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百怪  作者: アンミン
百怪・怪異、不可思議
81/300

81「洞窟」【挿絵あり】


あるボランティアのバザーに参加して頂いた、

主婦の方から聞いた話。


彼女の家は都内にあり、結構年季の入った

家だったそうで、狭いながら庭もあった。


彼女がまだ小学校低学年くらいの頃の事。

ある時、庭の中心に大きな穴が開いているのを

見つけた。

中はどうやら垂直ではなく斜めに段差が

付いているようで、不思議に思いつつも

その中へと入っていったという。


奥に進むと、彼女より1つか2つ年下と思われる

少年がいた。

彼は驚いた表情で彼女を見ていたが、やがて

口を開いた。




「お母さんが帰ってくる前に、帰って」




昔風の着物を着ていた記憶があり、顔立ちもどこか

古風な感じを受けたという。




「でもここ、あたしの家だよ?」




そう言うと少年は泣きそうな顔になり、

いじめてしまったと感じた彼女は、慌てて

彼をなぐさめるために言った。




「ゴメン。すぐに出ていくから」




来た道、といっても一本道でしかなく、穴の外へ出た。

出ると、昼間に入ったはずなのに空には星が浮かんで

いたという。




「あの後、こんな遅くまでどこに行ってたんだって

 両親に叱られて」




庭の穴の事を説明しようとしたが、その頃には穴は

影も形も無くなっていた。

その実家は、今でもそこにあるとの事だ。





挿絵(By みてみん)

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