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百怪  作者: アンミン
百怪・怪異、不可思議
51/300

51「お披露目」【挿絵あり】


知り合いのお寺に来た、大学生から聞いた話。


冬のある時、彼は一羽のハトを拾った。

道端にうずくまっており、どこかケガでもしたのでは、

と動物病院へ運んだ。




「別にどこも何ともありません。

 ただ、いきなり寒くなったので

 びっくりしたのでしょう」




診てくれた獣医さんはそう言ったという。

当日は急激に寒くなった日で、その年一番の

冷え込みだった。

しかし、そんな理由で動けなくなっていいのかと、

半ば呆れながらハトを自宅へ連れ帰る事にした。




「まあ1週間もすると元気になったし、

 それで放してやったんですが」




それからしばらく後、彼が自室で寝ていると

ベランダから男女の声が聞こえてきた。


“ここだよ”

“でもどうして?”

“一応僕がお世話になった人だし”

“変な人ねえ”

等と話している。




「でも、僕の部屋というか住んでいた場所は

 マンション、それも10階で」




ただ、会話の内容からすると、こちらに害を

加えるような悪意は感じない。

彼は恐る恐るカーテンを開けると、そこにはつがいと

思われる2羽のハトがいた。




「2匹で僕の顔を見ていたんですが、

 すぐに同時に飛んでいってしまいました」




ちなみに、彼自身には恋人はおらず、

あれはお披露目だったのか自慢だったのか、

未だに判断に迷うそうである。





挿絵(By みてみん)

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