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百怪  作者: アンミン
百怪・怪異、不可思議
74/300

74「連鎖」【挿絵あり】


釣りが好きな年配の知人から聞いた話。


基本的には海や川、湖など釣る場所は選ばないが、

その時は車である山中を走っていた。


ふと、開けたところに大きな池が目に入ってきた。

周囲に目をやると、雑草や木々が生い茂り、人があまり

入った様子の無い場所という感じがした。


魚の有無はわからないが、取り合えず釣糸を垂らしてみる

事にしたという。


練りエサを針につけて、水面のどこに落とそうか

迷っていると、トンボがその空中のエサに体当たり

するようにぶつかってきた。


多分、獲物と勘違いしたのだろうが―――

驚いて竿を降ろすような形になってしまい、

エサはそのままトンボごと水面にポチャン、

と落ちた。


何気なくそれを観察していると、急にトンボの姿が

エサごとバシャッと消えた。

よく見るとカエルがおり、どうも食べられたらしい。


TVなどでは捕食シーンを見かけるが、リアルで

見る機会はめったにない。

こんな事もあるんだなあ、と見続けていると、

カエルがトンボの羽を口から出したまま、

池の中心へ向かって泳いでいく。

どうもエサごと食べたようで、一緒に水面に浮いた

ウキもカエルの後を追った。


そのカエルに、長い影が向かっていった。

ヘビだった。

カエルはすぐに追いつかれ、ヘビに丸飲みに

されてしまった。




「そこまでくると、さすがにおかしいと感じたよ。

 何かが起きている、とね」




そのヘビはいきなり水中に没した。

何匹もの何か、魚だろうが、それらがヘビに

襲い掛かっていた。




「すぐに竿から糸を切って、車に戻ったよ」




それ以来、彼は人気の無い場所での釣りは

避けるようになったという。





挿絵(By みてみん)

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