に気付いて驚愕の表情をしました。
ローネ
「ポーションですね…少々お待ちを…」
しかしここはさすがプロ。
お客さんがどんなに可愛い男の娘だって、きちんと仕事をしてくれますね。
えらいえらい。
しかし、少々お待ちをと言ったローネさんは一向に立ち上がりません。
ラメ
「どうしたんですー?」
ローネ
「…!!も、もう少し待っててくださいね?」
マスキュラー
「あそこの棚にあるじゃねぇか。すぐ取れるんじゃないのか?」
ローネ
「だから少々お待ちを…」
ゴリ松
「何か立てない理由でもあるのか、手を貸すぞ」
ローネ
「そ、そういう訳では…」
ラメ
「僕も何かお手伝いしましょうかー?」
ラメはローネの手を取った。
ローネ
「ひっ!?」
ローネはその手をすぐに払い除けた。
すぐにおっさん達が殺気を放つ。
マスキュラー
「おいおい…ねーちゃん。うちの勇者様に何てことを…!」
ゴリ松
「立てない理由があるならさっさと言え!」
すごむおっさん達に押されるローネ。
ローネ
「わ…わかりました。立てない訳をお話しします…」
ラメ
「うん、聞かせて」
ローネ
「私、別に立てない訳じゃないんですけど…。もうたってるって言うか…。たってるからたてないっていうか」
おっさん達
「…あ」
錬金術の街で研究している事。
それは性を超えた命の誕生。
ローネもそのうちの1人だったようで、ラメと3人のおっさん達はその日、己の小ささを嘆いた。