表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百怪  作者: アンミン
百怪・怪異、不可思議
39/300

39「誘拐」【挿絵あり】



知人から聞いた話。


本人ではなく、その彼女の事なのだが、ペットは

ウサギ派で白黒のウサギを大変可愛がっていた。




しかし、やがて寿命を迎え―――

落ち込んでいる彼女を温泉に誘った彼は、その帰る日に

とんでもない物を見つけた。




「持ってきちゃった……」




彼女のバッグの中には小さなウサギがいた。

温泉施設の一角にウサギ小屋というか、放牧場のような

ものがあり、それが彼女をその温泉へ誘った理由でも

あるのだが―――




「一匹くらいなら……って」




さすがに彼も問題とは思ったが、考えてみれば

そこのウサギは何十匹もいたそうで、一匹だけなら

わからないだろうと思い、目をつむった。




事件は夜に起きた。

もっとも、気付いたのは朝。

「きゃっ」という彼女の悲鳴と共に彼が見たものは、

彼女のバッグだった。


ブランドもののそれが、無残にもボロボロになっていた。

長年ウサギを飼ってきた彼女は、その状態を一目で

理解した。

しかし連れ帰ってきたウサギはゲージの中。それに、




「……一匹じゃないよね、コレ」




と彼女は肩を落とした。




「仲間が怒ったんですかね。

 で、返しに行きました?」




彼は首を左右に振り、




「俺もそう言ったんだけど、ブランドバッグ一個ムダに

 したんだから、このコもらってもいいでしょ!

 って。

 俺に言われても……」




そう言って彼は頭をかいた。





挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ