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百怪  作者: アンミン
百怪・怪異、不可思議
71/300

71「因果」【挿絵あり】


一人暮らしを始めてもう10年になる知人の話。


彼の実家は猫を飼っていた。

というより、ペットは猫しかいなかった。

それは彼の生まれる前から、家を出るまで

変わらなかったという。


しかし、一人暮らしは当然アパートか

マンションになる。

ペットはたいてい飼う事は出来ない。

犬猫クラスになると、ごまかす事も不可能だ。




「でもねえ、不思議と家には何かいたんですよ」




ある時、道路脇の茂みに引き出しが

捨てられていた事があった。

木製のそれは、ヒマワリの種が大量に入っていて、

妙に目を引いたという。


何かと思って近付くと、動くものが見えた。




「ハムスターでした」




それは後で調べるとキンクマといわれる種類だと

わかった。

茂みの中にもう一匹いて、計2匹を結局家に連れて

帰った。




「引越しか何かの時に一緒に捨てたんでしょうけどね」




そのハムスターは2年ほどで他界してしまったが、

それから1年と経たずに今度は巣から落ちた

ムクドリを保護し、飼う事になった。




「その後はハトのヒナとか、小動物を拾う機会が

 ありましたね」




都内では、基本的に野鳥は捕まえる事は

禁止されているらしい。

しかし保護する分には構わないようで、

動物病院では治療費などは無料になったという。


ある時、ふと今まで拾ったペットの事を考えてみた。

ネズミ、小鳥、ヒナ……

彼には心当たりがあった。




「今まで、家の猫が捕まえた獲物?」




聞くと、彼はコクリとうなづいた。

それから少し困った顔をして、




「コウモリを捕まえてきた時もあったんですけど、

 どうしましょうか?

 僕、コウモリの飼い方なんて知らないんですけど」




その時はその時で、と答えると、今までに購入した

オリやエサ箱があるから、何とかなるかなあ、と彼は

頭をかいていた。






挿絵(By みてみん)

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