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百怪  作者: アンミン
百怪・怪異、不可思議
50/300

50「錯覚」【挿絵あり】



聞いた話。


ある30代のサラリーマンが仕事から自宅のある

アパートへ帰ってくると、部屋のソファーで見知らぬ

女性が、子供を抱えるようにして寝ていた。


女性は彼に気付くと




「ねえ、アメ買ってきて。

 この子が欲しがっているから」




と当たり前のように話しかけてきた。


部屋を出て、番号を確認すると確かに自宅である。

自分は独身だし、親戚の誰かが来るという話も

聞いていない。

そもそも、鍵は掛けてきたしスペアキーを

誰かに預けた覚えもない。


彼は言われるがままに近所のコンビニで百円相当の

安いアメを購入すると、再び自宅へと戻った。


部屋に入ると、あの女性と子供の姿はなく、

入れ替わりのように飼っていた猫が二匹、

ソファの上で寝息を立てていた。

オスとメスで、どちらも元野良猫。

ただ、メスの方が先輩猫で、オスより4歳ほど

年上であったという。


彼は何気無く買ってきたアメをその先輩猫の寝顔に

近付けると、ビクッと飛び跳ねるように起きた。

そしてアメに鼻を近づけフンフンと鳴らすと、

ソファを飛び降りてエサのある台所へ行き、

催促を始めた。


もう10年ほど前の話で、その先輩猫も

死んでしまったが、そんな事があったのは

その一度きりだったという。





挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[一言]  私も錯覚は結構多いかな。  因みにこれを錯覚と言っていいのかどうかは分かりませんが、10年程前、クルマを運転している帰り道、その日は県外に遊びに行ってたのですけど、気が付けば既に自宅近く前…
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