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幼女店長の異世界リサイクルショップ~雑魚スキルで店長に!?~

作者: りんご餅




私には、前世の記憶がある。


____私は、前世で香川かがわ 深雪みゆきという名前があった。

両親にも友達にも恵まれ、楽しかった前世。


しかし、一日十時間勉強して、やっと受かった高校の入学式に行く途中。


_____植木鉢が落ちてきて、死んだ。


『どうして!?どうして私、死ぬの?こんな…………こんなことってないよ!!!』


体が透けた私が、泣きながらそう言ったのを今でも鮮明に覚えている。


そう言ってからは、記憶がない。


気付いたら小さな子供の姿になっていた。


しかも、3歳の。


ここで私は

『異世界転生!?もしかして私の好きな乙女ゲー!?』

『だとしたら悪役令嬢!?ヒロイン!?王子様!?モブ!?』

とウハウハになったわけだが______。



悪役令嬢でもヒロインでもない。


____そして、こんな世界は知らない。


つまり、乙女ゲームの世界でも無いのだ。


しかし、ここでガッカリする私ではない。


そう、伊達に『いい?楽しくポジティブに考えなさい。そうすれば楽しくなるわ』と育てられた私ではない。



______知らない世界で、私が誰なのかもわからない。



しかし、転生したと気付いた時にいろいろ試したり調べた結果。




____ここは、前世でいうファンタジーの世界だ。


魔物もいる。

精霊もいる。

妖精もいる。


____さて、私はどんなチートを持ったのかな?


そう思ったが…………。


ステータスウィンドウは開かない。

スキルは現在持ってないと言われた。

見た目は平凡。


あ、でも平民の中では珍しい、黒髪黒目だ。前世の影響かなぁ?


____モブ!?モブなの!?


そう、私はモブキャラのようで、チート能力無しで生まれてきた。


貴族の制度はないらしく、王族でもない。


ただの平民。(しかし前世でいう普通の暮らしだ。)


私の名前も、もちろん平凡。


あぁ、どうせなら『イビルチェスノ』とか『ヴィクトリア』みたいな悪役令嬢みたいな名前が良かったな。


私の名前は、ノエル。


平民なので名字は無い。


うん…………名前からしてモブ。


悪役令嬢じゃないならヒロインぽく『アリア』とかにしてくれればいいのに。


何よ、前世で可哀想だったから転生させてくれたんじゃないの?


神様に『ごめん間違えて転生させちゃった』って言われるオチ?。







「ノエルちゃん、お勉強の時間よ~」


この人はアナ先生。


『スキルが欲しいチートじゃなきゃイヤ~!!』

と泣いていたら、両親が『スキルが欲しい』だけ理解したようで、スキル取得の先生を読んでくれた。



「あなちぇんちぇー。こんにちわでちゅ。」


アナ先生。こんにちはです、と言おうとしたのに。ううぅ…………。3歳だから舌がまわらない。


「はいこんにちは、ノエルちゃん。挨拶できて偉いわね~!」


「ちょんなことないでしゅ。」




「ふふ、さぁ今日も頑張りましょうね~!」


あーいはーい!!」


そう返事をすると、アナ先生は、前世の持ってきたかばん(前世で言うとリュック)から一冊の本を取り出した。


「ノエルちゃん、基本スキルね~。①から⑳の中でどれがすきー?」


「んーちょ…………きゅーでお願いしましゅ。」


「⑨はね~、『基本解析』のスキルだったわ~。じゃあ、ノエルちゃん、とりあえず、金属、木材、プラスチックの中でこれはどれか当ててみましょうか~!」


ーいっ!!」






















……………………。


「次は何番かしら?」


「えっちょね、さんばんっ!!」


「③は~、『超解析』ね~!」


「がんばゆ!!!」





…………………………。


「⑳やってみよっか!!」


「あーいっ!!」


「⑳はね、『分別』っていう珍しいけど簡単なスキルなんだ~!」


「ちょうなんだ!!!」









………………………………。


「んっちょね、次はね、じゅーご!!」


「わかったわ~。⑮はね、『再生』っていうスキルよ~!」


「ちゃいせー!!!」


「そうそう、さ、い、せ、い!!」


























こんな風にして、


私は1ヶ月で基本スキルを全て取得。

そして、何故か『生活に必要ないから皆持ってない…………珍しいけど使わないスキル』がレベルMAXになってしまった。


おい!!なんなのあの先生!!!

普通のスキル教えるの嫌だったわけ!?



心のなかでツッコミながら道を歩く。



「………………なのよね。どうしましょう?」


ん?なんか事件の予感!!!


もしかして私…………名探偵適正とかある!?


そう思って近づくと、近所のおばさ……お姉さんとお兄さんがいた。


「どーちちゃの?」


「あらノエルちゃん。実はね、このテーブルが買ったばっかりなんだけど、大きすぎて家に入らなくて~。」


「ちょっかぁ…………。」


そう言い終わったところで気付いた。


(ん???昨日家でママさん『机が小さすぎて~』って言ってなかった??)


「ねーね、おねえさん。」


「ん?なぁに?」


「ちょのつくえ、ノエルがかう!!」


「へ!?」


「いくらで売ってくりぇりゅ?」


「ええと…………30ゴールドで買ったから、20ゴールドでどうかしら?」


「かったー!!」


今、お財布に100ゴールドある。


大丈夫、ママさんからお小遣いもらってるから!


「でも大丈夫なの?持っていける?」


「だいじょーぶでちゅ。あいてむぼっくしゅのしゅきるがあるから。」

通訳:大丈夫です。アイテムボックスのスキルがあるから。


「あら、そうなのね。」


「そいでね、ノエルが小さめのテーブルもってくりゅから、まってて!!」


「わかったわ?」


「あーいっ!!」


そう言って走り出す。


うぅ、小さいと走りずらい。


あ、そうそう。私は前世での記憶があるから走るのも歩くのも3歳になったころにはマスターしてました♪


こういうところだけ、いいよね。


そう考えていたとき。



べちゃっ!!!!!



と音をたてて、転んでしまった。



石につまづいて。


いたい…………。


膝も痛いし頭も痛い。血も出てる。


でも、とりあえず走る。


頑張らなきゃ。約束したんだもん!!!


































家についたのは、十分後。



「ママしゃんっ!!!」


「ノエルちゃん!?」


「えっとねぇ、かくかくじかじかで………………。」


「なるほどねって言いたいところだけど、怪我大変よ!?」


「でも、おねーさんとやくちょくしたかりゃ。」

通訳:でも、お姉さんも約束したから。


「ノエル………………。お母さん、聖魔法が使えるって知ってた?」


「ふぇ?」


「汝の傷を癒したまえ。治癒ヒール!!」


「わぁ!!いちゃくない!!」


訳:わぁ!痛くない!!



いや、ママさん凄くね???


この世界での聖魔法の使い手は国に三人ほどしか居ない。


そんな聖魔法の使い手は、聖魔法が使えるというだけで王族と結婚することもできる高位貴族だ。



え、いや、うちのママさん凄くね。



「ママしゃん、ありがちょ!!」


「アイテムボックススキルはママも持ってるから、一緒に行こっか。」


いっ!!」


「じゃあノエルちゃん、だっこするよ~。」


「だっこー!!!」


うん。うちのママさんはないすばでーナイスバディだから、だっこされるの好き~。


前世では15歳までしか生きられなかったからね。


これからはのんびり生きてやる!!!




























そこから三分後。


「ノクターヌさん!!」


「はい!?」


「ノエルがこの机をノクターヌさんにあげろ、と言っておりまして。」


「あらノエルちゃん、いくらで買わせてくれるの?」


「んーちょね、20ゴールドくりゃい?」


「安すぎないかしら?」


んーんううんこえこれ中古品らもんだもん。」


「あらあら………………それでも、30ゴールドは払うわ。」


「まいありー!!」


「ノエル、うちの机はどうしましょう?」


「このちゅくえ、ノクターヌさんから買った!!」


「あ、そうそうノエルちゃん。」


「?」


「その机、少し欠けてるところがあるのよ。」


だいじょーぶでちだいじょうぶです再生リーフ抗菌作用キラキラパワー。」


注))スキルはアナ先生がフリガナを適当につけました。


スキルは読み仮名が違っても、とりあえず使えるらしい。

アナ先生やめて、と言わせない圧があったのだ。


しょうがない。


ちゃらに、掃除フキフキ可愛くなぁれ♡メイク。」


「わぁ!!新品みたいね!!!」


「凄いわぁノエルちゃん!」


「えへへ~。」


























その日から、近所のおば……お姉さん達から

「ノエルちゃん、こういうものってある?」

「ノエルちゃん、これ要らないんだけど貰ってくれない?」

「これ全部でいくらくらいで買い取ってくれる?」

と言われるようになった。


私は次第に楽しくなっていった。


10歳の誕生日の時には、弟が居た。


その10歳の誕生日、『ノエルちゃんは大きくなったら何になる?』


と聞かれたとき、


『私は、リサイクルショップの店長さんになりたいです。』


と答えた。


近所のお姉さん達には、私が遺伝で幼い顔だからか、何歳になっても『ノエルちゃん店長』と呼ばれた。





そして、ノエルが大人になり、大きなリサイクルショップを立ちあげ、妖精と人間のハーフの男に一目惚れされ、一目惚れし、恋を育んでいくのは、また別のお話。












お付き合い頂きありがとうございました。


良ければブクマ、評価、コメント等お願い致します。

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