暇旅人リュグス・ユース～元勇者はやることがない～

人間、魔法使い、エルフ、ドワーフ、巨人、小人、そして、獣人――。

一つに集いし各種族の豪傑は、魔族の脅威から世界を救った。

人々は彼らを＜勇者七剣＞と称えた――。

４年後――。

１００年以上続いた大魔王統治時代が明け、世界は混乱の渦の中にいた。

大魔王という共通の敵を失った者たちは、新たな目的に向け動き出そうとしていた。

グラン大陸の次なる覇者は誰か――。

これは、大魔王時代の終焉から、種族間大戦争が勃発するまでの数年間の物語である。

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勇者七剣の一人、獣人で竜人のリュグス・ユースは暇を持て余していた。

宝があれば探しに行くし、依頼があれば魔物を倒す。

金があれば女を抱くし、友に会えば酒をかわす。

そんな日常。
退屈な日常。

「こんなことなら、大魔王なんて倒すんじゃなかった」

魔王討伐後のことを全く考えていなかったリュグスの、当てのない旅は続く――。