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「未千、何か買ってきたの?」
私が手に持っている袋を見ておばあちゃんが聞いてきた。
「あ、ロールケーキと焼き芋買ってきた」
「あら!ケーキはおじいちゃんが買いに行ってくれたのよ」
「え、ケーキまで!?おじいちゃんありがとう~」
「未千の好きなの食べたら良いよ」
おじいちゃんは優しくそう言った。
「はい、じゃあ未千、27歳のお誕生日おめでとう」
「おめでとう」
「ありがとう」
そう言って麦茶で乾杯した。
三人で食事するのはすごく久しぶりで、二人が嬉しそうに見えた。
「おばあちゃんの筑前煮久しぶりに食べた!
美味しい!」
「筑前煮はおじいちゃんも好きだからね
昨日食べたいって言ってたから沢山作ったのよ」
「へぇ~、おばあちゃんの料理で何が一番好き?」
おじいちゃんに聞いた。
「う~ん、これ」
おじいちゃんが筑前煮を指差した。
「だって!おじいちゃん大絶賛だよ」
「おばあちゃんの作るものは何でも美味しいのよ」
おばあちゃんは得意気にそう言った。
二人が可愛くて、いつまで経っても仲良しでいつかこんな夫婦をつくりたいなと思った。