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百怪  作者: アンミン
百怪・怪異、不可思議
96/300

96「高架下」【挿絵あり】


40代のデザイナーの方から聞いた話。


彼の住まいは都内で、小学校の頃に仲の良い友達がいて

よくお互いの家を行き来して遊んでいた。


ただ道中、高架下( ガード下)のトンネルを

通らねばならず、昼はともかく、暗くなったそこを

歩くのはとても嫌だったという。




「距離にして10mも無いはずなんですけどね。

 ただ、子供の頃は無性に怖くって」




ある日、また友人の家で遊んで遅くなってしまった

彼は、トンネルの前で悩んでいた。

抜け道なんてあるわけもないし……

と思って横を見ると、まだ舗装されていない

地面の上に、石板を置いた道があった。

どうやら高架下をくぐらなくても、向こうへ

行けるようだ。

見上げると、外灯も両端にしっかり立っている。


以来、暗くなるまで遊んだ時は、その道を通って

帰るようになった。


時は流れ、大人になった時に、彼はようやく

矛盾に気付いた。




「いや、だってねえ。

 どう考えたって高架下のトンネルをくぐらなきゃ、

 家に帰れないはずなんですよ。

 それに、あの辺りでまだ土のままの道路なんて、

 もう無かったはずですから」




思い出してみると、外灯も妙に古めかしいというか、

時代が違う感じがしたという。

調べてみると、昭和30年代の頃の外灯が、

一番記憶にピッタリ合ったそうだ。





挿絵(By みてみん)


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