ハチロクとハチクロ
中学生のころのできごと。
ぼく「ハチロクめちゃくちゃ好きで漫画も読んでるんだ」
漫画好きの女子「え、そうなの?」
ぼく「背景のタッチとか躍動感があるんだよね」
女子「○○がそういうの好きとか意外なんだけど」
ぼく「そんなに意外かな」
女子「アニメ見てるなら分かるけど漫画も読んでるとか趣味いいじゃん」
ぼく「うん。アニメも見てるよ」
女子「マジ⁉️アニメの絵もかわいいよね」
ぼく「かわいい?どちらかというとかっこいいじゃない?ぼくはCGのところとかすごいなーって思って見てる。あとユーロビートもかっこいいよね」
女子「あれ、CGのシーンあったっけ?ユーロビート?」
ぼく「毎回あるよ。あれ見てるとぼくもあんな風にハチロク動かしたいって思う」
女子「動かす?なんかさ、さっきからおかしなこと言ってない?」
ぼく「おかしい?ぼくはAE86スプリンタートレノの話してるんだけど」
女子「すぷりんたーとれの?何それ?私ははぐみの話かと思ったんだけど」
ぼく「はぐみ?何それ?」
女子「ハチクロの女の子だよ‼️」
ぼく「わかんないって!ぽくはハチクロじゃなくてハチロクの話をしてるの!」
女子「あっ」
ぼく「えっ、なに?」
女子「どうりで話が噛み合わないわけだわ。あなたはハチロクの話をしていて私はそれをハチクロと聞き間違えて会話してたのね」
ぼく「えーっとつまり、そういう名前の漫画があるってこと?」
女子「そうそう。おかしいと思ったんだ。○○がハチクロ読んでるの全然想像できないからさ」
ぼく「ああ、うん。確かに」
女子「いい機会だから原作貸してあげようか?選択授業で短編書いてるんでしょ。何か新しい発見があるかもよ」
ぼく「ありがとう。でも遠慮しとくよ」
女子「なんで?すごく面白いのに」
ぼく「さっき言ってたでしょ。ぼくがそういうの読むの想像できないって。自分でもそう思うんだ」
女子「確かにそうだけど新しい何かがみつかるかもよ」
ぼく「そうかな。じゃ、今度読ませてもらおうかな。ぼく、少女漫画読んだことないからちょっぴり恥ずかしいけど」
女子「じゃあさ、◯◯が読んでるハチロクの漫画も貸してよ。私も新しい発見があるかもしれないし」
ぼく「いいけど、専門用語とか多くてつまんないかもしれないよ」
女子「いいの。そういうのが刺激になるんだから」
ぼく「それじゃそういうことで。また明日」
そっくりな名前の漫画のおかげで初めて女子とまともに話せた、良い思い出です。
実際に貸しっこしたのかは読書の皆様のご想像におまかせします。